「電子工作：コンデンサ」についてご紹介｜「電子工作/修理/メンテナンス」

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今回は、「電子工作：コンデンサ」についてご紹介します。

無安定マルチバイブレータの設計も、コンデンサを残すだけになりました。

点滅周期を求めたとき、C1XR1=1という式を導いていますので、ここに39kΩを入れてみます。

抵抗値を求めるときに用いたE24系列では、2.22.42.7といった値が並びますので、24μFを探したいところです。静電容量の大きさから判断すると、セラミックコンデンサやフィルムコンデンサでは容量が小さすぎます。

そこで、小型の電解コンデンサを探したところ、ニチコン(株)のMAシリーズという製品を見つけました。電解コンデンサは、外形が小さいわりに静電容量が大きいという長所がありますが、一方で、静電容量許容差が大きく、MAシリーズは±20%のばらつきが生じます。

点滅を目的とした無安定マルチバイブレータですので、許容できる範囲ですが、精密さを求めるのであれば方式自体を見直す必要があります。

さて、電解コンデンサの定格と寸法を確認してみましょう。下記（寸法表）に記載された静電容量では、24μFに近い値が22μFしか見当たりません。他社のデータシートも同様でしたので、ここでは、22μFとします。

電源電圧が3Vですので、約2倍の余裕を見て定格電圧を6.3Vとします。また、22μF、6.3Vのときの寸法は、直径4mm、高さ(図中は長さ)5mm、リード線間ピッチ1.5mmとなります。

トランジスタのTO-92パッケージと同じくらいの大きさです。また、リード線間が狭いので、配線の際はフォーミングが必要です。

6.3V22μFでΦ4mmですから、MAシリーズ定格と寸法と品番コードにしたがって品番を求めると、「UMA0J220MDD」となります。

コンデンサの定格静電容量が決まりましたので、これまでの回路定数を用いて、点滅周期の最終的な設計値を求めておきます。

これが、それぞれのLEDが点灯している時間となります。また、コンデンサの種類として「アルミ電解」を選びましたので、回路図記号も変更しなくてはなりません。

ところで、この電解コンデンサには極性があるので、各トランジスタのコレクタ端子に接続されている方をプラスにします。

また、トランジスタが0Nになった瞬間に-VBE(sat)(最大1V程度)の逆電圧がコンデンサに加わります。しかし、電圧が低く印可時間が短いことと、電源に向かって電流が流れないことの2つの理由で、破損に至ることはありません。

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