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第5回CPU『MOS6502』の誕生 – 『ファミコン』誕生物語

任天堂

第5回CPU『MOS6502』の誕生 – 『ファミコン』誕生物語

今回は
『ファミコン』で採用された、CPU『MOS6502』が
いかにして開発されどのようにして多くの『名機』に採用されたのか をご紹介します。

ファミコン(ファミリーコンピューター)

CPU『MOS6502』のはじまり

CPU『MOS6502』のはじまりは

 

1974年に『モトローラ社』が発売した、CPU『MC6800』からはじまるんだ。

 

そして同年、ライバルの『インテル』がCPU
『8080』を発売するんだ。

モトローラー

CPU『MC6800』が登場した、1970年代は

 

『68系』と言われる『モトローラ社』のCPUと
『80系』と言われる『インテル』のCPUとの

 

『8ビットCPU』戦争の時代だったんだ。

インテル

モトローラー

『68系』の『モトローラ社』と
『80系』の『インテル』との戦いってことだね。

そう、なんだ
そんな時期に登場したのが
『モステクノロジー社』という会社なんだ

モステクノロジー

『モステクノロジー社』?

1970年代は電卓用の『半導体製造』が盛んに行われた時期だったんだ。

電卓

たしか、日本が国内の『電卓戦争』で競争力をつけて
世界一の『電卓大国』になったような。

そうだね、そして『アメリカ』でも

1960年代に『アメリカ』と『ソ連』による『冷戦』の影響で

 

『軍事』『宇宙開発』の『半導体需要』のおかげで
多くの『半導体企業』が生まれたんだ。

宇宙開発

そして、1970年代になると、

 

『軍事』『宇宙開発』の予算縮小により
『半導体』の売り先に困った『半導体メーカー』

『民間需要』に、販売先を方向転していた時期なんだ。

 

そして『半導体』の『民間需要の拡大』から

新しい『半導体メーカー』が次々と生まれたんだ。

 

その1つが『モステクノロジー社』なんだよ。

モステクノロジー

『モステクノロジー社』は

半導体大手の『テキサス・インスツルメンツ』が設計した『電卓チップ』を製造する会社として生まれたんだ。

テキサス・インスツルメンツ

製造委託企業って感じだね。

そして1975年頃
『モトローラ社』のCPU設計者だった社員達が転職してくるんだ。

『MC6800』のクローン?『CPU6501』の誕生

そして当時『モステクノロジー社』が開発していたCPUの設計に参加したんだ。

そして開発されたのが『CPU6501』なんだ。

CPU

『CPU6501』?

 

『ファミコン』のCPUに似た名前だね。

『CPU6501』は

 

『モトローラ社』のCPU『MC6800』とそっくりなCPUで
しかも設計を改良して性能を『4倍』に高速化することにも成功したんだ。

CPU

『モトローラ社』から社員が転職してきて
同じような、『CPU』を作るのってありなの?

当時は『知的財産権』という考え方もほとんどなかったからね。

 

こんな時代もあったんだね。

速くて、安い『CPU6501』

そして『モステクノロジー社』は『モトローラ社』のCPU『MC6800』より
『CPU6501』を高速かつ激安で製造することに成功する。

CPU

激安ー?

なんで安く作れたの?

『モステクノロジー社』には安くCPUを作れる
秘密』があったんだ。

『秘密』?

それは『半導体製造』には、必ず『不良品』が発生するんだ。

工場

『不良品』?

そう『半導体』は

『ナノ単位』の精密さが要求される世界だからね。

特に『半導体』の中でも『CPU』は更に精密な精度が必要だから

 

技術力のある『大手半導体メーカー』でも
『一定量』の『不良品』が発生してしまうんだ。

CPU

『CPU6501』の激安の秘密

ところが『モステクノロジー社』は

 

CPUの『製造過程』で『不良品』になったCPUを
修正する技術をもっていたんだ。

モステクノロジー

『不良品』の『半導体』を直して
再利用できる技術をもっていたってこと?

そうだね

『モステクノロジー社』の修正技術の詳細は

細かい技術的なことになるので省略させて頂きます。
申し訳ございません

それで『モステクノロジー社』は『CPU6501』を安く作れたんだね。

『モトローラ社』の怒り

こうなるとコピーされた『モトローラ社』もだまっていない。

『モトローラ社』

何、『モステクノロジー社』が我々のCPU『MC6800』のコピー品
格安で市場に売りまくっている。

モトローラー

おのれー『モステクノロジー社』

我々の『許可』もなく、コピー品を売りおって

訴えてやるー。

裁判

『モステクノロジー社』

『モトローラ社』が

 

我社の『CPU6501』を『MC6800』のコピー品だと言って、訴えてきましたよ。

モステクノロジー

うーん、やはり『モトローラ社』が動いてきたかー。

『モトローラ社』から訴えられたら、
『資金繰り』が苦しくなりますよ。

お金

そうだな、『モトローラ社』との裁判も長引きそうだしな。

売れ筋の『CPU6501』を失ったら
我社は倒産するかもしれない・・・

 

どうするか・・

倒産

『モステクノロジー社』の奇策

ならば『モトローラ社』に訴えられない、新しいCPUを開発しましょう

アイディア

『モトローラ社』に訴えられないCPU?

そうです、『モトローラ社』からの主張は

 

我社の『CPU6501』が、
『モトローラ社』の『MC6800』と互換性があることが問題なんです。

モトローラー

ならば『MC6800』と互換性のないCPUにすれば

 

『モトローラ社』の訴えをかわすことができますよ。

裁判

なるほど。

 

それは、どうしたらいいんだ。

CPUをゼロから開発する、時間も資金も我社には無いぞ。

お金

はい、それで提案なのですが、

 

『6501』と構造は同じにして、
CPUと基板を接続するCPUの『ピン配列』を

 

『モトローラ社』の『MC6800』とは違う配列にしてしまえばいいんですよ。

CPU

しかし、そうすると『モトローラ社』の『MC6800』で
利用できる『基板』では

我社の新しいCPUは、搭載できなくなるが・・・

 

はい、そうなりますが。

 

我社の『CPU』は、高速で低価格という事で、市場では、人気の商品です。

 

他社に負けない、商品力も武器に勝負すれば
新しいCPUに対応した『基板』が出回るはずですから。

 

そうすれば、生き残ることができると思うのですが。

なるほど、こうなったらそれで勝負してみよう。

『モステクノロジー社』の奇策だね。

諸葛孔明

CPU『MOS6502』の誕生

ということで『モステクノロジー社』は、

 

『6501』のピン配列が『モトローラ社』の『MC6800』と完全互換だった問題を修正した

新しいCPUを開発するんだ。

 

それがCPU『MOS6502』なんだ。

CPU6502

CPU『MOS6502』の誕生ー

なんか『モトローラ社』の『MC6800』のコピーぽいけど。
大丈夫なの?

『モステクノロジー社』の主張はこんな感じだった。

私はぱくってません。

参考にしただけです。

 

モステクノロジー

なんか1970年代だからできる芸当だね。

CPU『MOS6502』の大ヒット

こうして1975年に『モステクノロジー社』は

 

CPU『MOS6502』を『高性能』かつ『激安商品』として販売したんだ。

CPU6502

CPU『MOS6502』は『モトローラ社』のCPUとは互換性がなかったんだけど

 

『モトローラ社』の『MC6800』や

『インテル』の『8080』
『ザイログ社』の『Z80』よりも

 

『高速』でしかも安く使いやすかったんだ。

 

そして、
CPU『MOS6502』は当時最も人気のあるCPUのひとつになったんだ。

CPU

『モステクノロジー社』の奇策が大当たりだね。

『モステクノロジー社』の資金難

その後『モステクノロジー社』はCPU『MOS6502』で成功はしたものの
会社の経営は不安定だったんだ。

モステクノロジー

CPU『MOS6502』も薄利多売だったってことかな?

そしてとうとう『資金難』に陥り
1976年に『コンピュータメーカーの『コモドール』に買収されてしまう。

コモドール

あらー

そして『コモドール』も1994年に倒産してしまうんだ。

 

『アメリカ』は『企業』の『栄枯盛衰』が激しいね。

その後のCPU『MOS6502』

CPU『MOS6502』を開発した
『モステクノロジー社』は消滅してしまったんだけど

 

でもCPU『MOS6502』は『セカンドソース』として
多くの会社で製造されたんだ。

工場

その中の一つが『ロックウェル (Rockwell) 社』なんだ。

ロックウェル

あー

『リコー』がCPU『MOS6502』を製造するライセンス契約をした会社

そうなんだ。

『モステクノロジー社』からロックウェル (Rockwell) 社に渡って

『リコー』につながるんだね。

リコー

そして、『リコー』がCPU『MOS6502』をカスタマイズして

 

CPU『MOS6502』改、『RP2A03』として
『家庭用ゲーム機』の『ファミコン』に搭載されるんだよ。

ファミコン(ファミリーコンピューター)

ご先祖様の『モトローラ社』のCPU『MC6800』が
1974年に発売されているから。

 

約9年後『家庭用ゲーム機』の『ファミコン』に搭載されたんだね。
息の長いCPUだね。

 

CPU『MOS6502』が採用された『パソコン』『ゲーム機』

高速格安だったCPU『MOS6502』は

多くの『パソコン』や『ゲーム機』で採用されるようになるんだ。

 

『パソコン』で有名なのが

『スティーブ・ウォズニアック』が作った『AppleI(初代)』

そしてその後継機種の『AppleII』

AppleII

次に『コモドール』社の名機である『PET-2001』でも
CPU『MOS6502』が採用されているんだ。

PET2001

『パソコン』の歴史を作った名機に採用されているんだね。

そして『ゲーム機』では

 

『任天堂』が『ファミコン』のCPUに『MOS6502』をカスタムして搭載。

 

『スーパーファミコン』では
CPU『MOS6502』の後継CPUである『65816』を採用するんだ。

スーパーファミコン

そして忘れてならないのが『PCエンジン』

 

『NEC』が発売した『PCエンジン』にも
CPU『MOS6502』をカスタムした
『HuC6280』を搭載しているんだ。

PCエンジン

なんだー『任天堂』の開発チームには不人気だったけど
結構世界中で採用されていたんだね。

 

『任天堂』が『ファミコン』を開発していた時も

学生時代にCPU『MOS6502』搭載の『パソコン』である
『コモドール』などで遊んでいた新入社員が重宝されたていたからね。

ゼルダ

『モステクノロジー社』のCPU『MOS6502』が

 

巨大企業になった『任天堂』の『ファミコン』

『Apple社』の『AppleII』に採用されたのって

 

不思議な『縁』だね。

任天堂ロゴ

 

Apple

 

ご閲覧ありがとうございました。

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