「手作り鉋の製造工程」のご紹介
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今回は、「手作り鉋の製造工程」についてご紹介します。
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「手作り鉋の製造工程」のご紹介
鉋の刃ができるまでには約30日かかり、そこから研ぎに出し、鉋台に納まって製品化されるまでにはさらに10日を要します。鋼をそのまま刃にする海外とは違い、日本の手打ち鉋は複雑なプロセスをたどります。さながら日本のモノづくりの原点をかいま見ることができる「手作り鉋の製造工程」をご紹介します。
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【1】地金(じがね)づくり
削り刃となる鋼に貼り合わせ、鋼部を支える役目を担うのが地金。地金には明治中頃まで英国で生産されていた、極めて軟らかい錬鉄が最適。まずは地金の原材料となる、船舶の錨や鉄橋の解体部材をコークス炉で1300度に熱し、エアーハンマーで叩いて長い板状に伸ばします。地金のバーができたら、いったん自然冷却させ、この工程を終了します。
地金の材料となる、イギリス産の船の錨や鉄橋の廃棄材類
今や貴重品となった錬鉄をこのコークス炉で1300度に加熱
【2】水打ち
長い板状にした地金を火炉で再び加熱します。その後、エアーハンマーで形を整え、さらに地金に水をかけて爆発を起こさせ、表面に生じた酸化鉄の被膜を吹き飛ばします。
被膜が残っていると、鋼と地金がうまく接合できないからです。その際、破裂音とともに酸化鉄の小さな破片が周囲に飛び散ります。目を覆うゴーグルと、夏でも長袖の作業着が欠かせない。
熱した地金のバーに水をかけ水蒸気爆発を起こさせる
【3】鍛接(たんせつ)
いよいよ前半戦の山場、地金と鋼を貼りつける鍛接です。地金のバーに鋼材を載せ、火炉で1100度くらいに熱します。その後、地金と鋼の間に鍛接材をつけ、手打ちのハンマーで叩いて接合していきます。
さらにエアーハンマーで叩き、地金と鋼の接合をより強固にします。鍛接がうまくいかないと鉋身に割れが生じるため、細心の注意が求められる作業です。
オレンジ色に染まる地金のバーにカットした鋼材を載せる
地金と鋼を火炉で加熱。目的の温度に達したら、炉から出す
地金と鋼の間に酸化被膜ができないよう、鍛接剤を塗っていく
【4】型抜き
鍛接に続き、エアーハンマーで鉋身となる部分の形を整えていきます。鉋の刃は刃先に向かって厚みが薄くなるようにテーパーがつけられていますが、その形成もこの段階で行ってしまいます。
形ができてきたら、型抜き機を用い、余熱が冷めないうちに地金バーから鉋身の部分だけをカットしていき、頭部にアールがついた、鉋身が次々に誕生してゆきます。
鋼が貼り合わされたバーから切断機で鉋身部分をカットする
切断機により切り出された鉋身。余熱によって赤く染まる
【5】焼鈍(しょうどん)
鍛接のために高温で焼かれた鋼は、結晶構造に乱れが生じており、このままでは鋼でつくられる刃先は脆くて欠けやすく、摩耗性にも劣り、鉋刃としてはまったく使い物になりません。
これを打開するため、ガス炉で780度ほどに加熱。さらに時間をかけて冷却することで、荒れた結晶構造を整え、鋼の性質を改善します。切れ味にかかわる重要な工程。
焼鈍に用いられるガス炉。加熱、冷却も自動設定で行える
【6】整形と裏づくり
この工程では鉋身全体の整形や、刃裏に設けられる窪み=裏スキの作成、刃先の削り出しが行われます。前工程の焼鈍で焼きなましが入った状態なので、本来硬い鋼も硬度が下がり、比較的加工がしやすい状態。
また、鉋身の側面や頭部にはグラインダーをかけ、プロポーションを整えていく。商品名などを刻む銘も、この段階で刻印打ちがなされます。
焼鈍までの工程を経た鉋身。この段階ではまだ刃先はなく、裏スキもない状態
グラインダーで刃裏面に窪みを設け、裏スキをつくる
刃先をつくるため、グラインダーで削り出しを行う。ミスが許されない緊張の連続
【7】歪み取り
整形によって生じた歪みを、槌で叩くなどして直していきます。まったく性格が異なる鋼と地金を物理的に貼り合わせたため、歪みの発生は避けて通れない宿命みたいなもの。歪みは一枚一枚の鉋身で微妙に異なり、修正には高い集中力と辛抱強さが要求されます。
なお、歪みは全工程で発生するので、絶えず気を配り、その都度対応していくことになります。
【8】焼き入れ
焼鈍で焼きなまされた鋼の硬度を再び高めるために、焼き入れを行います。炉で鉋身を800度前後に熱し、その後、一気に水槽に入れて急冷します。
地金は焼き入れしても硬くならない性質の錬鉄のため、鋼部分だけに焼き入れがなされます。これが地金に錬鉄を用いる最大の理由です。
均一に急冷させるため、焼き入れ前に鉋身全体に砥の粉を塗っておきます。
【9】焼きもどし
焼き入れされたままだと刃先が脆くなり、刃こぼれを起こしやすくなります。そこで150度に温めた油槽に20分ほど浸け、低温焼きもどしを行います。
これはまた鋼の結晶構造の安定化にもつながり、粘り強い削り味を約束する、隠し味のような技術といえます。焼きもどし温度は工房によって微妙に違いがあり、それぞれの秘伝とされています。
焼きもどしをする油槽。焼きもどしにより鋼の粘り強さは増す
【10】歪み直し・裏磨き
焼き入れ、焼きもどしにより生じた歪みを直します。目視だけでなく、スケールを当てて修正具合を正確に確認。その後、布ヤスリを巻いた回転研磨機で、鉋身の裏を磨くバフがけをします。
これにより酸化鉄で黒くなった鋼側の裏面が銀色に輝くのですが、単純に見えて難しい作業の部類。なお、バフがけをしないで商品化する工房も一部にはあります。
バフがけにより刃裏が銀色に輝き、作業も最終段階に入る
再度歪みがないか、細部にわたって厳重に確認していく
【11】裏仕上げ・研磨
いよいよ最終工程の裏仕上げの研磨です。この工程を「九分仕上げ」といい、刃がほぼ研ぎあがった状態で出荷しています。購入者がゼロから研ぎ出さなくてもいい配慮。
裏仕上げの研磨は、全工程のフィニッシュだけに、ここでのミスは致命的。いきおい作業は真剣勝負となります。この研磨のパートを専門の研ぎ屋さんに依頼することもあります。
裏仕上げが終了し、研磨に出す鉋刃。鉋身ができあがっていく
【12】台入れ
完成した鉋身は鉋台をつくる台打ち師さんのもとに届けられ、台に調整を加えた後に鉋台にセットされていきます。この仕込み工程が終了すれば、製品として出荷されることになります。
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