ロードバイクフィッティング：クランクに最も効率よく最大パワーを伝えるための「サドルの前後位置調整」方法のご紹介
ご訪問ありがとうございます。
今回は、クランクに最も効率よく最大パワーを伝えるための「サドルの前後位置調整」方法についてご紹介します。
最適なサドルの前後位置を確認する方法
サドルの前後位置は、クランクを水平にした状態で、膝とペダル軸との位置関係から判断できます。膝とペダル軸を結ぶ線が「地面に対して垂直」というのが目安になるからです。
クランクが最も効率的に働く3時位置に最大のパワーを加える
この「垂直」を知る理由は、右脚を正面に見たとき、ペダリングというのは時計の針の3時の位置で、最大トルクが発生します。これはペダルを「踏む」時に、クランクというテコが最も効率的に働くのが3時位置だからです。
その際、ペダルの真上に膝があると、重力を利用して体重を乗せやすい。上半身の体重を、膝を介して垂直にペダルに加えやすくなるのです。
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負荷をかけたペダリング後に「サドルの前後位置調整」を
サドルによっては、座る位置が落ち着かない製品もありますが、しばらく負荷をかけてペダリングすると、自然と骨盤が収まる場所があるはずです。その時の膝位置を確認し、サドルの前後位置を調整します。
スライドさせると高さが変わってしまうサドルの場合
サドルのレール形状によっては、前後にスライドさせると高さが変わってしまう製品があります。その場合、BBからサドルセンター上面を計測し、サドル高が同じになるようにしてみて下さい。
クランクに最も効率よく最大パワーを伝えるための「ペダル垂直位置」確認方法のご紹介
クランクに最も効率よく最大パワーを伝えるための「ペダル垂直位置」確認方法をご紹介します。
クランクは水平で膝位置を確認する
下げ振りを取り付けた水糸を垂らす。この時、水糸がペダル軸の中心を通るようにサドルの前後位置を調整してみて下さい。
座面がフラットなサドルだと、何処にでも座れてしまうので判断しにくいかもしれませんが、しばらく負荷をかけてペダリングをしていると、自然と脚を動かしやすい場所に骨盤が落ち着ちついてきます。それを見計らって計測するようにしてみて下さい。
【1】シューズにマーキング
シューズをペダルにセットし、ペダル軸の真上あたりにマーキングします。この時、シューズの角度がペダリングしている時と同じになるように、目安としては小指球のあたりになるはずです。
【2】膝のお皿裏にマーキング
膝関節は、お皿の裏を目安にマーキングしてみて下さい。クランクを水平にした「計測ポジション」で判断したためです。この時はシューズを履き、バイクにまたがった状態で実施して下さい。
【3】膝から水糸を垂らす
膝につけたマーキングから、水糸と下げ振りを垂らします。シューズにマーキングをしておけば、ペダル軸と水糸との位置関係を把握しやすくなります。
【4】デジカメ/スマホで真横から画像撮影
下げ振りがなければ、デジカメやスマホでセルフタイマー撮影して、画像から判断することもできます。この時、注意して頂きたいことは、ペダルの真横からバイクに対して直角になるようカメラをセットすることです。
やや前方(もしくはやや後方)からなど、パース(奥行き、角度)が付いてしまうと「正確な垂直の判断」ができなくなってしまうからです。
サドルは水平が基本
サドルの取り付け角度は水平が基本になります。サドルのセンタ一部分が水平になるように取り付けることで、骨盤の位置が安定しやすくなり、膝のスムーズな上下運動が可能になるからです。
ペダリング中にお尻が移動してしまう場合は、角度をつけて前後調整を
ペダリング中にお尻が前方へ移動してしまったり、逆に後退してしまうような場合は、少しだけ角度をつけてみて下さい。たとえば前に移動するようなら、気持ち前を上げると、骨盤がズレてしまうのを防止できます。
水平
前下がり
前上がり
Z
局所的な痛みが発生する場合
また、局所的な痛みが発生する場合は、そこに圧力がかからないようにすることで解決できるかもしれません。たとえば会陰部に圧迫痛を感じるのなら、サドルを少し前下がりにすれば、坐骨側(後ろ側)で体重を支える割合が多くなるはずです。
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サドル前後位置は、許容範囲で調整する
サドルの前後位置を許容範囲を超えて取り付けると「緩み」や「破損」というトラブルを引き起こす場合があります。最近のサドルでは、ワイヤベース(レール)の直線部分に目盛りがプリントされている製品も多く見受けられ、シートピラーのヤグラが、その目盛り内をクランプしやすいように設計されています。
レール部分は、ヤグラを固定するための直線部分があり、前後は曲げられていることがほとんどで、この曲がり部分ギリギリに装着すると、ヤグラの固定ボルトが緩みやすくなってしまいます。
許容範囲を超えて取り付けると走行中にサドルの取り付け位置や角度が変わりかねません。
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サドルの許容範囲を超えて取り付けたい場合は、シートピラーを交換する
サドルの許容範囲を超えて取り付け位置を前後させたい場合は、シートピラーを交換することで調整できるようになります。より後方へセットバックしているタイプや、逆に前乗りポジションを出しやすい製品も用意されています。
ただし、フレームによっては純正品しか付かない場合もあるのでご注意下さい。
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「サドルの位置調整方法」のご紹介
【1】ワイヤベース部の目盛りを確認
昨今のサドルは、ワイヤベースに目盛りがプリントされています。このプリント部をクランプするようにサドルを取り付けます。
プリントがない場合は、曲がり部分から5mmを避けるようにして安全マージンを残して取り付けて下さい。
【2】ヤグラのボルトで位置調整
サドルは、シートピラーのヤグラ部分にあるボルトで固定されています。それを緩めることで前後にスライドさせることができます。
今回のモデル(ジャイアントTCRアドバンスド)には、「2本締め」と言われるタイプのシートピラーが組み合わされており、前後のボルトの締め具合で、サドルの角度を調整する構造になっています。
【3】約25mmの調整幅がある
組み合わせるサドルやシートピラーにもよるものの、たいてい25mmぐらいの前後調整範囲が設けられています。
【4】サドルセンターが水平に
サドルセンターが水平になるのが基本セッティング。不安な場合は、バイクを水平な床に置き、水平器やスマホの水準器アプリを使って調べることで調整しやすくなります。
「ペダリングタイプによるフォームの違い」について考える
サドルの前後位置は、「ケイデンスを上げたいのか」「上げたくないのか」などのペダリングタイプと密接な関係があります。
たとえば高ケイデンスで脚を回さなくてはならない競輪用のフレームは、サドルが前に付くよう設計されています。一方で、前後にキャリアを装着するようなツーリング用フレームでは、ゆっくりのんびりとクランクを回したいため、サドルが後退させやすい設計になっています。
ちなみにロードバイクはその中間的な存在。ケイデンスもそこそこ上げやすく、重いギヤもそれなりに踏める設計になっています。
| 自転車の目的（フレーム）別サドル位置一覧 |
| 目的 |
サドル位置 |
ケイデンス |
| 競輪用フレーム |
前設計 |
高回転 |
| ツーリング用フレーム |
後ろ設計 |
低速回転 |
| ロードバイクフレーム |
中間設計 |
中回転 |
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高ケイデンスな前乗り
サドルを前に出すと、クランクをクルクルと高回転で回しやすくなります。ヒルクライムレースのように、一定のリズムで脚を回し続けるような場合に有効です。
オールマイティな標準位置
ペダル軸の真上に膝がある標準的なサドル位置は、高ケイデンスにも対応しつつ、重めのギヤも踏めるというバランス型。この標準位置がポジション出しの起点になります。
パワー重視の後ろ乗り
サドルを後退させると、太腿からお尻にかけてのハムストリングを活用しやすくなります。そのため大きなパワーを長時間キープしやすくなりますが、ケイデンスは上がりにくくなります。
ライダーのフォームやポジションに合ったサドル形状が用意されている
サドルはライダーの目的別に様々な形状の製品が用意されています。ウエーブ/フラット、ドーム/オーバル、ワイド/ナロー、穴あき/溝付きサドル、肉厚/肉薄などサドル前後位置の調整と合わせて形状を選択することでライダーのフォームやポジションに合ったフィッティングをすることができます。
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