【MSV・水陸両用MS開発史】ガンダムMSV時代のジオン軍・水陸両用モビルスーツ(MSM)開発史のご紹介

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今回は、ガンダムMSVシリーズ（83~84年）で描かれたジオン軍水陸両用モビルスーツ(水泳部)開発史をご紹介します。

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ジオンのモビルスーツの歴史は、プロトタイプザク（MS-04）で実用化され、MS-05（旧ザク）から初めて実験的モビルスーツ部隊、教導機動部隊が編成されることになります（宇宙世紀76年5月）。

その後、79年1月に勃発した『一週間戦争』『ルウム戦役』以降、MS-06ザクII(A、C、Fの三タイプ)が主力MSになってゆきます。

その2ヶ月後の宇宙世紀79年3月1日、ジオン軍の地球侵攻作戦が開始されます。

こうして地球での地上戦、海戦が繰り広げられるようになり、地球の環境に合わせた水陸両用モビルスーツの必要性が求められるようになります。

MSVスタッフが、随筆した書籍『機動戦士ガンダムモビルスーツバリエーション(2)MS・MA』などをもとに、ジオン軍・水陸両用モビルスーツの開発史をご紹介します。

水陸両用モビルスーツは、地球侵攻作戦の決定を待って、開発が着手された機体です。

シオン軍の最初の考え方は、MS-06ザクIIのバリエーションの一つとして、水陸両用型MSを開発しようというものでした。

その計画は、MS-06Mザクマリンタイプ完成によりて実現することになりますが、このMSは到底実戦に耐えるものではありませんでした。

そのため全く新しい観点から水陸両用モビルスーツを開発することになり、

• これらにはMSMナンバー与えられ、
• MS-06M（ザクマリンタイプ）は、MSM-10と改称され新型水陸両用モビルスーツのためのデータ収集に使用されることになります。

このデータが一通り揃ったあたりから、第一期開発がスタートすることになります。そして生み出されたのがMSM-03ゴッグです。

この水陸両用モビルスーツ（MSM-03ゴッグ）も、第二期に開発されたMSM-04アッガイやMSM-07ズゴックも、性能面では過大な要求がされなかったこともあり、順当な仕上がりをみせいます。

また水陸両用型の実戦配備は、なるべく同一機種による部隊編成を行い、地上のモビルスーツ部隊よりも物資の補給がしやすくなっていました。

水陸両用モビルスーツが効果的に運用できたのは、潜水艦隊が編成されていたからです。

地球に侵攻したジオン軍の潜水艦は、当初、単独行動による敵補給路の破壊という、古くからある運用方法が取られていました。

この潜水艦と水陸両用モビルスーツを組み合わせるという考え方は、幸か不幸かMSM-01の開発失敗から生まれた運用方法です。

本来モビルスーツは、独立した部隊での上陸作戦を目的に開発されていましたが、MSM-01の欠点が明らかになった時点で、別兵器による支援が決定されたのです。

こうして、潜水艦と水陸両用モビルスーツのコンビネーションができあがり、この各兵器の特性を生かした運用方法になり、大きな戦果をあげることに成功します。

アッグシリーズ（アッグ、アッグガイ、ジュアッグ、ゾゴック）とは、アニメ版機動戦士ガンダムのすべてのプラモデルを出し尽くしてしまったバンダイが、新商品として富野由悠季さん（機動戦士ガンダムの原作者）のメモをもとに商品化したプラモデルです。

しかし、ガンダムの物語には登場せず、幻のMSとされていましたがMSV企画では、このアッグシリーズ（アッグ、アッグガイ、ジュアッグ、ゾゴック）を特務モビルスーツとしてガンダムの世界観に取り込みことに成功します。

MSVでは、アッグシリーズをジャブロー（連邦軍本部）への攻略用特務モビルスーツとして登場させています。

水陸両用モビルスーツの開発途上で誕生したのが、ジャブロー攻略用特務モビルスーツです。

連邦軍の本部、ジャブローは地下基地であったため、通常の攻撃では効果がなく、大戦初期に行われた『ブリティッシュ作戦』でも、ジャブーにコロニーを直撃させることはできませんでした。

そこで、役割を明確にした複数機種により編成された部隊を、多方面から同時に侵入させるという計画がたてられました。

作戦は、

1. まず、アッグが侵入路を掘り起こし、
2. 続いてジュアッグが中距離攻撃をかける。
3. それを援護として、アッグガイとゾゴックがジャブローに侵入し、白兵戦を仕掛けるというものでした。

しかしこの奇抜過ぎる作戦は、軍内部にも成功の確率を疑問視する向きもありました。結局、この計画実行するチャンスを失ってしまい、幻の作戦として『一年戦争の歴史』に記録されることになります。

代表的なジオン軍の水陸両用モビルスーツをご紹介します。

MSM-03ゴッグは、第一期水陸両用モビルスーツとして、MSM-02と競作のかたちで開発されました。

機体は、水の抵抗が極力少なくなるよう設計されており、高出力反応炉の搭載あいまって、最高速度70ノット/(時速約130キロ)をマークしています。また、フリージーヤード装備で、通常タイプの対潜兵器には無敵に近い戦歴を残しています。

また、反応炉の冷却上の制限により、陸上での作戦時間はさほど長くはなかったのですが、重装甲を活かして、上陸侵攻作戦でも多大なる戦果をもたらしました。

MSM-04アッガイの開発は、MSM-07ズゴックの次にスタートしましたが、完成し、実戦配備されたのは、アッガイのほうが早かったのです。

それは機体の部品は、MS-06ザクIIからの流用が多く、操縦感覚もザクIIに似ていたためであり、更にモビルスーツとしては、はじめて複座式コクピットが採用され、水陸両用モビルスーツの操縦訓練機として使われることも多かったのです。

MSM-07ズゴックは、MSM-03ゴッグに次いで開発されたモビルスーツです。最終設計にあたっては、ゴッグの実戦データをもとに、数々の改良がなされています。

ズゴックの改良には時間がかかり、完成は、後から開発が始まったアッガイに遅れをとってしまいます。だが、そのかいあって戦闘力はMSMシリーズ中、最高のものとなりパイロットによっては、ザク以上の戦果をあげています。

武装は、両腕にメガ粒子砲とクローを一組ずつ、頭部には240ミリロケット砲六門が搭載されているが、携帯武器は装備されていません。

同期の生産は、ジオン地上軍の拠点、キャリフォルニアベースが担当していました。

尚、後期には、反応炉の出力向上と運動性の改良、装甲の材質変更などがなされた、MSM-07Sへと生産が切り替えられています。

MSM-10ゾックは、MSMシリーズ中、最も異様なタイプの水陸両用モビルスーツです。機体に手足はあるものの、もはやモビルスーツのそれとは全く異なる機体に仕上がっています。

特に移動用の脚部は、大型ロケットエンジンが内蔵され、シャンブ飛行で移動する方式で、一般的な『歩行』は構造上、不可能になっています。

ゾックがこのような形となったのは、モビルアーマー（MA）構想が確立する前の過渡期に設計が進行したからだと言われています。

武装は、機体の前後に四門ずつと頭部に一門の、合計九門のメガ粒子砲が搭載され、反応炉がモビルスーツの2~3機分の出力をもっているので、メガ粒子砲をビームライフルなみに連射することができ、単純計算でのの火力は、モビルスーツ1個中隊と同等であったとか。

ゾックの生産計画は、モビルスーツとしてではなく、小型モビルアーマーとして考えられ、グラブロと艦艇用ドライドックに生産設備が設けられていました。

終戦までに生産されたのはプロタイプは、3機のみで、

• 一、三号機は、北大西洋の潜水艦隊『マンタレイ』に
• 二号機は、同じく北大西洋の『マッドアングラー』に配備され、実践テストが行われていました。

二号機は、後にジャブロー攻略戦に参加し、連邦軍のRX-78-2に撃破されてしまいます。また一号機に至っては、連邦軍の対潜攻撃機に襲われ、輸送中の潜水艦ごと失われてしまったと記録に残されています。

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