時代によって「姿」が変わる日本刀の分類(古刀・新刀・新々刀)についてご紹介
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時代によって「姿」が変わる日本刀の分類(古刀・新刀・新々刀)について
日本刀は時代によって「姿」が変わります。奈良時代以前に登場した直刀は「上古刀」と呼ばれ「古刀」「新刀」「新々刀」と続きます。
古刀・新刀・新々刀の特徴 | ||
古刀 | 平安末期~鎌倉~ 南北朝~室町 |
鎬造で反りのある湾刀が出現した平安末期から安土桃山時代の慶長元(1596)年までの刀剣。 五箇伝を中心に地域や時代による特色が明確になる。 |
新刀 | (1596)年~ 宝暦年間(1751~1764年) |
日本国内の交通・物流の発達により産地による地鉄の違いがうすれ、 造り込みや刃文に個性をもたせた装飾的な作風が多くなる。 |
新々刀 | 明和元(1764)年~ 明治6(1876)年 |
刀剣が武器としての役割をはなれて美術品として趣を強めていた時代、 復古新々刀を唱えた名工・水心子正秀に始まる。 江戸時代中期の刀剣に比べて大振りで反りがついた。 |
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日本刀を学ぶ時に役に立つ和暦/西暦一覧(大化645年~平成1989年)のご紹介|日本刀入門
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平安時代中後期~16世紀まで【古刀期】
上古刀の時代の直刀から湾刀への変化の過程には不明な点も多いのですが、毛抜形蕨手刀から次第に反りと鎬をもった湾刀が誕生したとされます。古刀期は、こうした日本刀の形が出来上がった平安時代中期から後期の11世紀から、戦国期が終わる16世紀までを指します。
平安時代後期に登場した腰で強く反る「腰反り」太刀
平安時代後期に登場した太刀は、細身で切先に向かって幅が狭くなり、小さな切先の姿、また多くは、腰で強く反る「腰反り」でした。
古刀:古備前(こびぜん)
平安時代、11世紀〜12世紀の備前伝を代表する刀工である友成の作。反りは腰ぞり気味、総体に細身でゆるやかな曲線を描く優雅な姿(東京国立博物館蔵)。
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重量感のある太刀へ変化した鎌倉時代
鎌倉時代になると、身幅(刀身の幅)も広くなって重ね(厚み)もずっしりと重量感のある姿に変化しはじめる。
日本刀の歴史の中でも最も幅広い太刀がつくられた「南北朝時代」
南北朝時代の太刀では、その傾向がますます強くなり、日本刀の歴史の中でも最も幅広く、長切先も大きい姿へと変わります。騎馬武者が馬上で太刀をふるったことがその背景としてあったといわれています。
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室町時代後期、集団戦が多くなり刀身の短い「打刀」や槍が大量につくられる
室町時代後期、集団戦が多くなった影響からか刀身の短い「打刀」や槍が大量につくられるようになります。
また古刀期に入ると各地の刀工が技を競うようになり「五箇伝(ごかでん)」の刀工地が繁栄。各地の戦国大名のもとに刀工が招かれるようになります。
「古刀時代(平安末期~戦国1595年)の刀匠/刀工一覧」のご紹介
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新刀から新々刀の時代へ
刀剣界では、慶長元(1596)年以降に作られた刀を「新刀」と呼んで分類しています。実は「古刀」と「新刀」の間で、刀の鍛え方、刀身の造りに劇的な変化があったわけではありません。
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神田白龍子により命名された「新刀」
「新刀」の名は、享保6(1721)年に出版された神田白龍子著(かんだはくりゅう)の『新刃銘尽(しんとうめいづくし)』などで当時の刀を「新刃」「新刀」としたことが始まりです。
交通・流通の発達から鋼の均一化と刀工の個性
新刀の時代には、交通・流通の便が良くなったことから各刀工地で生産する鋼の差が少なくなり、刀工それぞれの個性が際立つようになります。慶長前後には、大太刀を磨上げ(茎側から短くする)た豪壮な姿、その後、武士の二本指しが一般化すると、打刀(うちがたな)が主流になってゆきます。
新刀:肥前忠吉(ひぜんただよし)
安土桃山時代の慶長5(1600)年頃の作刀。山城の刀工で「新刀の祖」と称された埋忠明寿の門弟となって学んだ肥前出身の初代忠吉による作(東京国立博物館蔵)。
宝暦以降、動乱の時代となり力強さを求める風潮が強くなる日本刀
新刀の時代は、江戸時代中期の宝暦年間(1751〜1764年)に終わりを告げます。この頃までに、刀剣は実用としての役割よりも、美術的な価値を重んじるようになっていましたが、宝暦以降、再び世は動乱の時代となり、日本刀にかつての力強さを求める風潮が強くなってゆきます。
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新々刀の祖「水心子正秀」、古刀期の力強い日本刀を蘇らせる
新々刀の祖ともいわれる刀工・水心子正秀は、古刀期の刀剣の復活を唱え、南北朝〜室町期の刀を理想に掲げることに。古刀期の鍛刀法や鋼の性質などを研究し、多くの門弟とともに、力強い日本刀の姿を蘇らせることに成功します。
新々刀:左行秀(さのゆきひで)
筑前出身の左行秀は、江戸時代後期の天保11(1840)年頃から明治3(1870)年まで作刀を行った新々刀期の刀工。身幅が広く、大切先となる姿に新々刀期の特徴が現れている(九州国立博物館蔵)。
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