焼き入れ時に生じる文様「刃文の見方」についてご紹介|日本刀入門
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今回は、焼き入れ時に生じる文様「刃文の見方」についてご紹介します。
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焼き入れ時に生じる文様「刃文」
鍛刀の過程で、真っ赤に熱された鋼を水に入れて急冷させる焼き入れの際に生じる文様が刃文です。刃文の出来は刀の切れ味に影響するだけでなく、その文様の美しさが鑑賞のポイントとなります。刀工の技術と個性が現れる箇所です。
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刃文を見るには
刃文を見るには、下のイラストのような点光源の電灯の光を、刀身に当てて鑑賞します。
状態や布をあてがい、微妙に角度を変えて刃文を浮かび上がらせるようにして見ます。光の当て方は、刀身に対して約30度の角度がよいといわれています。
日本刀。手で支えながら刀を上下に動かして刃文が見えるポイントを探します。
刃文の種類
刃文の種類は、刃や棟と平行に延びる直刃と、刃に対して多様な表情を見せる乱刃に分かれ、乱刃はさらに下図のような様々なパターンに分類されます。
「乱刃の種類」のご紹介
丁子(ちょうじ/古一文字派の小丁子)
植物の丁子に似た頭が丸く首がすぼんだ焼頭が、波のように連なる刃文。小さな焼頭が連なるのは、「互の目」と同じで見分けが難しいが、丁子は首が細くなります。
互の目(ぐのめ/備前伝長船派の互の目)
丸みを帯びた焼頭が連なる互の目は、各地域の流派に見られバリエーションも多い。焼頭が整然と並ぶことは稀で、一部形が崩れたり間隔が開いたりすることが多い刃文。
湾れ刃(のたれば/室町後期の備前長船派)
乱刃の中でも、波状の湾れ(うねり)が比較的ゆったり連なるのが濡れ刃。下の刃文の例のように、湾れのなかに一部、互の目のような模様が入る場合も少なくない。
皆焼(ひたつら/南北朝期相州伝)
刃先だけでなく、平地や鎬地、棟にまで焼刃が広がり、乱れ雲のような模様を形成するのが皆焼。華やかで躍動感あふれる刃文で、南北朝期の相州伝を発祥とする。
濤乱刃(とうらんば/江戸前期摂津)
大海原の波のような大きな波を描く濤乱刃は、江戸前期摂津の刀工・津田助広が考案。新刀期の刀工に流行する。互の目や湾れを交えた多様な濤乱刃が誕生することに。
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