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「卸鉄(寛永通宝)から日本刀の鋼を作る方法」についてご紹介|日本刀ができるまで

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日本刀ができるまで/製作
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玉鋼/鋼づくりたたら製鉄
たたら製鉄
歴史(西播磨)|工程(鉄穴流し|炭焼き|鉄づくり|割鉄づくり)|組織と配置|流通と経営|名刀/製作工程|鉄山跡(西播磨)|
工程
【1】鉄穴流し(鉄穴流しとは|影響|砂鉄))
【2】炭焼き
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【4】割鉄づくり(大鍛冶)
自家製/卸鉄(卸鉄)|
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日本刀:皮鉄の素材を作るための技法「卸し鉄」

日本刀の刀身は、内側の軟らかい鉄(芯鉄)を外側の硬い鉄(皮鉄)で包み込むことで製作されています。皮鉄の素材を作るための技法として刀匠が継承している「卸し鉄」という工程があります。
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「炉の深さ」や「送風の強さ」から鉄の炭素量を調整する

刀匠は、低炭素の鉄に浸炭(炭素を追加する)させる、高炭素の鉄から脱炭(炭素を減らす)するために、「炉の深さ」や「送風の強さ」など、それぞれの目的に応じた工夫をこらして作業を行っています。

【脱炭】鉄(特に高炭素鉄)中の炭素を酸化させて取り除き、炭素濃度を低くする処理方法.。
【浸炭】鉄(特に低炭素鉄)の中に炭素を浸み込ませて、炭素濃度を高くする処理方法。

日本刀の特徴「折れず曲がらずよく切れる」

日本刀は、「硬い鉄」と「軟らかい鉄」が巧みに組み合わされて作られています。その構造は、炭素濃度が低く(0.1~0.3%程度)軟らかめの鋼「芯鉄/心鉄」(しんがね)を、炭素濃度が高(0.5~0.7%程度)硬めの鋼「皮鉄」(かわがね)で包む技術が使われている点です。
日本刀に使われる鋼
鋼の種類 炭素濃度
軟らかめの鋼「芯鉄/心鉄」 低い 0.1~0.3%程度
硬めの鋼「皮鉄」 高い 0.5~0.7%程度
刃先は、焼きを入れにより特別に硬く
また刃先は、焼きを入れることによって特別に硬くされています。これらが組み合わさることで、日本刀の特徴としてよくいわれる「折れず曲がらずよく切れる」が達成されているのです。
【焼き入れ】焼刃土を、棟側は厚く、刃先は薄く刀身に塗り、加熱して水の中に入れて急冷することで、刃先を硬くします。焼刃土の塗り方で刃文の形を変えることもできます。
日本刀の造り込み「本三枚」「甲伏せ」

外側に硬い皮鉄、内側に軟らかい芯鉄を組み合わせる。刃先の部分は、「本三枚」は刃鉄(はがね)という素材を入れ、「甲伏せ(こうぶせ)」は皮鉄のままで、焼き入れをしてさらに硬くします。

本三枚

本三枚

本三枚

本三枚

【造り込み】鉄(心鉄)を皮鉄で包み込むこと「甲伏せ」「本三枚」のほかに「捲り」「四方詰め」など、いくつかの方法があります。

刀匠の仕事の六〜七割は皮鉄の素材を作ること

日本刀の製作というと、鉄の板を炉「火床(ほど)/火窪/炎土」の中で真っ赤になるまで加熱し、金床の上で叩き延ばして刀の形を作っていくイメージがありますが、そのような工程に充てられる時間はごくわずかで、刀匠の仕事の六〜七割の時間は皮鉄の素材を作ることに費やされます。
「刀工の仕事・日本刀ができるまでの7つ製作過程」についてご紹介
【1】 水へし・小割り
【2】 積沸し(つみわかし)
【3】 鍛錬・皮鉄造り
【4】 心鉄造り・組み合わせ
【5】 素延べ・火造り
【6】 土置き・焼き入れ
【7】 仕上げ・銘切り
「刀工の仕事・日本刀ができるまでの7つ製作過程」についてご紹介
「刀工の仕事・日本刀ができるまでの7つ製作過程」についてご紹介 ご訪問ありがとうございます。 今回は、「刀工の仕事・日本刀ができるまでの7つ製作過程」についてご紹介します。 「刀工の仕事・日本刀ができるまでの7つ製作過程」についてご紹介 日...
皮鉄の素材を作る工程は二つ

皮鉄の素材を作る工程は、二つ(成分調整・均一化)あります。

一つは「様々な炭素濃度の鉄を日本刀の材料に適した濃度をもつ鋼に変えるための成分調整の工程」と「それを均一化し精製して皮鉄の素材にしあげる工程」です。
材料に適した炭素濃度へ調整する「卸し鉄」作業
「卸し鉄」は前者(成分調整)にあたり、低炭素濃度の鉄(炭素0.1%以下の軟鉄、庖丁鉄)や高炭素濃度の鉄(炭素3~4%の銑鉄、鉄)を、皮鉄の素材に適した炭素濃度(0.5~0.7%)に調整する作業です。
日本刀に使われる元材と鋼
鋼の種類 炭素濃度
高炭素濃度の鉄 非常に高い 3~4%程度
硬めの鋼「皮鉄」 高い 0.5~0.7%程度
軟らかめの鋼「芯鉄/心鉄」 低い 0.1~0.3%程度
【折り返し鍛錬】鉄を加熱し、折り返して鎚で叩くことによって、鉄中の滓(スラグ)や空孔をなくし、炭素濃度を平均化させるために行う。

日本刀に適した鋼をつくる二つの方法

皮鉄の素材に適した鋼は、大きく分けて二つの方法で作られます。

一つは、たたら吹き製鉄などによってできた鉧(けら)から適当な部分(玉鋼など)を取り出して鍛錬する方法。
もう一つは、すでに製品や半製品となっている低炭素の鉄や高炭素の鉄を皮鉄の素材に適した炭素濃度に調整する方法です。

後者が卸し鉄であり、現代の刀匠において広く継承されている技術です。

【鉧(けら)】鉄製錬の生成物で、鋼を主体とする金属鉄の塊。

江戸時代の「寛永通宝」を使った素材つくり

原料として、江戸時代に作られた炭素濃度4%程度の鋳鉄(寛永通宝)を使い日本刀の鋼をつくる工程をご紹介します。

日本刀に使われる元材と鋼
鋼の種類 炭素濃度
寛永通宝 非常に高い 4%程度
硬めの鋼「皮鉄」 高い 0.5~0.7%程度
軟らかめの鋼「芯鉄/心鉄」 低い 0.1~0.3%程度

素材の鋳鉄製「寛永通宝」

鋼をつくる環境「火床、吹子の構造」

火床は、長径46cm、短径10〜13cmの細長い楕円形をしています。吹子(ふいご)は左側から約20度の角度で下向きに延び、火床の中へ3.5cm突き出している炉底の形状を整えるため、火床の中に木灰を敷いてかため水をおよそ10L浸み込ませます。
鋼をつくる環境「火床、吹子の構造」
火床、吹子

火床は、大まかな外形は耐火レンガと耐火モルタルで作り、粘土と木灰で形状を整えます。

火床・吹子による作業工程

火床に木炭を積み、吹差吹子(箱吹子)で送風して火を起こします。木炭を入れ、原料の一部をその上に置いて加熱します。燃焼して木炭が減ってきたら、再度木炭を入れ、原料を置くという作業を繰り返します。

原料は1〜1.2kg程度を使い、約3分おきに数回にわけて装入します。

火床、吹子の構造

卸し鉄用の火床

吹子の羽口(送風管)はステンレスパイプを使い、耐火モルタルを外側と内側って仕上げています。左側から火床の中に延びています。
吹子1回のストロークで18〜45Lの空気を入れる
吹差吹子では、ピストンの棒を前後させることによって風が火床の中に送られます。吹子を動かす速さや可動範囲は必ずしも一定ではないのですが、計算上、1回のストローク(往復でストローク2回とする)で、18〜45Lくらいの空気が羽口から出ていくことになります。
軟鉄に愛宕神社の釘(炭素濃度0.1%)を使用
軟鉄の浸炭(炭素量を増やす)では、慶長8年(1603)に仙台藩祖伊達政宗の入府に伴って造営された、愛宕神社の釘を二つに折ったものを原料として使用しています。これは最近、創建当時の建築物を修繕した際に取り外したもので、炭素濃度は0.1%程度です。
鋼の取り出し
すべての原料の反応が終わったら、送風をとめ、炉底の生成物を取り出します。生成物は塊状となっていることがわかります。作業時間は30〜40分程度。
火床の底にできた生成物 取り出された生成物

火床の底にできた生成物

同じ火床作業でも炭素量を調整(浸炭・脱炭)できるのは、以下の3つの条件(【1】炉底の高さ【2】送風量【3】炎色や火花)の違いからです。

取り出された生成物

同じ火床作業でも炭素量を調整(浸炭・脱炭)できる条件とは

卸し鉄の作業では、同じ火床を使用し、一見同じような作業を行っているのに、浸炭と脱炭という全く逆の反応が起こっています。

同じ火床作業でも炭素量を調整(浸炭・脱炭)できるのは、以下の3つの条件(【1】炉底の高さ【2】送風量【3】炎色や火花)の違いからです。

【1】炉底の高さ(深さ)

火床の中での反応は羽口から吹き出す風によって引き起こされ、生成物は炉底に溜まります。つまり羽口から生成物までの上下の位置関係によって変化します。
羽口は固定されているので、操業前に木灰を火床に入れてかためる段階で、炉内形状とともに炉底の高さを調整するのです。浸炭を行う際には炉底を低く(深く)、脱炭を行う際には炉底を高く(浅く)します。
【火床作業】炭素量を調整(浸炭・脱炭)できる条件
鋼の種類 硬めの鋼
「皮鉄」
軟らかめの鋼
「芯鉄/心鉄」
目的 浸炭 脱炭
炭素濃度
高い 低い
0.5~0.7%程度 0.1~0.3%程度
温度 高い 低い
送風量
多い 少ない
送風を受けない 送風を受ける
炉底 深い 浅い
浸炭の際は、火床の上部で軟鉄に炭素が浸み込み、半溶融状態で炉底に溜まる。
炉底では風があたらないように保たれる。
脱炭の際は、低温で溶けた銑鉄が僅かずつ炉底に溜まり、
そのつど風を受けて鉄中の炭素が燃え.炭素濃度が下がっていく。

浸炭する場合(硬めの鋼「皮鉄」づくり)

脱炭(軟らかめの鋼「芯鉄/心鉄」づくり)

【2】吹子を動かす速さ(送風量)

浸炭を行う際には、強く(吹子を速く動かす)脱炭を行う際には、弱く(吹子をゆっくり動かす)吹きます。比較的定常的な送風をしている時の平均的なストローク数は、浸炭で1分間あたり約64ストローク、脱炭で1分間あたり約40ストロークです。
【火床作業】炭素量を調整(浸炭・脱炭)できる条件
鋼の種類 硬めの鋼
「皮鉄」
軟らかめの鋼
「芯鉄/心鉄」
目的 浸炭 脱炭
炭素濃度
高い 低い
0.5~0.7%程度 0.1~0.3%程度
温度 高い 低い
送風量
多い 少ない
送風を受けない 送風を受ける
吹子を速く動かす 吹子をゆっくり動かす
約64ストローク/分 約40ストローク/分
炉底 深い 浅い
浸炭の際は、火床の上部で軟鉄に炭素が浸み込み、
半溶融状態で炉底に溜まる。
炉底では風があたらないように保たれる。
脱炭の際は、低温で溶けた銑鉄が僅かずつ炉底に溜まり
そのつど風を受けて鉄中の炭素が燃え.炭素濃度が下がっていく。

【3】炉上の炎の色や火花の様子

吹子を動かしている時の手ごたえなどから炉内反応の進行状況を判断します。鉄の温度が上がってくると手ごたえが重くなるなど炉上の炎の色や火花の様子を刀工の感性、経験から調整してゆきます。

炭素濃度を調整する刀匠の職人技のノウハウ

刀匠は、軟らかめの鋼「芯鉄/心鉄」 や硬めの鋼「皮鉄」を作り出すために【1】炉底の高さ【2】送風量の変化で、炭素濃度を調整を行っています。

さらにそこには、きめ細かな職人技のノウハウが詰め込まれています。

炉底の深さは「浸炭」で12cm下、「脱炭」で9cm下

炉底の深さは、「浸炭」を行う時は、羽口中央から12cm下になるように火床が作られています。この時、刀匠は、できるだけ炉底まで風が廻らないようにすることを意識しています。
一方、脱炭を行う時は、炉底の深さが羽口中央から9cm下になるように火床が作られています。この場合は、できるだけ多くの風が炉底にあたるように工夫されています。

吹子を動かす速さ(送風量)のノウハウ

吹子を動かす速さは、送風量が多い、少ないの操作だけでなくきめ細かなノウハウがあります。

「浸炭」時には、送風量が大きければ木炭がより盛んに燃えるため、1300度以上の温度にしています。この時、吹子を動かす速さである送風量を一定に保つようにします。一方の「脱炭」では、温度を1200度程度にするため送風量を頻繁に調整しています。
「浸炭」時の吹子を動かす速さ(送風量)
「脱炭」時の吹子を動かす速さ(送風量)

「浸炭」「脱炭」の仕組み

刀匠による、火床・吹子による作業では、以下のような仕組みで炭素濃度の調整を行っています。

浸炭の場合

浸炭の場合、原料の軟鉄は炉の上層で、表層部から炭素が浸み込んで局部的に溶ける温度が低くなり、半溶融状態となって下に落ちていきます。これを達成するために、送風量は多く、炉内および炎の温度も高くしています。
この場合、反応が定常的に起こる条件がいったん定まれば、それほど細かい温度調整は必要ないため、送風量はほとんど一定のままで行っているのです。
脱
炭素が再び脱炭しないように炉底を深くする
浸炭した鉄に羽口からの風があたると、鉄の中の炭素が燃えて再び脱炭が起きてしまうので、羽口の前はできるだけ速やかに通り過ぎ、炉底に到達する必要があります。
浸炭された生成物は、風のほとんどあたらない炉底(羽口から12cm下)に溜まっていき、所定の炭素濃度が維持されるのです。

脱炭の場合

一方、脱炭の場合、原料の銑鉄は比較的低温で溶けるので、送風量は少なく、炉内および炎の温度も低めになるようにしています。
「浸炭」「脱炭」の仕組み
羽口からの風を受け鉄中の炭素が燃えることで脱炭が進行する
上層で溶けた銑鉄が少しずつ炉底に溜まり、羽口からの風を受けて鉄中の炭素が燃えることによって脱炭が進行します。
銑鉄が急速に溶解しないように、きめ細かな送風量調整が必要
ここで注意すべき点は、銑鉄が急速に溶解し、一度の大量の溶融銑鉄が炉底に溜まらないように、反応の進み方を調整してやることです。そのため刀匠は、「脱炭」の時は送風量を頻繁に変更しているのです。

溶融した銑鉄は風を受けることによって表層から脱炭が起こりますが、その進行はそれほど急速ではなく、ある程度の時間がかかるのです。

脱炭が進めるためには体積の小さな液滴に風があたるようにする
そのため操業後の生成物は、炉底(羽口から9cm下)の、ちょうど羽口の風がまわりこんでよくあたらしい箇所にできています。十分に脱炭が進めるためには体積の小さな液滴に風があたるようにする必要があり、大きな塊になってしまうと内部まで脱炭が進まないのです。

つまり「溶けた銑鉄が羽口の前に少しずつ落ちて風を受け、脱炭が進行する」という状況が、連続的に起こることが重要なのです。

刀匠の経験から生み出された「浸炭」「脱炭」のノウハウ

以上のように、軟鉄と銑鉄の卸し鉄では、同じ炉を使い、条件をわずかに変えただけで作業しているようにみえますが、実は、炉内では全く異なる反応が起きているのです。
しかし、刀匠はこのような反応の仕組みを必ずしも明確に理解して作業しているわけではなく、あくまでも経験的にどうすれば作刀に適した生成物が得られるかを試行錯誤しながら方法を見出し、さらに各自が工夫し改良しつつ伝承が行われてきているのです。
【火床作業】炭素量を調整(浸炭・脱炭)できる条件
鋼の種類 硬めの鋼
「皮鉄」
軟らかめの鋼
「芯鉄/心鉄」
目的 浸炭 脱炭
炭素濃度
高い 低い
0.5~0.7%程度 0.1~0.3%程度
温度 高い 低い
送風量
多い 少ない
送風を受けない 送風を受ける
吹子を速く動かす 吹子をゆっくり動かす
約64ストローク/分 約40ストローク/分
炉底 深い 浅い
浸炭の際は、火床の上部で軟鉄に炭素が浸み込み、
半溶融状態で炉底に溜まる。
炉底では風があたらないように保たれる。
脱炭の際は、低温で溶けた銑鉄が僅かずつ炉底に溜まり
そのつど風を受けて鉄中の炭素が燃え.炭素濃度が下がっていく。

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【4】割鉄づくり(大鍛冶)
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