「電源の問題とパスコン(安定した電源を供給するコンデンサ)」について｜「電子工作/修理/メンテナンス」

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今回は、「電源の問題とパスコン(安定した電源を供給するコンデンサ)」についてご紹介します。

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1点アースによるノイズ対策も、これが有効なのはグランド基準点が確実に0ボルトを保っている場合です。このためには外部変動に対して、安定した供給ができる電源を使う必要があります。「安定に」ということは、0ボルト基準点が変動しないという意味です。

つまり

1. 電流をたくさん流すときも少ない時も同じように供給できること。
2. 高い周波数で電流が変動しても、影響を受けずに安定に供給できること。

が必要とされます。これを難しくいうと、電源の出力インピーダンス、つまり内部抵抗が低いということが必要です。これを実現する具体的な方法にはコンデンサを使います。

コンデンサは電気を貯めておくことができる素子です。そして接続された相手に貯めた電気を放電することもできます。このコンデンサの機能を利用して上記【1】【2】を実現することができるのです。

例えば下図のように、電源との接続部分に大容量の電解コンデンサをつけることで、急に大電流を流す時や急に電源電圧が下がった時などでも、コンデンサに蓄えられた電気を放電することで対応できるので、負荷側には影響を与えません。つまり安定した電源を供給できることになります。

「バスコンの配置図」についてご紹介します。

またこれとは別に、電源の配線の途中で、ICなどの負荷の電源ピンの近くで、電源とグランドとの間にコンデンサを挿入します。すると、急に負荷に電気をたくさん流さなければならない時、電源からすぐには届かない場合でも、一時的にコンデンサから放電して急場をしのぎます。

この際、コンデンサに高周波でも動作するものを選べば、高い周波数で電流が変動するときにも、やはりこのコンデンサから電源を一時的に放電して供給することで、電源から直接供給するのが間に合わなくても安定に供給することができるのです。

このため、負荷に安定な電源を供給できるとともに、他の負荷への影響を出さないですみます。

このように電源回路の途中に挿入するコンデンサのことを「バイパスコンデンサ」と言い、略して「パスコン」と呼びます。

パスコンの効果は電源の供給を手助けすることで、グランドに流れるノイズ電流を平均化して減らすことができます。特に高い周波数で動作するデジタル回路では、誤動作を効果的に減らすことができます。

デジタル回路の基板を見ると、下図のように、ICのすぐ近くにコンデンサが実装されているのをよく見かけますが、これがパスコンです。

• 小型セラミックコンデンサがIC1個につき1個ずつ配置されています。
• 電源の供給元には、大きめのタンタルコンデンサが配置されています。

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