【名作STG】第3回 シューティングの背景の美学　～シューティングゲームの魅力～ゼビウス、ファンタジーゾーン、ツインビーなど

シューティングを語るうえで、決して欠かせない背景。

宇宙、地上、架空の星などなど・・・・・。

その美麗なグラフィックを楽しむことも、面白さのひとつなのだ。

シューティングゲームといえば、一番先に何を思い浮かべるユーザーが多いだろうか?

激しい段幕をかいくぐるスリルを、楽しさと挙げるユーザーもいれば、

迫り来る、巨大な敵を思い浮かべるユーザーもいるだろう。

連射こそシューティングの神髄として、ひたすら、連射修行に明け暮れたユーザーたち、

壮絶な弾幕がすべて自機のそばをすり抜けてゆく、安全地帯を戦場のオアシスとして癒やされことも

さらに、多彩なフォーメーション攻撃に、萌えるユーザーもいたであろう。

なぜなら、シューティングにはほかのジャンルに負けない、魅力がたっぷりと盛り込まれているからだ。

今回、特に私が注目してほしいのが背景なのだ。

これに続いて大ヒットした、ギャラクシアン(1979年)も、背景が真っ黒という点で見るとスペースインベーダーと大きな差はない。

しかし、こちらは背景のドットをチカチカと点滅させ光らせる演出により、

宇宙に瞬く星を表現し、宇宙の綺麗さを見事に表現したのである。

以降も

ムーンクレスタ(1980年)や、

ギャラガ(1981年)と

立て続けにヒット作品が飛び出したが、これらはいずれも背景が黒、すなわち宇宙が舞台の作品であった。

そのため、1980年代前後のシューティングゲームといえば、背景が黒と思い浮かべる人も多いだろう。

これだけ多くの作品が宇宙を舞台にしていたことを考えれば、それも無理はない話だ。

ところが、ある年代を境にシューティングゲームの宇宙というイメージが薄くなっていく。

さらに1985年には、グラディウスが登場し、

宇宙を題材にしつつ、丁寧に背景が描き込まれ、その美しさに多くのファンを魅了した。

そして、これまではどちらかといえば硬派な印象を持たれがちなジャンルだったシューティングに、

ツインビー(1985年)や、ファンタジーゾーン(1986年)といったポップな背景が描き込まれたタイトルが、誕生するきっかけとなったのである。

シューティングにとって背景は、顔である。

ゲームにおいて、ファーストインプレッション(第一印象)は特に重要である。

見た目が綺麗だな、面白そうだなと感じれば、そのゲームに触れようという気になるからだ。

そういった点では、シューティングゲームの背景は、ゲームの顔という役割を担っていると思う。

真っ黒な背景、地上の風景が描かれた背景、ポップな背景などなど……。

どれもシューティングゲームの顔として味わいのあるものばかりだ。

幸いなことに、シューティングというジャンルは小難しいルールはいらない。

ならば自分好みの顔でシューティングを選び、遊んでみてはいかがだろうか?