【第1回】リバーヒルソフトの誕生、名作AVG・刑事J.Bハロルドシリーズ・殺人倶楽部の登場
~リバーヒルソフトの誕生からマンハッタンレクイエム誕生までの道のり~

ご訪問ありがとうございます。

今回は、
あの『本格ミステリー・アドベンチャーゲーム』の『刑事J.Bハロルドシリーズ』を生み出した
『リバーヒルソフト』の誕生から『マンハッタンレクイエム』登場までの道のり をご紹介させて頂きます。
『刑事J.B.ハロルドシリーズ』とは

『刑事J.B.ハロルドシリーズ』は
架空の警察官『J.B.ハロルド』を主人公とした『本格ミステリー・アドベンチャーゲーム』、
1980年代から1990年代にかけて『リバーヒルソフト』からパソコン(PC-9801など)で発売され、人気を博しシリーズ化された作品だよ。

そんな『リバーヒルソフト』の誕生から、
大ヒットした『J.B.ハロルド』2作目の『マンハッタンレクイエム』登場までの道のりをご紹介させて頂きます。
『リバーヒルソフト』の誕生

1983年子供の日、その日『リバーヒルソフト』の創業者である『岡崎一博』さんと『鈴木理香』さんは福岡にあるビルの一室にいた。
すでに2人ともあのハローキティで有名な『サンリオ』を去り、後戻りはできない状況にあった。
このとき、彼らの胸中をよぎるものは何だったのだろう。

1983年年5月6日、福岡に『株式会社リバーヒルソフト』が誕生するんだ。
創業者である、『岡崎一博』さんは『プログラマー』であり会社の『代表取締役 』を担当、
そして『鈴木理香』さんは、『ゲーム企画』や『シナリオ作り』を主に担当して
あのリアリティ溢れる重厚な『J.B.ハロルドシリーズ』のシナリオを手掛けることになるよ。
『リバーヒルソフト』ゲームソフトを発売するが・・・

創業から約2ヵ月後、『リバーヒル』の第1弾アクションゲームとして『ズームインスペース』ができ上がった。
だが、このゲームの存在を知る者は少なかった。
そしてその年の秋、『アドベンチャーゲーム』『巨大地震』が完成する。
以後、『ザ・ストレイストーリー』『サバイバルゾーン』とゲームを開発するが、それほどの話題にもならずに時は過ぎていった。

この頃の『リバーヒル』を、『鈴木』さんはこう振り返る。

あのころはまだ、ソフトの企画会社としてゲームを制作していたんです。
制作も私と『岡崎』さんの2人で『マニファクチュア』のようにして。
しかも、いつも締め切りに追われていましたから、完成しても満足感が味わえないという状態でした。
ミステリーアドベンチャーの登場、『黒猫荘相続殺人事件』

創業をしたもののなかなかヒット作品に恵まれない『リバーヒルソフト』に、
1つのエポックとなった作品が『黒猫荘相続殺人事件』。
いわゆる『ミステリーアドベンチャー』である。

おー『リバーヒルソフト』のお家芸が登場

『黒猫荘相続殺人事件』は、
大きな反響を呼び、パソコン雑誌の『アドベンチャーゲーム』などで取り上げられるようになり、
『リバーヒルソフト』の名前も『マスコミ関係者』や『ユーザー』などに浸透し始めるんだ。
そして『白バラ連続殺人事件』『狼男殺人事件』とたて続けに発売した『ミステリー』が話題を呼び、『リバーヒル』の名も全国区へと広がっていったんだ。

『ミステリー』の『リバーヒル』という認知度が上がっていったこの頃、
でも、創業者の『岡崎』さんと『鈴木』さんにまだ満足感はなかったの。

試行錯誤の時代だったと思います。
これはというソフトの前段階だったのかもしれませんね。

と当時の『岡崎』さんは言う。

ミステリの傑作『刑事J.Bハロルドシリーズ』の土壌はこんな経緯を経て醸成されていったんだ。
そして『リバーヒル』を代表するソフトを作ろう
こんな思いが2人の中に生まれ、それが『刑事J.Bハロルドシリーズ』の芽生えだったんだ。
本物の作品が作りたい

『リバーヒル』社内では、『本物の作品を作りたい』という欲求は急速に高まっていった。
この思いに拍車をかけたのが、『リバーヒルソフト』にとって初めての取材となった『パソコン雑誌編集者』のひと言だったんだ。

ゲームの名前を言えば、あっ、あそこの『ソフトハウス』といわれるような、代表作がほしいですね。

この言葉は、以後『鈴木』さんの脳裏に焼きついて離れなかったという。
1986年『リバーヒル』の『企画会議』

創業して3年後、
1986年生年某月某日、次作の『企画会議』が開かれた。
合言葉は『本物の作品』

『鈴木』さんは、当時の『企画会議』状況について

あの時は、こんなことは出来ないんじゃないかとか、こんなことはちょっと、といった制限をいっさい取り払って企画を出し合いました。

と後に証言しているよ。

その結果出てきた企画が、
『登場人物』を30~40人、メッセージ3500、選択肢250、いきなりシリーズ化、『マニュファクチュア』をやめて仕事の分担化など、
今までの『リバーヒル』ではタブーとされていたことが議題に上ったんだ。

『岡崎』さんは当時を振り返り

これまでの『リバーヒル』でしたら全部ボツになっていたかもしれませんね、この企画は・・・
でも、これが当たらなかったらやめちゃおうという気がありましたから、いいことは何でもやってみようという感じでした。

こうして、数時間に及ぶ『企画会議』の結果、
アメリカを舞台にした『ハードボイルドタッチ』の『ミステリーアドベンチャー』に決定。
『登場人物』も前代未聞の『33人』メッセージ3000を超え、選択肢200以上という
しかも、発売前からシリーズ化も決定したんだ。

おー本気の『リバーヒル』
『リバーヒルソフト』の『J.B.ハロルドシリーズ』までの道のり

ここで『リバーヒルソフト』の1983年から1987年までの創業から『J.B.ハロルドシリーズ』誕生までの作品を紹介させて頂きます。
発売年 | ゲームタイトル | コメント |
1983年 | ズーム イン スペース | 『リバーヒル』の第1弾アクションゲーム |
巨大地震 | アドベンチャーゲーム | |
あどべんちゃーイン博多 | ||
1984年 | 手掛かりを探せ! | |
ザ・ストレイストーリー | ||
Gメン 記憶を探せ! | ||
黒猫荘相続殺人事件 | ミステリーアドベンチャー | |
白バラ連続殺人事件 | ミステリーアドベンチャー | |
狼男殺人事件 | ミステリーアドベンチャー | |
1985年 | ジャグラー・ストーン | |
ゾーディアック | ||
バル・トラッド | ||
1986年 | アグレス | ゾーディアックの続編 |
殺人倶楽部 | J.B.ハロルドシリーズ 第1作 | |
1987年 | マンハッタンレクイエム | J.B.ハロルドシリーズ 第2作 |
記念すべき『刑事J.Bハロルドシリーズ』の第1作目『殺人倶楽部』誕生

『リバーヒルソフト』では、
今までにないゲームを作りたいという思いが制限を取り払い、
これまでのゲームとはまったく違った『アルゴリズム』によるゲーム作りが始まった。
と同時にスタッフも分担され、『グラフィック担当』や『サウンド担当』が新たにソフト作りに投入された。

この頃から、職人肌の『マニュファクチュア方式』から
『作業分担方式』に切り替えたんだね。
『殺人倶楽部』の制作開始

『殺人倶楽部』の制作では
『鈴木』さんは『シナリオ』に力を注ぎ、
プレイヤーは絶対にメッセージを読んでくれるという思いで、『登場人物』33人の『キャラクタ』の個性作りなど、巨大なメッセージ群を書き始めた。
その『シナリオ』を待って『岡崎』さんが『プログラム』を、
『デザイナー』は、上がってきたラフから『グラフィック』を描き始める。
そして、『殺人倶楽部』の『グラフィック』の多くが『アメリカの雑誌』や『インテリア誌』、『建築誌』などから生まれた。
発売直後のどんでん返し、これは売れるパッケージではないね

その後、『刑事J.Bハロルドシリーズ』のパッケージデザインを担当することになる、
『高屋』さん(高屋デザイン事務所)が『リバーヒルソフト』を訪れたのは、
『プログラム』もほぼ完成し、『パッケージ』も出来上がり、付属の『マップ』や『マニュアル』も試行錯誤の末、完成したころであった。
『高屋』さんは、パッケージを見て言った。

これは売れるソフトのパッケージではないね。

え・・・

すでに出荷の準備に入っていたときだけに、『岡崎』さんと『鈴木』さんは慌ててしまう。
『鈴木』さんは、当時を回想して

『高屋』さんとは以前から付き合いが,ありましたから、
企画主旨を話して、至急『パッケージ』と『ポスター』のデザインを依頼したんです。

タイムリミット1週間という強行軍の結果、
『高屋』さんは、『鈴木』さんのイメージにぴったりのデザインを上げてきたのである。
こうして生まれたのが、
『刑事J.Bハロルドシリーズ』第1作目の『殺人倶楽部』だよ。

この記念すべき第1作目の『殺人倶楽部』は、
どこから捜査してもラストに行き着ける『捜査シミュレーション』という新分野をひっさげ、スタッフの満足感を乗せて発売されたのだった。

まさに、『リバーヒルソフト』渾身の一作だね。
『殺人倶楽部』の反響は?

『殺人倶楽部』は、
『リバーヒルソフト』スタッフの満足感と、そして期待と不安を詰めて市場へと旅立った。
時を同じくして、予想外の事態が起きのだ。
『ショップ』や『ユーザー』の前に、『パソコン誌』が敏感に反応したのだ。
『リバーヒルソフト』へ、今までにないほどの取材が相継いのだ。

『鈴木』さんは、この頃の『パソコン誌』の反応についてこう分析しているよ。

『編集者たち』も既成のゲームにちょっと食傷気味だったのかもしれないですね。
それに『ユーザーターゲット』もちょうど『編集者』(おっさん?)くらいだからウケたんだと思いますよ。(笑い)

そして『殺人倶楽部』は、
『ユーザー』からも高い指示を受けて、大ヒットすることに。

『ミステリーアドベンチャー』なら『リバーヒルソフト』。
『リバーヒルソフト』といえば、『殺人倶楽部』と言われるほど
『パソコン・ゲーム業界』で『不動の地位』を確立することになるんだ。
そして、『リバーヒルソフト』はその勢いのまま、
『刑事J.Bハロルドシリーズ』の第2作となる『マンハッタンレクイエム』の企画をはじめるんだ。

今回はここまで次回は、
第2回『マンハッタン』へ行こう、『マンハッタンレクイエム』の誕生をご紹介させて頂きます。

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