第1回1983年のファミコン時代　～懐かしいファミコンの1983年から1990年代記～

『ファミコン』が生まれた1983年からビークの盛り上がりを見せた1990年まで、一体どんなことが起こったのか。

ここから時代は動き出した。

それでは『ファミコン』の誕生した1983年から見てゆこう。

当時、日本の『家庭用ゲーム機市場』は、

『エポック』の『カセットビジョン』や
海外メーカー『アタリ社』の『アタリ2800』（VCS）の勢力が強かったんだよね。

1970年代には、『第一次家庭用ゲーム機』の黄金時代が登場するが、
『家庭用ゲーム機市場』を作るまでには至らなかった。

それに一石を投じたのが

『任天堂』の『ファミリーコンビュータ』(ファミコン)なのだ。

1983年当時、シェアナンバーワンの『家庭用ゲーム機』は、
『エポック』の『カセットビジョン』であった。

しかし、1983年7月17日に発売された、
『任天堂』の『ファミリーコンピュータ』と

同日に発売された、『セガ』の『SG-1000』の登場により

ナンバーワンの座から引きずり降ろされることになる。

この時から、『家庭用ゲーム機市場』は、
『任天堂』と『セガ』の戦いが始まろうししていた。

『ファミコン』が、発売された当時は、

メディアからも全く注目されていなかったんだよね。

この頃は、10万以下のホビーパソコンである『MSX』などのほうが注目されていたの。

など、マスコミの関心は薄いものだったの。

そして『ファミコン』は、
注目されることなく静かに発売されたんだ。

それに『任天堂』の『上村部長』は、

苦労して開発した『ファミコン』が発売された、喜びより

1年間無事に『ファミコン』を製造し続けられるかどうかの方が、心配だったんだ。

『ファミコン』が発売された3ヶ月後、『シャープ』が発売したのが、

『任天堂』と共同開発した『8ビットマイクロコンピュータ内蔵』の『マイコンテレビ』だよ。

『シャープ』が、なんのニーズを汲み取ったのかは『謎』であるが、

『光線銃シリーズ』や『ゲームウォッチ』の部品供給や共同開発するなど『任天堂』と仲良しの『シャープ』は、

その後も『ファミコン関連商品』を融合させるのが得意で、
後に『ツインファミコン』なども発売している。

ちなみにこの『マイコンTV』は、

前面にカセット差込めば、ファミコンゲームが楽しめるのだ。

価格は14インチが9万3000円、19インチが14万5000円であった。

クリスマス商戦を迎えた12月はじめ、

『ファミコン』の『ベースボール』（任天堂・1983年）で遊んでいた子どもたちの中から

『ボール』が消えてしまうです

という、声が『任天堂・開発2部』に届くことになる。

これが後に『ベースボールゲーム・消える魔球事件』と言われる出来事が起こるのだ。

そう、この『事件』は、

『ファミコン』発売時の最大の危機となった出来事なんだ。

原因は、『ファミコン』の『グラフィックチップ』による熱暴走。

『ファミコン本体』に負担の大きい『グラフィック処理』が頻発すると
『グラフィックチップ』の温度が想定以上に上がり、

『熱暴走』してしまう現象が発生するのだ。

しかも時期は、おもちゃが一番売れる『クリスマス商戦』直前、

『任天堂』は、『ファミコン』を全商品を回収し、修理することを決断するの。

この事件で、一時、玩具屋から『ファミコン』から消えたのだ。

玩具屋から『ファミコン』から消えたことにより、

『漁夫の利』を得たのが、

『セガ』の『SG-1000』や『エポック』の『カセットビジョン』であった。