電子工作「直流モーターの制御方法」についてご紹介｜「電子工作/修理/メンテナンス」

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今回は、電子工作「直流モーターの制御方法」についてご紹介します。

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直流は、プラスとマイナスの極性が変化しない電源から供給される電気です。具体的には電池が直流電源です。

模型やおもちゃではマグネット(永久磁石)を界磁とする直流モーターが使われています。直流モーターは、与える電圧を変化させることで回転速度を変えられます。あるいは流れる電流を変えても同じ効果が得られます。

電圧を変えるか電流を変えるかは、その制御回路の構成次第です。いずれにしても、比較的簡単に回転速度を変えられるというのが、直流モーターの大きな特長の1つです。

乗り物をモーターで動かす場合は、低速から高速まで、十分な出力とトルクが必要です。特に低速時に大きなトルクが得られないと、乗り物は加速できません。直流モーターはこの点も有利で、流れる電流が多いほど大きなトルクが発生します。

モーターの一般的な特性として、回転数が上がるほど流れる電流が減るという性質があります。逆にいうと、回転が遅いほど電流が多く流れます。

出力トルクという面で見ると、これは低速時ほどトルクが大きいことになり、乗り物の始動にはちょうどよい特性です。もちろん、十分な電流を供給できる電源が必要です。

モーターは電流を開閉するスイッチにより回転、停止ができますが、マイコンなどの電子回路で制御する場合は、大電流を制御できる半導体部品を使う必要があります。

マイコンなどを使ってモーターに流れる電流を制御するためには、バイポーラパワートランジスタやパワーMOS-FETなどの半導体デバイスを使用します。これらのトランジスタ類は、微弱な電気信号で制御できるスイッチとして機能します。

ただしこの回路では、モーターに流れる電流の向きを変えられません。つまりモーターを逆回転させることができないのです。そこで正転と逆転が必要な場合には、下図（Hブリッジ回路）のような回路構成とします。

どちらの回路もモーターと並列に、あるいはトランジスタと並列に、電流が流れない向きにダイオードが挿入されています。これはフリーホイールダイオードといって、モーターを停止させたときに発生する逆向きの電圧(逆起電力)を吸収するためのものです。

モーターに流す電流を止めると、電磁誘導により電流を流し続けようとする効果が発生します。単にトランジスタで回路をOffにするだけだと、この電流により高電圧が発生し、回路が損傷したり、大きなノイズが発生したりします。

Hブリッジ回路は、停止、正転、逆転、ブレーキの4種類の動作が可能です。

下側の2個のトランジスタをOnにした状態です。停止状態と同様に、モーターには電圧がかからないので回転はしません。最初の停止状態と違うのは、モーターが外力で回転したときです。

モーターを回転させると発電機として動作します。前述の停止状態では、発電された電流はどこにも流れないので、発電機はほぼ無負荷となり、軽く回転します。

ブレーキ状態では発生した電流がトランジスタとフリーホイールダイオードを流れて循環するため、電気的な負荷となります。負荷がかかっている発電機は回転が重くなるため、結果的にモーターにブレーキがかかったような状態となります。

モーターの回転方向によって発生する電圧の極性が変わりますが、電流がどちら向きに流れても、いずれかのトランジスタとダイオードによって回路が形成されます。

一般的な回路のモーターは、電流を流すか流さないかという形で制御します。ベースに流す電流を連続的に変化させれば出力電流を変化させられるのですが、回路は複雑になり、また発熱も増えるため、電流量を変える制御はモーター用にはあまり行われません。

ドライバ回路が単純な電流のOn/Offしかできないと、モーターの回転速度を変えられません。そこでデジタル回路でモーターなどの回転数を制御したい場合は、PWM(Pulse Width Modulation、パルス幅変調)という方法を使います。

モーターの回転速度の上昇や低下にはある程度の時間がかかります。それに対して十分に速い速度で電源のOn/Offを繰り返すと、モーターによる力の発生が断続的になるものの速度の脈動は起こらず、常時Onのときよりも回転数が低下します。

モーターを制御するためのトランジスタ回路を自分で組み立てることもできますが、このような用途のための専用IC、つまりモータードライバICが各種市販されています。

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