【第3回・最終回】アドベンチャーゲーム（AVG）の名作、オホーツクに消ゆのあらすじ～夜の海に消えた老人、第四の犠牲者～

『網走港』で発見された『白木』(第三の被害者)の

『死体の肺』から『真水』が検出され

しかも『マリゴケ』までが含まれていたというのだ！

『マリゴケ』といえば『屈斜路湖』の名物。

『オレ』は急いで『屈斜路湖』周辺の聞き込みはじめることにした。

すると、次第に生前の『白木』(第三の被害者)の足取りが明らかになり、
『白木』の泊まっていた温泉の名前までわかったのだ。

『湖』から100mほど離れたところにある『和琴温泉』を訪れた『オレ』は、そこで驚くべきものを見てしまった。

『白木』(第三の被害者)の宿泊した部屋を調べてみると・・

こ、これは・・・

壁に落書きが書いてあり

なんと、今まで殺されていった人々の名前がズラリと記されているのだ！

更にもう『2名』、新しい人物の名前も書かれていた。

書かれていた名前は

『飯島』(第ニ被害者)、『白木』(第三被害者)の名前の他に、

網走出身であり大臣候補の国会議員『阿久津秀夫』の名前と

名前が一部判読不明ながら『××むらきすけ』とも書いてあった。

更に、阿久津以外の名前には×印が付けられていた。

ということは、次の『犠牲者』は

『××むらきすけ』(判読不明)と国会議員の『阿久津秀夫』ということか?

これ以上、この連続殺人の『被害者』を出す訳にはいかない。

なんとしても、ここでくい止めなければ・・・。

『オレ』は『紋別の町』で、ひとりの男を捜していた。

そう、温泉に記されていた人物のうちのひとりだ。

通りがかりのおばさんたちのおかげで、『ヤツ』の自宅のありかがわかった。

名前は『奥村紀助』

また『飯島』（第二の被害者）が若いころに
このへんで『新聞記者』をやっていたという事実も知ることができた。

『オレ』は、『3丁目』にあるという『奥村紀助』の家へ足を進めた。

が、もはや手遅れだったのだ。
すでに『奥村』もこの世の人ではなくなってしまっていたのだ。

それも1週間ほど前に、

という言葉を残して『奥村』は夜釣りに出た際、そのまま夜の海に消えてしまった（自殺）というのだ。

『奥村』の女房(といっても老婆だが)が『オレ』に話しかけてきた。

そう言って彼女が奥の金庫から大事そうに出してきたのは、
この土地の特産品『ニポポ人形』だった。

それは目の下に『ノミ』の跡が入っていた。
まるで人形が泣いているように見えたのは、『オレ』の気のせいだろうか?

老婆の家を後にして、

『オレ』は『紋別の町』を一望できる展望台に登ってみた。

すると、そこには昭和24年に『紋別沖』で1隻の『漁船』が沈んだときに建てられた『慰霊塔』があった。

後でわかることなのだが、
ここに飾られた花は、『20歳ぐらいの髪の長い女性』が供えていったというのだ。

思わず『オレ』は合掌して、この『展望台』を降りた。

引き続き『紋別港』で聞き込みをしていると、

またもや新しい人物が『捜査線上』に浮かび上がってきた。

そいつの名は『浦田仁五郎』

一例のニポポ人形を作った漁師だ。

詳しいこと、港の端にある『管理事務所』の人に聞くことができた。

なんでも『浦田仁五郎』の消息は、『網走刑務所』へ行ってみればわかるらしい。

更に事務所の人に、ある『ガイシャ』の写真を見せると、とんでもない返事がかえってきた。

そんなバカな！
死んでいる『ヤツ』がここへ来るなんて――。

待てよ、まさか・・・.まさか、アイツが・・・。
だが、いったいなんのために?

事件はますます『謎』が『謎』をよぶ展開になってきた。

『網走』へ向かって車を飛ばす間、
『オレ』は頭中で今までの事件を整理してみた。

東京の『晴海埠頭』で殺された『増田文吉』（第一の被害者）。

『網走』の『北浜海岸』で殺された『飯島幸雄』は
『増田文吉』（第一の被害者）にゆすられていた。

『網走』で発見された『白木雄九郎』(第三の被害者)は、

『屈斜路湖』で殺害され、その後『網走港』に投げ込まれたとの推測ができる。

『飯島』(第ニ被害者)、『白木』(第三被害者)、『奥村』（自殺）の3人は、
若いときにこの『北海道』で働いていたころからの知り合いでもあった。

『奥村』はみずからの命を断つようにして『紋別』の夜の海に消えていった。

そして、『カギ』を握ると思われる『浦田仁五郎』という人物。

更に『オレ』たちと同じように、

この事件をかぎまわる『ヤツ』が『約1名』。

また『網走』の町で不気味に動きまわる『北竜会』の『ヤクザ』たち

これだけの要素が、いったいどこでどうつながり合うのだろう?

と『推理』しているうちに、いつのまにか車は『網走刑務所』に到着していた。

『オレ』が『刑務所』の前で、物思いにふけりながらタバコをプカプカとやっていると、

車に残っていた『シュン』が血相を変えて飛んできた。

『ボス』、大変です！

今、『道警』(北海道県警)の友人から連絡があって、

この事件の『捜査』を打ち切るように、
上からの大きな圧力がかかり始めたということだそうです。

いずれ、本格的な『捜査打ち切り命令』が出るだろうと。

この事件の『黒幕』が遂に動き出しやがったな。
どうやらこいつは、思ってたより、遥かに『大きな事件』らしいぞ。

『網走刑務所』に入った『オレ』は、『浦田仁五郎』との面会を求めた。

すぐに『浦田』とは会えたものの『ヤツ』は知らぬ存ぜぬの一点張り。

はっきり言って、『オレ』は失望した。

もはや、この『捜査』もここまでか・・・。

『捜査』の進まぬイライラと、上からかかってくる圧力への不安に挟まれて、
『オレ』はもうなにもかも投げ出したい気分だった。

そんな時だった、予期せぬあの第5の殺人事件が起こったのは。

もっとも、この5人目の殺人をきっかけに、

この『事件の糸』がほぐれるように解決されていくとは、

その時、誰が予想したであろうか・・・。

以下、『新田刑事の手記』はまだまだ続いていくが、

ここから先の事件の『解決』は、読者のみなさんにまかせることにしよう。

この複雑な『連鎖殺人事件』の『謎』を、ぜひともキミ自身の手で解き明かしてみてくれ。