「ヒートシンク(放熱器)の大きさの求め方」についてご紹介｜「電子工作/修理/メンテナンス」

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今回は、「ヒートシンク(放熱器)の大きさの求め方」についてご紹介します。

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ヒートシンクは、半導体の発熱を外気に移して、半導体接合部の温度を一定温度以下にする働きをします。この放熱性をよくするために、できるだけ表面積が広くなるように複雑な構造をしています。

このヒートシンクをどれくらいの大きさにしたらよいかを決めるのは結構難しい問題です。通常ヒートシンクの放熱の問題を考えるときには、「熱抵抗」という概念を使います。これは、単位が「°C/W」で表され、ある物体に1ワットの熱を加えたら何度上昇するかで表します。

ここで、半導体を放熱するためのヒートシンクを考えるときのモデルは、熱抵抗を使って下記（発熱と放熱の関係）のように表されます。半導体内部の接合部が熱の発生源ですから、これを出発点にして半導体ケース、熱伝導体、ヒートシンク、周囲気中と順に熱が伝わっていきますが、それぞれの物体ごとに熱の伝わりやすさ、つまり熱抵抗があります。

この熱伝導の様子は熱抵抗の直列によって表現することができ、下記（発熱と放熱の関係）のような表現で表すことができます。

この図から、半導体での発熱量と、ケースまでの熱抵抗がわかれば、必要なヒートシンクの熱抵抗の最大値が求められることになります。ここで接合部の温度は上限が150°Cと決められています。しかしこれは許容最大値ですからこれの90%以下として余裕を持たせて設計をします。

また、半導体とヒートシンクの接触部の熱抵抗値は、裸の状態で直接ヒートシンクに接触させると、大体0.6°C/W程度でこれにシリコングリースを塗布すると、0.4°C/W程度まで小さくなります。ここに熱伝導性絶縁シートを挿入すると、接触熱抵抗も含めて2~3°C/W前後となります。

例えば実際の例で説明すると、電源のレギュレータICで、発熱量が4Wで、半導体ケースまでの熱抵抗が4°C/Wとすると、絶縁シート部分を3°C/Wとして、接合部温度を10%の余裕を見ると、

と求まります。

後はこの熱抵抗より小さな熱抵抗のヒートシンクを探せばよいのですが、熱容量を明記したヒートシンクが案外少ないので、大体の目安になる値を下記の図表で求めます。

まず、下記（アルミ板の熱抵抗値）はアルミ板の面積と熱抵抗値の概算値のグラフで、板厚が1.5mm、2mm、3mmの3種類についてそれぞれの面積と熱抵抗値の概算値をグラフにしたものです。

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