第5回【最終章】PC-98黄金時代の終焉と継承者たち


今回は
第5回【最終章】PC-98黄金時代の終焉と継承者たちをご紹介します。
アドベンチャーゲーム、アダルトゲームとなり復活!

一時停滞していたアドベンチャーゲームも80年代末から復活の遂げることになるんだ、
それは映画的演出を取り入れたスナッチャーやポリスノーツの登場
更にPC-98のアドベンチャーゲームを復活させて大きな原動力が登場するんだ。
それが、90年代に入り大きく成長した18禁アダルトゲームだよ。

もともと18禁ゲームは、PC-88やFM-77などの8ビット機の独壇場だったのだけれど
18禁ゲームとなり、より画面がきれいなで見たいというユーザーの下心と一致し、PC-98でアダルティなゲームが活性化しはじめるのだー。
PC-98で復活するアダルトゲーム

そのためPC-98には、80年代初期・中期の名作アダルトゲームは少ないのだ。
古いタイプのアドベンチャーゲームはほとんど無いということなのだ。
特に88年のカオスエンジェルズ、LIPSTICK登場の頃からPC-98のアダルトなゲームが元気になり始めるのだー。

この時のアドベンチャーゲームは、旧時代の詰まると全く先に進めなくなり、そこでゲームが中断するという問題点が解決されていなかった。
結局根本的な問題で、シナリオ進行だけではユーザーを引っ張れなくなっていたアドベンチャーゲームが、エッチシーンのある18禁ゲームと融合したんだ。
エルフやアリスソフトのアドベンチャーゲーム

18禁大手のエルフやアリスソフトは、
シミュレーションゲームやRPGも吸収していったんだけど、18禁・ジャンルの中核となったのは、やっぱりアドベンチャーゲームだったんだ。

PC-98時代のアドベンチャーゲームの方法論を取り込んだ大手メーカーの18禁ゲームは、93年以降は一般PCゲームを駆逐する勢いで売り上げを伸ばしていくことになるのだ。


名作同級生、剣乃三部作の登場

そして同級生や下級生、雫
更に鬼才。菅野ひろゆきさんの
DESIRE 背徳の螺旋、EVE、この世の果てで恋を唄う少女 YU-NOの剣乃三部作など
本物のブレイクスルー作品を生み出し、
アドベンチャーゲームは18禁ゲームとして独自のゲーム進化の道を辿ることになるのよ。

アドベンチャーゲームは18禁に取り込まれてこそゲーム性を取り戻し、殻を打ち破ることができんだ。
この時期のエルフ作品が、アドベンチャーゲームに与えた影響はともも大きかったよね。

菅野ひろゆきさんは、
90年代には剣乃ゆきひろの別名で活躍していたので、
DESIRE 背徳の螺旋やEVE、孤高の傑作、この世の果てで恋を唄う少女 YU-NOは、
剣乃三部作と言われていたよ。
衰退する海外アドベンチャーゲーム、復活した日本のアドベンチャーゲーム

今、PC-98以降の考え方を持ったアドベンチャーゲームがアジアにしか存在しないのは、
欧米では構文解釈やザッピングやレンダリングムービーなどの小手先の進化しか打ち出せず、
アドベンチャーゲームの本質的な構造の改革ができなかったのが原因と考えられている。

PC-98には壁を打ち破った優れもののアドベンチャーゲームがたくさんある。
18禁ゲームにも、アドベンチャーゲームの歴史に刻まれる名作が沢山存在するのでぜひ遊んでみてほしい。
PC-98時代の終わりと、Windowsの時代へ

ある意味でPC-98時代の終わりとは、パソコンゲームの終わりでもあった。
開発対象機種がPC-98からWindowsマシンに変化したことにより、この変革期にパソコンゲーム空白の時代が誕生した。

Windows95登場から数年間は、
パソコンゲーム制作者が対象機種を変えるために必要な時間だったのだ。
二者択一の時代へ、アダルトゲームか、プレイステーションか

この時期に一般パソコンゲームが元気をなくしてしまい、
結局、体力のあるアダルトゲーム流通機構のみが生き残った形になってしまったの。
そういうわけでこの頃、パソコンゲームの開発メーカーは
パソコンでアダルトゲームを作るか、
プレイステーションでゲームを作るかの二者択一の選択を迫られるようになったの。

このときに家庭用ゲーム機にあえて進出せず、アダルトゲームで新しいゲームを制作しようとした人達がいたんだ。
そういう開発者たちが、90年代後半のアダルトゲームや美少女ゲームの隆盛の礎となっていくいんだ。
80年代から90年代の18禁名作ゲーム

ここで、80年代から90年代のPC-88、PC-98系統の
名作18禁ゲームをご紹介させて頂きます。
発売日 | タイトル | ジャンル | 機種 |
1983年 | 団地妻の誘惑 | RPG | PC88/98 |
1988年 | カオスエンジェルズ | RPG | PC88/98 |
LIPSTICK. ADV | ADV | PC88/98 | |
1990年 | LIPSTICK. ADV2 | ADV | PC88/98 |
闘神都市 | RPG | PC98 | |
1991年 | Rance III -リーザス陥落- | RPG | PC98/PC88 |
1993年 | あゆみちゃん物語 | RPG | PC98 |
1994年 | 野々村病院の人々 | ADV | PC98 |
闘神都市II | RPG | PC98 | |
1995年 | エンゲージエランズII ~光輝を担うもの~ | SRPG | PC98 |
EVE burst error | ADV | PC98 | |
1996年 | 雫 | ADV | PC98 |
下級生 | ADV | PC98 | |
この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO | ADV | PC98 | |
1997年 | Rookies | ADV | PC98 |
PC-88、PC-98時代に生まれ、日本の3Dを支えた九州

そして80年代の中ごろから3Dに特化したゲームを作るゲーム会社がいくつか現れたんだ。
キャリーラボ、テクノソフト、アルシスソフト(2001年倒産)
そしてシステムソフトといった3D系ゲームメーカーが現れるんだ。
しかも4つとも九州のソフトハウスだったんだよ。

他には謎の天才プログラマのマーク・フリントを擁するシステムサコムと、個人で活動していた月刊I/Oや月刊アスキーへの持ち込みプログラマぐらいのものだった。
そしてプレイステーション登場後、
アルシスソフト出身者からは、ポリフォニーデジタルが誕生してグランツーリスモが生まれることになるよ。
熊本のキャリーラボ、アルファシステム

キャリーラボのある熊本には、
高機動幻想ガンパレード・マーチ、俺の屍を越えてゆけ、リンダキューブ、式神の城シリーズなどを手掛けるアルファシステムがあるね。

キャリーラボは、
1990年倒産し、その幕を閉じてしまいます。
でも元キャリーラボ開発チームのメンバーが設立したのがアルファ・システムだよ。
福岡のレベルファイブ

そしてシステムソフトの本拠地であり、九州の『ゲームメーカー』が集まる福岡には
ドラゴンクエスト8の開発やレイトン教授、妖怪ウォッチ、イナズマイレブンシリーズなどで有名なレベルファイブがあるね。

このように地方から独自のゲームを生み出すソフトメーカーが誕生したのもPC-88、PC-98の時代からなのだ。
そしてPC-98は伝説へ・・・PC-98のゲームオーバー

90年代中頃になるとPC-98の時代から、
世界標準機であるDOS/V、そしてWindowsの時代へと移り変わってゆく。

そしてPC-98が生み出した最大ジャンルだったRPGは、正統後継者を残すことなく消え去ってしまうんだ。
シミュレーションゲームも海外ではターン制の『シミュレーションゲーム』からもっとアクション性と短時間でゲームが完結できるRTS(リアルタイムストラテジー) が流行り始めるんだ。

海外のRTS(リアルタイムストラテジー)としては、
マイクロソフトのAge of Empiresやクリエイティブ・アッセンブリー社のTotal War両シリーズが有名だね。
日本ではシミュレーションゲームがRTS(リアルタイムストラテジー)に自己進化することがなかったんだ。
そして多くのパソコンRPGとシミュレーションゲームが、PC-98とともに滅んでしまうんだ。
たくましく生き残る18禁ゲーム

アドベンチャーゲームだけが、
18禁であるがゆえにゲームの流通機構そのものが別となり、
そのお陰でWindows95以降を生き残ることができたのだ。

世界の中で唯一PC-98の時代を謳歌していた日本に突きつけられたWindows95の洗礼は、あまりにも過酷だった・・・
受け継がれるPC-98の生んだゲームたち

Windows95の登場で、PC-98のゲームたちは滅んだと思われていたんだけど・・・
でもこのマシンが生んだRPGのゲームシステムは、メガドライブやPCエンジンのCD-ROMへの移植を介して家庭用RPGへと受け継がれ、
そしてゲームシナリオの表現への挑戦は18禁ゲームへと受け継がれていったんだ。

日本ファルコムも家庭用ゲーム機に参入してイースシリーズや英雄伝説 軌跡シリーズで成功しているしね。

そしてシミュレーションゲームは、家庭用ゲーム機のシミュレーションRPGの血肉となって受け継がれているよ。
直系の子孫は残せなかったけど、無意味ではなかったんだよ。

列車シミュレーションゲームのA列車で行こうで有名なアートディンクも携帯ゲーム機のニンテンドーDS、3DSで
A列車で行こうDSやA列車で行こう3Dなどの名作を作り出しているものね。

もう一度目を閉じて、まぶたの裏に描かれるPC-98のゲームたちを思い出してみよう。
ハードの制限や社会的な表現の制約に挑戦し、
家庭用ゲーム機と競争しつつ、その方法論を取り入れて、
磨かれ進歩していく黄金の時代のゲームがそこある。

今回はここまで、ご視聴ありがとうございました。
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