【ジオン地球侵攻作戦ガンダム】『機動戦士ガンダム：1年戦争の歴史』ジオン軍地球侵攻作戦（宇宙世紀0079年2月7日~3月22日）戦局の流れのご紹介

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今回は、『機動戦士ガンダム：1年戦争の歴史』ジオン軍地球侵攻作戦（宇宙世紀0079年2月7日~3月22日）戦局の流れをご紹介します。

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眼下の地球に、大量の部隊を降ろす・・・。ジオン、連邦の喉元に迫る!

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1月15日から16日にかけて行われた戦いは、その戦場の名を取り「ルウム戦役」と呼ばれた。

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この戦いの後、ジオン軍は開戦前からの計画に基づき、自国に有利な休戦条約を連邦と結ぶべく、その準備にとりかかった。と同時に、万一の場合を考え、地球侵攻作戦の準備も進められた。

かたや連邦内部は、ルウム戦役で瓦解した宇宙艦隊の再建に全力を注いでいた。また一番の痛手は、レビル将軍を捕虜に取られたことだった。1月17日、ジオンは捕虜となったレビル将軍の映像と、ルウムでの華々しい戦果を武器に、全地球的規模のプロパガンダ演説を行った。

ルウム戦役 | プラモデル（ホビー/おもちゃホビー） | 中古・新品通販の駿河屋

「我々優秀なるジオン国民の前には、数では優勢な連邦軍も、烏合の衆に過ぎない!」という主旨のその演説は、ジオンにあっては士気を高め、連邦にあっては意気消沈させた。

かくして連邦軍は、士気高揚と名誉挽回のために、少人数の精鋭からなる特殊工作部隊を編成。レビル将軍奪回作戦を発動させた。

その作戦は2日未明に開始された。だが、難民船に偽装した船がサイド3に無事入港したという連絡を受けて以後、一切の定時連絡は途絶えた。連邦軍首脳部は、レビル将軍奪回作戦の失敗を悟ったのである。

1月28日、中立サイドであるサイド6を通じ、ジオン政府から連邦政府に休戦条約締結の申し入れがあった。

レビル将軍奪回もままならず、また「ソロモンに大規模なジオン艦艇が集結しつつあり」との連絡を受け取っていた連邦政府は、その申し入れを受ける決意を固めた。

締結の日は1月31日。場所は永久中立地帯である南極大陸で行われることとなった。当日、南極大陸観測基地に設けられた特設会場で、連邦、ジオン代表団が顔をあわせた。

条約の内容は大方の予想通り、ジオン公国の独立自治権を認めさせ、さらに連邦軍の軍備縮小を促した、休戦条約とは名ばかりの、事実上の降伏勧告だった。

だが連邦政府には、徹底抗戦を行うだけの戦力も残っておらず、この条約を飲むしか手はなかった。

しかし、連邦にとっての奇跡は起こった。31日午後1時15分、条約締結の会場に、レビル将軍救出さるとの報が届いたのだ。

レビル将軍はすでにルナ2基地におり、間髪入れず、そこから使用可能な全周波数を通じ、全地球的規模の演説が行われた。

「私はこの目で、ジオンの内情をつぶさに見てきた。我が連邦軍以上に、ジオンも疲弊している。かつての「コロニー落し」と「ルウム戦役」は、ジオンにとっても苦い勝利でしかなかったのだ。そしてジオンに残された兵力は少ない!」

これを受けた南極基地の連邦首脳陣は、徹底抗戦を決意。狼狽するジオン代表団をねじ伏せ、条約の内容を再検討させた。そして結局この日は、軍事条約の締結のみに終わり、両軍は泥沼化する戦争を継続していく事になるのである。

1 NBC兵器、および大質量兵器(コロニー爆弾等)の使用禁止と、その他の兵器の使用制限。(ただし核動力は、制限付きでこれを認める)
2 木星エネルギー船団、月面恒久都市、中立区域への攻撃禁止。
3 捕虜への待遇等、人権的要素の確認。

南極条約締結時の報道写真。ジオンは自国に有利な停戦条約が締結されるものと信じ、あらかじめ各報道機関に通達を出していた。

こうして、ジオン側が戦争開始以前に立案した戦争終結までのプログラムは、音を立てて崩れていった。現段階で終戦協定を結んだとしても、ジオンに有利な条件は望めるべくもない。もはや残された道は、徹底抗戦しかなかった。

一部には反対の声もあったものの、ジオンの実質的指導者であるギレン・ザビは、断固地球連邦軍を粉砕すべく、かねてより進めていた計画を実行に移した。

すなわち、敵の喉元に兵力を送り込む、地上侵攻作戦である。ジオンが地球に兵を送り込む最大の目的は、レアメタル(希少金属類)と、化石燃料の確保にあった。

資源採掘用小惑星や月面基地を保有するとはいえ、地球でのみ産出される鉱物資源は数多い。コロニーが母国であるジオン公国は、その鉱物資源を、喉から手が出るほど欲していたのだ。

かくして急ピッチで、地球降下作戦の準備が進められた。そして何度となくコンピュータ・シミュレートと訓練が繰り返された後、ついにジオン本国と、建設途上だった宇宙要塞ソロモンから、多数の降下作戦用の艦隊が発進していった。

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この時期、ルウム戦役で多くの艦艇を失った連邦軍に、制宙権はなかった。特に月側の空域は完全にジオンの庭のような状態にあり、降下艦隊はさしたる妨害もなく、地球の衛星軌道にまで到達できた。そして2月7日、地球降下作戦は開始された。

ムサイ級巡洋艦、チベ級重巡洋艦等の降下母艦は、降下目的地上空をフライ・バイ。牽引してきた大型HLV(大気圏突入、離脱カプセル)を、速やかに降下させた。

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この時作戦指揮を取っていドズル中将は、「最初に地上にキスをした者には、最上級のワインをオレがおごるぞ」と、兵達を叱咤激励したと言われる。

地上制圧の際には、各巡洋艦に装備された降下艇と、使い捨ての突入カプセルなどが大量に動員された。使い捨てのカプセルはともかく、ムサイ級巡洋艦に装備された降下艇、「コムサイ」は、連邦の降下艇と設計理念からして異なり、なんと駆逐戦闘機としての能力まで有しており、モビルスーツも2機搭載できた。

ムサイ型艦の前部に接合されている、大気圏突入カプセル。モビルスーツ2機と兵員20名以上を搭載可能なほか、本機自体も空戦能力を有している。

大気圏突入、離脱用カプセル。様々な型のカプセルが本作戦に投入されたが、これは最も標準的な仕様の機体。モビルスーツ2個小隊(6機)、もしくは大型車両10両とその補充部品、支援機材を搭載可能。さらに兵員60名が収容できる。

ジオン地上軍の指揮系統図をご紹介します。

ジオン地上軍は、ドズル中将の管轄下の各方面軍（主に陸・空軍）とキシリア・ザビ少将子飼いの、戦略海洋諜報部隊(事実上の海軍)に分かれています。

降下目標地点には、大きく4つの地域が選ばれた。北アメリカ・ニューヨーク周辺。中央アメリカ・カリフォルニア周辺。東アジア・北京周辺。東ヨーロッパ・カスピ海沿岸である。

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これに対し、連邦軍は迅速な対応を取ることができなかった。なぜならコロニー落下の際の天変地異により、最も機動性を持った海上機動艦隊は全滅に近い被害を受けていたからだ。

更にジオン宇宙艦隊は、衛星軌道上よりミノフスキー粒子の最大濃度散布を行い、降下部隊がレーダーで捕捉されぬよう尽力をつくした。そのため電波誘導の迎撃ミサイルは使用できず、高々度迎撃戦闘機も敵HLVの正確な侵入軌道が判らねば、出撃のしようもなかった。

この日降下に成功したHLV、およびシャトルの数は、400以上にもなる(迎撃されたHLVは、わずか3機)。兵員3200人、モビルスーツ220機、戦闘車両380両。これが第一次降下作戦で降ろされた、ジオン軍の全兵力である。

以後HLVは、地上に橋頭保を確保した後、大気圏離脱。再び兵員、モビルスーツを積み降下するピストン輸送を行った。ジオン軍はこのような大規模な降下作戦を、2月7日〜15日、2月22〜28日、3月5日〜10日、3月18日〜22日の、4回にわけ実施した。

自分達の町や村の頭上から降下してくるジオン軍は、まさしく空からの侵略者だった。多くの人々が初めて見るモビルスーツの威容に圧倒され、現地の駐留軍も、その巨体を見るやいなや、戦意を喪失していった。

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