『ドラゴンクエスト』が、お城からスタートするのはなぜ?・制作チームの証言集

ご訪問ありがとうございます。
今回は、『ドラゴンクエスト』が、お城からスタートするのはなぜ?・制作チームの証言集
をご紹介します。

前回は、『ドラゴンクエスト』企画スタートして、さまざまな問題に立ち向かう制作チームの活躍についてご紹介したんだけど。



今回は、『ドラゴンクエスト』が、お城からスタートするようになったのか話題を中心に、
制作チームの証言集をまとめてみました。
『ドラゴンクエスト』制作チームの証言集
部屋から出られないようにしてしまおう 中村光一(プログラマー担当)

解決策は意外な案でした。
自由にやらせてダメなら、閉じ込める。冒険を始める場所を王様の部屋にしてしまい
『はなす』『しらべる』『とびら』『かいだん』などの
コマンドや装備のやり方を理解していないと部屋から出られないようにしてしまったのです。
これでプレイヤーが勝手に冒険してすぐに死んでしまうのを防ぐことができた。
スタートして直ぐ、『ゲームオーバー』堀井雄二(シナリオ担当)

いろんな人にモニターしてもらい、意見を聞く。
と、ここで、やっぱり思ったとおりの問題が発生した。
「なにをどうするゲームか、よくわからない」
というのである。
この頃の『バージョン』は、スタート地点がお城と町の中間。
フィールド上だったのが、そのまま城にも町にも目をくれず、ノコノコ歩きだして、怪物に会い、あっさり死んでしまう。
ゲームオーバー。
再びスタートさせるが同じことの繰り返しで、五分でゲームを投げ出してしまった。
スタート地点は王様の前 堀井雄二

スタート地点は王様のまえ。まずゲーム目的が明確にされる。
そして、王の部屋にドアをつけ、ある程度コマンドの使用法を理解しない限り、そこを脱出できないようにしたのだ。
多分子供たちは、そこから出ようとして、ガムシャラになんでもやってみるだろう。
そして脱出できたときは、コマンドの使用法がわかっているというわけ。
ゲームの遊びかたを覚える前に城の外に出ていかれたら… 制作チーム対談
中村(プログラマー)、千田(プロデューサー)、堀井(シナリオライター)



われわれがそう決めつけていただけなんだ。
このままだと『不親切なゲーム』ってことになるよ

スタートを城にしたらどうだろう? 一回のふん水の前あたりで

同じだよ、すぐに城の外に出てゆくかも知れないし…

今のままじゃ『Aボタン』で『コマンドウィンドウ』が出ることも知らないまま、
『十字ボタン』だけどどこへでもいけてしまって、そして死ぬんだよ。

ゲームの遊びかたを覚える前に城の外に出ていかれたら…
RPGをプレイしたことのない子供たちに、RPGを体験してほしい

『ドラゴンクエスト1』は、まだ『RPG』をプレイしたことのない子供たちに、
RPGを体験してほしいという思いから企画がスタートしたんだ。

考えに考えて完成したゲームを
実際に子供たちにプレイしてもらうと、堀井さんたちが予想していた以上に
子供たちは、予想外の行動をしてしまう。

そして、子供たちに『RPG』の操作に慣れてもらうために考え出しアイディアのひとつが
閉じられた『お城』からゲームをスタートするということなんだ。

今回は、ここまで
ご閲覧ありがとうございました。