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「古刀時代の刀匠/日本刀の歴史」についてご紹介

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「古刀時代の刀匠/日本刀の歴史」についてご紹介

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新々刀 武蔵(源清磨)
日本刀ができるまで/製作
概要|刀工(|7工程)|研磨、拵・刀装具づくり
玉鋼/鋼づくりたたら製鉄
たたら製鉄
歴史(西播磨)|工程(鉄穴流し|炭焼き|鉄づくり|割鉄づくり)|組織と配置|流通と経営|名刀/製作工程|鉄山跡(西播磨)|
工程
【1】鉄穴流し(鉄穴流しとは|影響|砂鉄))
【2】炭焼き
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【4】割鉄づくり(大鍛冶)
自家製/卸鉄(卸鉄)|
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研磨、拵・刀装具づくり
日本刀関連データ/資料
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鑑賞/体験(博物館・美術館一覧|五箇伝)
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「古刀時代の刀匠/日本刀の歴史」についてご紹介

「古刀時代の刀匠/日本刀の歴史」についてご紹介します。

古刀・新刀・新々刀の特徴
古刀 平安末期~鎌倉~
南北朝~室町
鎬造で反りのある湾刀が出現した平安末期から安土桃山時代の慶長元(1596)年までの刀剣。
五箇伝を中心に地域や時代による特色が明確になる。
新刀 (1596)年~
宝暦年間(1751~1764年)
日本国内の交通・物流の発達により産地による地鉄の違いがうすれ、
造り込みや刃文に個性をもたせた装飾的な作風が多くなる。
新々刀 明和元(1764)年~
明治6(1876)年
刀剣が武器としての役割をはなれて美術品として趣を強めていた時代、
復古新々刀を唱えた名工・水心子正秀に始まる。
江戸時代中期の刀剣に比べて大振りで反りがついた。
時代によって「姿」が変わる日本刀の分類(古刀・新刀・新々刀)についてご紹介
時代によって「姿」が変わる日本刀の分類(古刀・新刀・新々刀)についてご紹介ご訪問ありがとうございます。今回は、時代によって「姿」が変わる日本刀の分類(古刀・新刀・新々刀)についてご紹介します。時代によって「姿」が...

古代において最先端の技術者「刀工」

古代において刀工は最先端の技術者であり、刀剣という武器そして象徴物を鍛え上げる特殊な人物もしくは集団でした。鋼を産むたたら製鉄が成立したのは『古事記』『日本書紀』以前のことで、前者には「富登多々良伊須々岐比売命(たたらいすすきひめのみこと)」、後者には「姫蹈鞴五十鈴姫命(ひめたらいすずひめのみこと)」があります。
伝説上の名剣「韴霊剣」「天叢雲剣」「草薙剣」
同様に、刀剣の祖神・天目一箇神(あめのまひとつのかみ)が登場するのは『日本書紀』から、これを祖神とする流れの人々が、のちに神武天皇が大和を平定する際に高倉下が渡した韴霊剣(ふつのみたまのつるぎ)、天照皇大神の為に天の香山の鉄で鍛えたとされる「天叢雲剣」日本武尊が東征の際に使用した「草薙剣」など伝説上の名剣を製作したものと考えられます。

古代の武器庫「石上神宮」

古代の武器庫「石上神宮」

神武東征より以前に大和入りした物部氏が祭祀した神宮。物部氏は製鉄や兵器の製造を管掌していた軍事氏族で、石上神宮は「古代の武器庫」とも呼ばれていました。
神体は「布都御魂剣」で、社伝では神武東征の折、高倉下を通じてこの霊剣を渡したとされます。禁足地再発掘などでも刀剣が発見されており、七支刀、天羽々斬剣、小狐丸などの名品から古墳時代の鉄盾など、鉄に関する考古資料が多い黎明期の刀剣を知るための重要な場所です。
はじめての日本刀の匠「天国」
その伝説上の鍛冶集団の流れの中で、はじめて日本刀匠として名が挙げられたのが大宝年間(701年〜704年)に大和国に生を受けた天国です。この天国という名は応永30年(1423年)に書写された刀剣書『観智院本銘尽(かんちんほんめいづくし)』を初出としますが、その銘はなく、平安中期の人物であるとする説や、そもそも実在を疑われるなど諸説あります。
代表作とされる小烏丸にも銘はなく、あくまで出典は『観智院本銘尽』の記述によるもの。刀剣界では刀匠の祖と言われており天叢雲剣も『観智院本銘尽』「神代鍛冶」の項目によれば、天国の作だとしています。

平安時代中期、集団としての刀工がはじまる

個人もしくは集団としての刀工が確認できるのは平安時代中期からです。この頃まだ製鉄技術は貴重なもので、租税として製鉄品を朝廷や寺社が取り立てていたほど。このことから、都のあった大和国、山城国、また古くから製鉄が盛んな備前国、伯国がその嚆矢(こうし)となっていました。

在銘最古級の刀匠「三条宗近」「伯耆安綱」「備前友成」が現れる
この時代、在銘最古級の刀匠・三条宗近、伯耆安綱、備前友成らが現れます。この頃の刀工たちの社会的な立ち位置は、おおむね朝廷や寺社、また武将をクライアントとして生産する鍛冶集団でした。
京物で最古の刀鍛冶、三条派の開祖「三条宗近」のご紹介|日本刀入門
京物で最古の刀鍛冶、三条派の開祖「三条宗近」のご紹介|日本刀入門ご訪問ありがとうございます。今回は、京物で最古の刀鍛冶、三条派の開祖「三条宗近」をご紹介します。三条宗近(さんじょうむねちか) 生没年承...
古来より刀工は権力者に近い存在だった
一条天皇の刀を鍛えた宗近、友成や東大寺に隷属した大和の千手院派。また、安綱は坂上田村麻呂や源氏に刀を奉じたとされています。歴史的に実在が確認できるこの頃の刀工は、おおむね権力者と良好な関係を築いており、それが鎌倉時代の後鳥羽院の御番鍛冶につながっていくことになります。

平安の優雅さが残る、鎌倉時代前期の作刀

藤原時代の貴族政治が崩壊し始め武家政権へと時代が流れるにつれて、刀剣の作風も時代の影響を受けて優美から剛毅に、より勇壮な太刀に変っていきます。
為政者により大切に保護された「刀工たち」
しかし、鎌倉時代前期の作刀はまだ王朝時代の美意識が濃厚に残っており、後鳥羽院の御作「菊御作」のように高貴な作風も作られていました。特にこの時代から刀工たちは為政者により大切に保護されるようになり、左衛門尉あるいは刑部丞、また権守などの高位、高官の位階が授けられていました。

加えて多くの所領を賜り、彼等が往来する時には数多くの従者を従え、その威望は郡司、国守もおよばない有様であったといいます。

自らも日本刀を鍛造した異色の院「後鳥羽上皇」についてご紹介|日本刀入門
自らも日本刀を鍛造した異色の院「後鳥羽上皇」についてご紹介|日本刀入門ご訪問ありがとうございます。今回は、自らも日本刀を鍛造した異色の院「後鳥羽上皇」についてご紹介します。自らも日本刀を鍛造した異色の院「後鳥羽上...
出世できる唯一の近道は刀鍛冶
当時、身分の賤しい者が出世できる唯一の近道は刀鍛冶になることであったほど、そのため各地に雲霞のように無数の名工、巨匠が誕生するようになります。
「承久の変」後、鎌倉武士の気風に添った「質実剛健の太刀」が主流に
そして後鳥羽院が承久の変に敗れてのち完全に武家政権が確立されてからは、藤原時代のような優美な作風は失われ、質実剛健の鎌倉武士の気風に添う堅実味のある、かつ華麗な刃文の太刀が主流となってゆきます。

相州伝が芽吹く

すでに鎌倉初期から中期に渡り備前国から「備前三郎国宗」と「福岡一文字助真」が、また山城国より「粟田口国綱」がその一門と共に鎌倉の地に移り住み、鎌倉鍛冶の基礎を築き、ここに相州伝が芽吹くことになります。
【備前・山城】「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介
流派 時代 名工
備前
古備前 平安 友成、正恒、包平、信房、真恒、利恒、助包、 包
福岡—文字
(初期)
鎌倉 則宗、助宗、成宗、尚宗、宗吉、宗忠
(中期) 鎌倉 吉房、則房、助真、吉平
(後期) 鎌倉 長則
吉岡一文字 鎌倉 助光、助吉、助義
岩戸一文字 鎌倉 吉家
長船 光忠 鎌倉 光忠一長光一景光一真長、長元·真光· 近景
兼光 南北朝 兼光一倫光·基光·政光·義光、義景
元重  鎌倉 元重
長義 南北朝 長義、兼長、長守
応永備前 室町 盛光·康光·尚光•家助・経家
末備前 室町 則光、忠光、勝光、祐定、清光、祐光
国宗 鎌倉 国真、国貞、国宗、国安
畠田 鎌倉 守家一真守
宇甘 鎌倉 雲生、雲次、雲重
大宮 南北朝 盛景、盛重、盛継
吉井 鎌倉 景則
山城
三条 平安 宗近、吉家、有成、近村
五条 平安 兼永、国永
粟田口 鎌倉 国友·久国·国安·国清·有国·国綱、
則国、 国吉、国光、吉光
綾小路 鎌倉 定利
鎌倉 国行一国俊一来国俊一来国光一来国次 了戒·来包、来国末
南北朝 来国長、来国倫、来国真
信国
鎌倉 了戒派
南北朝~ 信国
室町 源式部丞信国、左衛門丞信国
長谷部
鎌倉~ 国重
南北朝 国信、国平
平安城
鎌倉~南北朝 光長
室町 長吉、(後三条)吉則
「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介
「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介ご訪問ありがとうございます。今回は、「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」をご紹介します。「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の...
大いに栄える鎌倉時代の刀剣
世相は荒々しい武家社会の確立と蒙古襲来などにより荒んではいましたが、刀工たちはその需要から大いに栄えることになります。
鎌倉時代の名工
相州鎌倉においては「大進坊祐慶」、正宗の父「行光」「長谷部国広」、山城国においては「来国行」「二字国俊」を筆頭に来系が武士の援助を得て豪壮な作品を鍛えあげてゆきます。

皇都という特殊事情から優美さを維持した作品を生み出す「山城伝」
一方、京都では「粟田口」や「綾小路一門」がその全盛を誇っていました。こちらは皇都という特殊事情により、他の諸国の流派と異なり山城伝の優美さを維持した作品を生み出しています。
【山城伝】「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介
流派 時代 名工
山城
三条 平安 宗近、吉家、有成、近村
五条 平安 兼永、国永
粟田口 鎌倉 国友·久国·国安·国清·有国·国綱、
則国、 国吉、国光、吉光
綾小路 鎌倉 定利
鎌倉 国行一国俊一来国俊一来国光一来国次 了戒·来包、来国末
南北朝 来国長、来国倫、来国真
信国
鎌倉 了戒派
南北朝~ 信国
室町 源式部丞信国、左衛門丞信国
長谷部
鎌倉~ 国重
南北朝 国信、国平
平安城
鎌倉~南北朝 光長
室町 長吉、(後三条)吉則
南都の僧兵の需要に応えた「大和」
また、大和国では南都の僧兵の需要に応じて、当麻寺に関係のある「当間国行」を始め「千手院」「尻懸派」「保昌派」などが優秀な作刀を遺しています。
「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介
流派 時代 名工
大和
千手院 鎌倉 千手院、重吉、康重、力王
南北朝 長吉、義弘
手搔 鎌倉 包永、包清
南北朝 包吉、包真
室町 包俊、包重
当麻 鎌倉 国行、有俊、友長、友行
南北朝 友清
尻懸 鎌倉~南北朝 則長
保昌 鎌倉 貞吉、貞宗、貞清、貞興
竜門 鎌倉 (千手院派)、延吉
金房 室町 政次
名物・児手柏を鍛えた大和 手掻派の名工「一手掻包永(てがいかねなが)」についてご紹介|日本刀入門
名物・児手柏を鍛えた大和 手掻派の名工「一手掻包永(てがいかねなが)」についてご紹介|日本刀入門ご訪問ありがとうございます。今回は、名物・児手柏を鍛えた大和 手掻派の名工「一手掻包永(てがいかねなが)」についてご紹介します...
備前国、長船鍛冶中興の名匠「光忠」が現る
備前国では衰退した福岡一文字に代り長船鍛冶中興の名匠「光忠」が現れ、その子初代「長光」「真長」や「畠田守家」らが備前正伝としては最も力強い作品を遺しています。
長船鍛冶の基礎を確立し、多くの名刀を世に送り出した「備前 長船長光」についてご紹介|日本刀入門
長船鍛冶の基礎を確立し、多くの名刀を世に送り出した「備前 長船長光」についてご紹介|日本刀入門ご訪問ありがとうございます。今回は、長船鍛冶の基礎を確立し、多くの名刀を世に送り出した「備前 長船長光」についてご紹介します。...
筑後国の「三池光世」、備中国の「中青江」
その他、筑後国の「三池光世」、および備中国の「中青江」とよばれるグループも豪壮な数多くの作品を遺しています。

元寇という未曾有の国難から露呈した「日本刀の弱点」

なお、元寇という未曾有の国難を迎え、戦場では日本刀の弱点が露呈します。

まず、重ねが厚く平肉が厚いと重くて振り回すことができない。次に、焼き幅が広いと硬度が高く裁断力も高いが、反面欠けやすく折れやすい。最後に、鋒が短い猪首鋒では、研ぎ直しができず経済性に欠ける。
相州伝の確立:元寇の教訓から「鍛錬法の改革」が行われる
これらの欠点を補う鍛錬法の改革が鎌倉末期に行われることになります。「新藤五国光」国光の弟の「国広」「正宗」によりこれが進められ、ここに相州伝の確立を見ることとなります。
【相模】「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介
流派 時代 名工
相模
新藤五
鎌倉 国光一国広一行光·正宗一
南北朝 一貞宗一光·秋広、正広、秋義
末相州 室町 正弘、広正、網広、広次(小田原)康国、 康春、康広
蒙古襲来をきっかけに日本刀に革新をもたらした名工「正宗」についてご紹介|日本刀入門
蒙古襲来をきっかけに日本刀に革新をもたらした名工「正宗」についてご紹介|日本刀入門ご訪問ありがとうございます。今回は、蒙古襲来をきっかけに日本刀に革新をもたらした名工「正宗」についてご紹介します。蒙古襲来をきっか...

日本刀の作風が乱れる「建武新政・南北朝」

元弘3年(1333年)、後醍醐天皇による建武新政が断行され荒ぶ武士の時代がより混沌を増し、刀鍛冶もその影響を受けその作風も乱れるようになります。

相州鍛冶が衰退・離散から全国に伝わる「相州伝」
特に日本刀の歴史にとって大きな出来事は、鎌倉幕府の崩壊により相州鍛冶が衰退し離散を余儀なくされた結果、全国に相州伝が伝わったことです。特に備前国では相伝備前と呼ばれる作風が流行り、正宗十哲の一人・備前長船長義などを輩出することになります。
「山城鍛治」南朝崩壊とともに離散
北朝の京都を本拠地とした山城鍛治も戦火を逃れ地方に分散しましたが、南朝崩壊とともに衰退。粟田口一派、来一派、了戒一派は地方の豪族を頼って離散し、すでに山城国はもぬけの殻となります。

肥後国に興った延寿派は来派の流れを汲みますが、こちらも南朝方につき、その末流が同田貫となります。

南北朝の動乱から「五箇伝」が出揃う

大和国では手掻派の兼氏も離れ、相州伝の五郎入道正宗に師事したのち美濃国の志津村の地に移住し、志津三郎兼氏と名乗り美濃伝を完成させることになります。後の世に言う五箇伝が出揃うことになります。
「五箇伝」のご紹介
時代 特徴
大和伝
鎌倉時代
【歴史】奈良で隆盛した大和伝では、奈良時代から作刀が始まっていたとされ、
鎌倉時代から南北朝時代が最盛期。
寺社との関わりが深く、僧兵の求めに応じて質実剛健な作風が追求された。
【作風】五箇伝の中で最も古く、刃文は沸出来の直刃仕立てで鎬が高く厚みがある。
地鉄は、柾目肌か板目肌。ときに肌目が流れる。
【主な流派(刀工)】千手院派(長吉)、当麻派(国行)、
尻懸派(則長)、手掻派(包永)、保昌派(貞宗、貞吉)
山城伝
平安後期
~鎌倉末期
【歴史】平安時代から都がおかれた山城国は、長く政治文化の中心として栄えた。
天皇や貴族の要望に応えるため優美な刀剣が数多く造られた。
数ある流派の中でも粟田口派と来派は、鎌倉時代における山城伝の二大潮流。
【作風】詰んだ地鉄と優雅な反り。
腰反りや輪反りの体配で。
刃文は直刃で小乱や丁子が特徴。
【主な流派(刀工)】三条派(宗近、吉家)、
五条派(兼永、国永)、粟田口派(久国、国綱、則国、吉光)、
来派(国行、国俊、国光)、綾小路派(定利、定吉)、
長谷部派(国重、国信)、信国派(信国)
備前
平安末期
~室町末期
【歴史】現在の岡山県南東部にあたる備前国は、古刀期における随一の鍛刀地だった。
平安時代末期から鎌倉初期にかけて活動した古備前派から歴史が始まり、
その後、一文字、長船などが隆盛した。作風は一つに集約できない。
【作風】砂鉄の産地に近く、匂出来の華麗な丁子乱と地鉄の映りが特徴。
【主な刀工】古備前派(包平、友成、真恒)、一文字派(助宗、吉房、助真)、
吉岡一文字派、片山一文字派、長船派(長光、光忠、兼光、康光、祐定)
相州伝
鎌倉時代
【歴史】現在の神奈川県の一部にあたる相模国は、鎌倉幕府を擁して発展。
幕府成立後は、山城国や備前国から刀工が招かれ、鎌倉の地が一大鍛刀地となった。
その後、元寇(蒙古襲来)や南北朝の騒乱を契機により、鍛刀技術がさらに進化した。
【作風】長寸で重ねは薄く、切先はやや延びる。
板目に汚れや互の目の刃文、味わいある沸が特徴。
地鉄は板目肌に地景が加わる。
【主な流派(刀工)】新藤五国光、行光、正宗、貞宗、広光、秋広、広正、正広
美濃伝
南北朝
~室町末期
【歴史】現在の岐阜県にあたる美濃国で南北朝時代に鍛刀地として隆盛を迎える。
もともとは大和国の刀工が移住したことから始まり、
やがて相州伝を学んだ志津兼氏が美濃に移住した。
【作風】鍛肌は、板目肌を基調に鎬地に柾目肌があらわれる。
刃文は互の目や尖り刃、重ね薄く先反りで鋭利さが特徴。
【主な流派(刀工)】志津系(志津三郎)、金重系(金重、金光)、関系(兼元、兼氏、兼定)
全国に名を馳せた鍛刀地「五箇伝」特徴についてご紹介|日本刀入門
全国に名を馳せた鍛刀地「五箇伝」特徴についてご紹介|日本刀入門ご訪問ありがとうございます。今回は、全国に名を馳せた鍛刀地「五箇伝」特徴についてご紹介します。「五箇伝」のご紹介 「五箇伝」のご紹介...
2代目が傑出した刀工集団「関兼定/和泉守兼定」についてご紹介|日本刀入門
2代目が傑出した刀工集団「関兼定/和泉守兼定」についてご紹介|日本刀入門ご訪問ありがとうございます。今回は、2代目が傑出した刀工集団「関兼定/和泉守兼定」についてご紹介します。2代目が傑出した刀工集団「関兼定/和...

南北朝以降、変化する武士の戦い方

このように、南北朝時代は刀工たちにとって移動を伴うダイナミックな時代でしたが、日本の戦争史においても特筆すべき時代でした。
まずその戦闘方式がより荒々しくなり、集団戦や山林におけるゲリラ、奇襲、待ち伏せと、元寇を経たあとでは殺した者勝ちの戦闘が行われるようになります。
大振りな武器も誕生
武器、武具ひとつとってもより大振りなものが開発され、長柄の菊池槍(延寿派による鍛刀)、八角に削った棒に尖った星を打った鉄板を貼りつけた金砕棒、江戸時代の捕物道具として有名な袖搦、戦斧である大大薙刀と小薙刀などが誕生しています。

婆娑羅気風の南北朝時代
太刀もより大振りとなり、大太刀、野太刀とよばれる1メートル以上にも及ぶ長寸のものが造られるようになります。
その上、武将たちは見かけ重視の母衣をたなびかせ戦場に舞い、婆娑羅の気風も手伝い、日本史上では地味に見られがちな南北朝時代は、混沌そのものの世界でした。

この変遷期の蠢動は、刀工たちの生活に大きな影響を及ぼすと共に、刀造りの革新をも押し進めることになります。

日本文化を決定づけた「東山文化」「北山文化」

日明貿易と戦乱で刀工たちの生活は潤った時代は変わって室町時代。社会はおおむね混沌から抜け出し、足利義満をはじめとする政治家が率先して諸文化を牽引することになります。

東山文化、北山文化という特異な感性が、その後の日本文化に大きな影響を及ぼすことになります。

太刀から打刀への変遷
刀剣界では室町前期より太刀から打刀への変遷があり、武士は刃の方を上にして大小二本の刀を腰に差すようになります。50センチ前後の本造小刀がはじめて製作され、のちの脇差の原型となります。
優美で均衡のとれた作柄「応永備前」
また、この時代に隆盛したのは備前国長船で「応永備前」と呼ばれ優美だがあらゆる意味で均衡のとれた作柄のものが作成されています。すぐれた刀工としては、「三光」とも呼ばれた盛光、康光、尚光などがいます。
「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介
流派 時代 名工
備前
古備前 平安 友成、正恒、包平、信房、真恒、利恒、助包、 包
福岡—文字(初期) 鎌倉 則宗、助宗、成宗、尚宗、宗吉、宗忠
(中期) 鎌倉 吉房、則房、助真、吉平
(後期) 鎌倉 長則
吉岡一文字 鎌倉 助光、助吉、助義
岩戸一文字 鎌倉 吉家
長船 光忠 鎌倉 光忠一長光一景光一真長、長元·真光· 近景
兼光 南北朝 兼光一倫光·基光·政光·義光、義景
元重 鎌倉 元重
長義 南北朝 長義、兼長、長守
応永備前 室町 盛光·康光·尚光•家助・経家
末備前 室町 則光、忠光、勝光、祐定、清光、祐光
国宗 鎌倉 国真、国貞、国宗、国安
畠田 鎌倉 守家一真守
宇甘 鎌倉 雲生、雲次、雲重
大宮 南北朝 盛景、盛重、盛継
吉井 鎌倉 景則
試し斬りのプロフェッショナルが「最高の切れ味」と評価する「長船兼光」についてご紹介|日本刀入門
試し斬りのプロフェッショナルが「最高の切れ味」と評価する備前「長船兼光」についてご紹介|日本刀入門ご訪問ありがとうございます。今回は、試し斬りのプロフェッショナルが「最高の切れ味」と評価する「長船兼光」についてご紹介します...
日明貿易で潤う「備前鍛治」
室町幕府第三代将軍・義満が備前国の刀の生産能力に目をつけ、日明貿易の主要輸出品に備前長船の日本刀を加えた結果、大いに備前鍛治は潤うことになります。

明では10貫文(現在の貨幣価値で100~150万円)で売れ、その数15万振に及んだといいます。ただこちらは大量生産の低品質のものでした。

動乱の「応仁の乱」から出回る「数打物」
北山文化が花開いた応永の世から約40年の時を経て、またもや戦乱が起こります。応仁の乱です。この11年に及ぶ内乱の中で、公家は没落し京の都は廃頽することに。
農民も駆り出され、足軽として戦に参加。この時に打たれた刀は「数打物」と呼ばれる粗製濫造品で「貸し刀」として大量に出回ることになります。

備前国祐定一門の数打物などは、毎日駄馬で昼夜の別なく全国に向け発送されたといわれています。

もちろん、数打物ではない良作もあり、銘に俗名や製作年月、彫物等を丁寧に切ってあるものなどは、現在でも価値が高い作品も存在します。

この時代は玉石混交ですが、古刀期最後の隆盛を見た時代とも言えます。

二大軍需産業地帯、西の「備前長船」、東の「美濃国関」

続く戦国の世でもこの流れは続き、西の備前長船、東の美濃国関が二大軍需産業地帯となってゆきます。

急激に繁栄する「関鍛冶」
特に関は、織田、徳川、浅倉、今川、武田、北条等の豪族の需要を一手に引き受けたため、急激に関鍛冶が繁栄することになり、室町中期頃よりすでに300人を超える関鍛冶が働き、その中から和泉守兼二代の之定、孫六兼元らが出ています。
「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介
流派 時代 名工
美濃
志津 鎌倉 兼氏
南北朝 (直江派)兼友、兼次、兼俊
金重 鎌倉~南北朝 金重、金行
善定 室町 兼吉、兼光、兼常
関、赤坂 室町 兼定、兼定(の尤)、兼元
蜂屋 室町 兼貞
赤坂千手院 鎌倉 (大和)千手院
兼房 室町 氏房、氏貞、兼道
2代目が傑出した刀工集団「関兼定/和泉守兼定」についてご紹介|日本刀入門
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「三本杉」で知られる美濃 関の名工「孫六兼元」についてご紹介|日本刀入門
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他の産地としては、「豊後」「三原」「大和」「加賀」「越中」「駿州」が挙げられます。また、各地武将が「注文打ち」などの特注品を刀工に依頼するなど、実用を重視した数打物以外の逸品も遺されています。

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玉鋼/鋼づくりたたら製鉄
たたら製鉄
歴史(西播磨)|工程(鉄穴流し|炭焼き|鉄づくり|割鉄づくり)|組織と配置|流通と経営|名刀/製作工程|鉄山跡(西播磨)|
工程
【1】鉄穴流し(鉄穴流しとは|影響|砂鉄))
【2】炭焼き
【3】鉄づくり(ケラ/ズク押し法|歩留まり)
【4】割鉄づくり(大鍛冶)
自家製/卸鉄(卸鉄)|
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