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CB(コンバットアーマー)アーマーとは
CB(コンバットアーマー)アーマーとは、二脚以上の歩行脚と機銃や砲などの火器、あるいは戦闘用に特化された作業肢などにより、それらを駆使する汎用性を備えた陸戦兵器である。
S.C.140年代、唐突に開発され始めたこの兵器は、軍に制式採用されるや否や瞬く間に主力兵器の座に躍り出た。その開発の軌跡を追う。真実は見えるか!
歩行戦車を実用化せよ
S.C.(スペース・センチュリー)140年代初頭、あらゆる地形条件に適合し、重装甲、重武装を条件とする陸戦兵器の開発が提唱された。乱暴に要約すれば『3年前後の期間内に歩行戦車を実用化せよ』という内容であったということができる。これは、通常の軍需メーカーのみならず、関連する民間企業にも広く公募された。
軍による設計提案要請に対し十数社が応募したものの、工業製品としての難易度が高く、また、開発期間の短さなどから、ほどなく辞退する企業が続出した。第一次設計案のほとんどが、大形の戦闘車輌そのものの改良型や、移動システムに若干の工夫を施した程度の物であったと言われている。
人型兵器開発の背景
軍がこのような要請を行った背景には、既存の機甲部隊の構成に限界を感じていた事や、イメージ戦略の一環としての側面があったとされている。この新兵器は、基本的にデロイア星での運用を目的とした陸戦兵器であり、未知の兵器体系に対する潜在的な興味やモチベーションも大きかったとされている。
デロイア星は、地球と比べ開発が遅れているため不整地が多く、車輌での走破性には限界がある事、植民星での戦闘に既存の兵器を展開した場合、反発が予想される事などを勘案した結果、可能であれば、人型の陸戦兵器を開発,投入することでイメージアップを図りたいという政府関係者の思惑もあったとされている。
実際には、この時期の連邦軍に明確なビジョンがあった訳ではなく、既成概念にとらわれない斬新な兵器体系を構築したいという、漠然とした願望のようなものであったとする資料や証言も散見される。
『アイアンコンバット』プロジェクト開始
かくして、軍の極一部では『アイアンコンバット』などと仮称されていた未曾有のプロジェクトは実際に動き出すこととなった。
第一次募集において、在来兵器の延長線上にある兵器は基本的に全て却下され、二ヶ月後に第二次提案が行われることとなった。この短期間で各社は発想の転換を図り、軍の要望に沿っプランが提出された。
なかでも戦闘車輌メーカーのアビテート社、および航空機メーカーのソルティック社の設計案は、奇抜でありながら軍の要求に応えたものであった。
まずアビテート社のプランは、エンジンユニットを搭載する本体に4本の歩行脚を設け、前方には地表面まで届くマニピュレーターを装備。最上部に視界360度のコクピットを据え、本体左右のオプションポートには兵装ポッドを実装できるというものであった。
その基礎設計案は、空想科学小説に登場する異星人の戦闘メさながらであったものの、軍の要請を十分に取り込んでいた上、技術的にもそれなりの裏付けのあるものであった。
本体の形状は円錐形の作業用ポッドに酷似しており、4脚歩行は構造的に二脚歩行のものより単純であったため安定性や生産性も良好で、整備性も実際的な範囲に収まっていた。
ちなみに、この試作案には大出力のバーニアスラスターが装備されており、宇宙空間での運用を想定した機能も盛り込まれていたと言われている。
この設計案は、アビテート社内で戦闘装甲〟を意味する『CB(コンバット)アーマー』と呼ばれており、それは当初この試作案そのものを指す名称であったが、後にこのカテゴリに含まれる兵器全体の総称とされた。
一方、ソルティック社が提出した設計案は、外観はほぼ人型で、実戦投入の際には歩兵〟としての運用が想定されていた。二脚歩行そのものは既に珍しい技術ではなかったが、実際に兵器としての実現性を伴った設計案として提出された事は、軍にとっても驚異的な事であった。
とはいえ、構造が非常に複雑で、実用化に当たっては、更なる技術の蓄積が必要であり、それはメーカーサイドも認識していた。それでも、それらの不確定要素の抽出と問題解決のロードマップも既に作成されており、近い将来には十分に実現可能なものであると評価された。
ほかにも、モボットタイプの三脚歩行ユニットをベースとするアイアンフット社や、歩行ユニットをホバー装備で補助するサバロフ社などが候補として選考に残り、各社にはシンメーワ社が開発した試作エンジン7基が提供され、計画は次の段階へと進展する。
量産先行型CB(コンバット)アーマーの登場
供給されたエンジンの規格に合わせ、搭載兵器などの実装を想定して設計の細部に手直しを加えた結果、各社の設計案は地上高10mを超える規模となった。そして、開発の進展に伴い、デロイア星での運用条件に最も早く適合したのがアビテート社製のものであった。
軍は早々に採用を決定し、量産先行型として12機をアビテート社に発注する。ただし、軍は二脚歩行のプランを諦めた訳ではなく、ソルティック社に開発の継続を命じている。
なぜなら、この時点でシンメーワ社製の試作エンジンのスペックにムラがある事が判明しており、その稼働許容範囲内での実用化が可能だったアビテート社の設計案を承認する事によって、このプロジェクト全体を維持、推進するための判断であった。
すなわち、ソルティック社製の二脚歩行機に対する軍の期待は依然として高く、これらの新兵器群を開発する部署や要員、予算枠などを維持するための措置であったと言われている。実際、エンジンの新造も決定し、この時の仕様のままでアビテートタイプは実際に建造された。
F44A『クラブガンナー』の量産化
プロトタイプを軍に納入したアビテート社は、続けて量産先行型のF44タイプを4機建造していたが、軍が想定する“CBアーマー”がソルティック社の二脚歩行型である事が明らかとなったため、この4機はデロイア星でのテストに使用されることとなった。
これらはプロトタイプから信頼性の高い前進式シャーシに換装されていたが、機動性が優先されたため移動時の乗り心地や居住性が劣悪であった。
エンジンをゼロKA型に乗せ換え、歩行脚の基部構造やユニット化を計り形状や居住性などが見直された改良型は、F4A『クラブガンナー』として量産化されることとなった。
不整地の走破性などは高い評価を得たものの、地上高が1mを超えるなど、気象条件によって運用が制限されるような問題点もあり、兵器としての完成度は疑問視されていた。
ただし、実働に際しては、既存のAFV(戦闘車輌)の代替機として十分な性能を持っていたため、その走破性や整備性も相まって、CBアーマーの主流が二脚歩行型へと移行してからも長く運用されることとなった。実際、戦術的にも二脚歩行型との住み分けが可能であったため、改造型のみならず、同系の新型多脚機も開発されている。
この系譜に連なる機体は、F4B『テキーラ・ガンナー』F4D『デザートガンナー』F4C『ブリザードガンナー』などである。
多脚型から人型兵器へ
CBアーマーの第一次設計提案要請の選考に残った4社のうち、アビテートおよびソルティックの2社が優勢であったため、アイアンフット社とサバロフ社は事実上、予備的な処遇を受けていた。そのうちサバロフ社はなおも設計調整を継続し、独自の情報網からソルティック社の二脚歩行機構のノウハウを入手することに成功する。
当時の状況に焦燥を覚えていたサバロフ社は、上半身の構造や機能を初期案のままでプロトタイプを建造し、結果的にソルティック社に先んじて実機のロールアウトを達成する。
スペック上は火器搭載量や“二脚歩行といった要件を満たしていたため、軍側もこの機体を採用せざるを得ず、AG9『ニコラエフ』として1機の生産を承認し、後に256機を追加発注することとなる。
しかし、CBアーマーの運用方法や戦術の確立はおろか、使用目的さえあやふやな時期でもあったため、軍とサバロフ社の意見対立は深刻であった。
肝心の歩行能力自体、移動速度を上げるためには跳躍が必要で、姿勢制御にホバー機能を併用しなければならなかった事や、劣悪な汎用性などが評価そのものにも影響していた。納入後も事実上の死蔵状態にあり、実戦に参加したケースも極めて稀であったとされている。
CB(コンバット)アーマー最初期『ラウンドフェイサー』登場
アビテート社のF44タイプの実戦配備がほぼ完了したのとほぼ同時期にソルティック社の二脚歩行型CBアーマーが完成した。エンジンはロールスロイス社製の高出力タイプを採用し、10mの全高でロールアウトした原型1号機との相性も良好であった。
F44タイプが実際には既存のAFVに近い車輌的な””操作性と運用法を持っていたのに対し、この機体は航空機に近い単座式のコクピットを採用したことで、独自の操作感を備えていた。
デフォルトの武装として右肩にミサイルポッドを装備し、人間と同様に機能する腕部に相応しいハンドガンタイプのリニアガンも開発された。さらに腰部の可動域や各部をコンパクトに改良した2号機以降は、外装も合理的にユニット化され、接地バランサーの小型化やマニピュレーターの精密化も図られている。
機体のユニット化は、生産や輸送そのものに配慮した構造であり、機体一式を規格化されたコンテナに収納する事ができる。また、初期型を除く量産型は、パイロットの生存性の確保やセキュリティー対策などにも万全の配慮がなされており、IDカードと連動した始動キーシステムや脱出用のイジェクションシステムも完備されている。
その反面、パイロットの育成に必要な期間が長期にわたるなど、運用面でのシステム確立も、既存の兵器体系とは一線を画するものとなっている。さらに、設計段階から背部に装備換装用のハードポイントが設けられており、装備のバリエーションにはターボザックなども含まれていた。
コクピットの視界も良好で、バブルタイプのキャノピーが正規の仕様とされたため、H8の制式番号が充当されてから『ラウンドフェイサー』と名付けられている。
この機体の完成によって、”CBアーマー”そのものの概念が確立されたと言っても過言ではない。また、デロイア星がXネブラの影響下に入ってからも、軽量化やバックパックの換装などの改良が繰り返され、長期にわたって最前線で主力兵器の座に君臨し続けている。
特化型コンバットアーマー『ブッシュマン』『マッケレル』
本格的な人型〟CBアーマーであるH8の完成を目前としながら、軍首脳の一部には、CBアーマーをCV(コンバット・ビークル=戦闘車輌)の変種のひとつに過ぎないとする考えもまた根強いものがあった。驚くべき事に、ソルティック社はH8と同時期に解りやすいCBアーマーとしてH102『ブッシュマン』の設計案を提出している。
この機体は、H8の基本設計を80%以上流用し、徹底的な軽量化が図られたもので、森林地帯のような極端に移動に対する制約が厳しい領域での運用が前提とされていた。
特にエンジン周りや各部装甲は徹底的な軽量化が施されており、機動性とのバランスも破綻する寸前まで追い込まれている。それによって獲得された走破性は、CVとは次元が異なるレベルに到達しており、CBアーマーと既存の兵器との差異を見せつけるに十分なスペックを達成していた。
固定武装は、両腕部に対CBアーマーライフルを内装し、頭部左右に6連装ミサイルポッドを装備している。このため、コクピットの視界は劣悪であったものの、稼働そのものは良好であった。
ただし、パイロットの練度によっては忌避される傾向もあったようだ。携帯火器としてはマグランチャーを装備するが、これは軽量化のために採用したマルタイS13サードエンジンの出力がリニア砲の稼働基準に達していなかったためである。
CBアーマーの開発が現実的な様相を呈するに従い、軍首脳陣からは、その戦術的利用に関して、あくまでCVの代替装備とする考えがあある一方で、反対にあらゆる領域への適応を期待する考えもあった。その代表的なものが、水中への進出である。
かくして開発されたH404S『マッケレル』は、軍が〝防水シールドシステムを持つCBアーマー”として発注したにも関わらず、水中戦をも可能とする水陸両用CBアーマーとして完成した。H8が開発途上にある時期に並行して開発が進められたが、設計は本機の方が若干早めに着手されていたらしい。
試作もH8と並行して行われ、採用されたエンジンはロールスロイス社製のN1SGという新造品である。もっとも、スペック的にはH8用のN8Gとほぼ同等で、水陸での稼働に対応しチューンを施された程度であるようだ。
機体は流体抵抗に配慮した形状で、H8と比べて可動部分が少なかった事が、設計も建造もH8よ短期間で完了した要因と考えられる。
また、水中航行時は背部のハイドロジェットエンジンを使用し、上陸後に戦闘を行う際には投棄する事もできる。ただしその場合、航路による帰還が不可能となるため、撤収にはまた別の移動、輸送手段の確保が必須となる。
基本的には、戦闘終了後にハイドロジェットエンジンを回収し、マベリックなどの補助航空機によって懸架、帰投するのが一般的な運用法である。ちなみに、H404の武装は、腹部の7連装ミサイルポッド2基と両腕の対アーマーミサイ8門のみで、手持ちの兵装は使用できなかった。
汎用性を旨とするCBアーマーの中にあって、これほど投入環境や戦術が限定されている機種も珍しく、強襲揚陸作戦の先鋒や湾岸施設の破壊工作などの他に運用される事はほとんどなかった。そのため生産数も少なく、デロイア星の独立戦争時に後期型のSタイプが運用されたのが数少ない実戦投入例であったようだ。
CBアーマーとデロイア独立運動
連邦軍が新兵器開発の要請を行い、アビテート社の4脚型CBアーマーが配備されるまで、およそ3年が経過していた。ソルティック社のH8の先行量産型のロールアウトまでにはさら2年を要した。
その間、サバロフ社のAG9型なども完成し、S.C.149年までには相当規模の部隊編成が可能なほどの量産体制が整っていた。アビテート社のF4系はすでにバリエーションが生産されており、ソルティック社のH404も山岳地帯などに配備されつつあった。CBアーマーは、デロイア星においてすでに実質的な主力兵器となっていた。
植民開始からおよそ150年が経過し、独立の機運が高まっていたデロイア星の治安維持や武装ゲリラ組織の摘発殲滅などに、CBアーマーはその威力を発揮していた。デロイアの自主独立を弾圧する暴力装置として確実に機能していたのである。
電子機器の性能が著しく低下する『Xネブラ』
連邦軍のF4型はデロイア星のほぼ全域に配備され、次期主力CBアーマーとしてH8の生産、配備も始まっていた。あらゆるチャンネルやレベルを通じての正攻法による交渉は全て破棄され、武力による反攻を余儀なくされていたデロイア星のゲリラ組織にとって、CBアーマーの圧倒的戦力は最大の障害であった。
しかし、あらゆる工業的リソースに乏しいデロイア星でCBアーマーをいくつ調達できたところで、圧倒的な数的優位をもつ連邦軍に対抗する事は不可能であった。そんな中、デロイア星に起死回生の幸運が訪れる。
近い将来、デロイア星を含むスタフェラス星系が”Xネブラ”と呼ばれる帯電粒子を多量に含むガス状星雲の領域に突入し、その影響で各種の弊害が起される。電波状態は有視界程度の距離でしか通じない程まで悪化し、さらには超集積回路の性能にも影響を与える。すなわち、近代的な電子機器の性能が著しく低下する事が予見されたのである。
CBアーマーの制御には高度なコンピュータシステムが不可欠であり、また、戦術展開や索敵、哨戒にはレーダーやセンサー類が必須であった。この前提が崩壊した環境において、もしXネブラの影響を受けないCBアーマーが投入できれば、たとえ少ない戦力であっても活路を見出すことができる。
ネプラ対応型のCBアーマー『ダグラム』の開発
S.C.140年代にデロイア星各地のゲリラ組織を統合させたのは、カーディナル旧市街を活動拠点とするサマリン博士が指導する『大地の絆』グループであった。
革命を説く自著の発禁処分を機に地下活動に身を投じたサマリンは、地球資本の進出に苦慮するデロイア財界に働きかけ、活動資金を調達すると同時に、反メドール州の駐在大使と交渉し、連邦政府内における政治的支持を得た。デロイア住民の圧倒的賛同を背景に、反メドール感情を利用したサマリンは密約を成立させる事に成功する。
独立の要点は、北極ポートの制圧にかかっていた。デロイアに資源や食料の40%を依存する地球に対し、物資の出そのものをデロイア側でコントロールできるようになれば、地球経済は事実上破綻する。実際の禁輸措置を採るまでもなく、デロイア星は独立交渉を有利に進める事ができるようになるだろう。
サマリンは、Xネブラによる影響を受けないCBアーマーを開発すべく、反メドール系ミンガス州に本社を置くアイアンフット社と接触し、極秘裏に技術協力を要請する。
ネプラ対応型のCBアーマーの調達は、サマリンの計画にとって不可欠な要素であった。そこで、新型CBアーマーの実動データの提供を条件として、アイアンフット社の協力を得られる運びとなった。ソルティック社に水をあけられていたアイアンフット社にとっても、この開発計画は渡りに船だった側面があったであろうことは想像に難くない。
連邦軍による第一次設計案公募の際、アイアンフット社は三脚型のモボットを提案したものの、ソルティックの設計案には対抗できなかった。だからといって、サバロフ社のように拙速に出て不良品を生み出してしまうより、他社の動向や軍の要求をしっかりと見極め、なおかつ、着実に技術的な蓄積を積み重ねた上で開発することが肝要だとの判断があったのだろう。
S.C.150年。かくして“ダグラムの開発が開始された。Xネブラ現象の詳細なデータ地球に送られ、それに対応したCBアーマーの精密部品がデロイアに届けられる。デロイアがXネブラに完全に覆われる時期は、S.C.152年とサマリンは予測していた。
サマリン率いるゲリラ組織がCBアーマーの開発に踏み切ったのは、Xネブラの影響と、その対策に目処が立ったためと考える事もできるだろう。そして決起の時が到来する。
『ダグラム』と名付けられたこのCBアーマーの基本的な仕様は、鹵獲したH8タイプの部品を多数転用したとされているが、Xネプラ対応はともかく、H8以上に進んだユニット化や整備性、高度な防水能力、ターボザックとの連動など、不正規の小規模なゲリラ組織が独力で調達できるものではない。
無論、デロイア星の独立運動組織が連携した場合の規模は詳らかではないが、それでも“ダグラム”のスペックは突出していると言わざるを得ない。その開発経緯は前述のようなものであったのだ。
ダグラムの性能
ダグラムの頭部は直線的なキャノピーで構成され、近接戦闘用にマルチディスチャージャーを装備する。左手には20mmチェーンガン2門を内装し、装甲は同クラスのCBアーマーとの戦闘に対応した強度を持つ。
当初のプランでは手持ち式のリニアガンを装備する予定であったが、使用する武装の選択肢を増やすため、右腕部のハードポイントにマウントする方式が採用された。
さらに、ターボザックシステムは、作戦行動範囲を拡大し、リニアガンの連射を可能とする他、ターボザック自体が装備するリニア・カノンは当時のデロイア屈指の威力を誇る。
その反面、重量の増加に伴う機動性の低下や運搬に際しての負担増は、ダグラムを実運用する小規模なゲリラ部隊である『デロイア7』にとっては悩みの種ともなっていた。それでも、ネブラの影響を受けないことによるダグラムのアドバンテージは大きく、既存のCBアーマーをほとんど寄せ付けなかった。
ネブラの影響によって反応速度の低下した既存のCBアーマーはダグラムに対抗できず、敗退を続けていた。連邦軍の“ザルツェフ追討隊〟は、ダグラムへの対抗措置として、H8の基本装甲を全て取り外し、カムフラージュシートを着用させた。
このH8『ラウンドフェイサー軽量仕様』は、H102を上回る機動性一を発揮したものの、実質的には撹乱以上の効果・はなく、機体の防御能力が著しく低下するため、この措置が採られたのもこれきりであった。
第二世代コンバットアーマーの発展と挫折
多脚型で実績のあるアビテート社が開発したT10型は『ブロックヘッド』と呼ばれ、軍の提供によるH8型のデータを転用した重CBアーマーとして開発された。
全高は12mを超え、パイロットの他にガンナーが搭乗する複座式のコクピットを持ち、リニアガンも効かない装甲を持つ。1号機の細部を調整した後、T10Aの形式承認を受けて量産されるが、程なくエンジンロールスロイス製のN9-PW-500に換装した改良型が開発され、T10B『ブロックヘッドBタイプ』として量産されることとなった。
通常ブロックヘッド〟と言えばこのBタイプを指す。変更点は、ミサイルポッドが4連装か6連装になり、照準システムも高精度化されるなど、攻撃能力の拡大が図られている。
また、この機種はさらにXネブラ対応機へと仕様変更され、T10C『ブロックヘッドCタイプ』とし量産されている。シールドコンピュータが採用され、エンジンもPW-750型に換装されているが、外観上は全く同じだったため、塗装色モスグリーンとして区別している。
Xネブラ対応機、H8RF
一方のH8タイプもXネブラ対応機、H8RF『ラウンドフェイサーコーチマSPL(スペシャル)』が開発されている。H8には開発当初からターボザックの搭載計画もあって、シールドコンピュータの搭載と並行して量産が計画されていたが、生産施設の事故などが原因計画に遅延を生じていた。
最終量産型のJ212-38型をベースとして開発が進められ、エンジンはN8Gタイプに換装されている。
第三世代CBアーマーの特徴
多数の名機、傑作機を生み出した第二世代CBアーマー群ではあったが、実際の運用とダグラムとの戦闘などにおいて、様々な欠点なども明らかとなっていった。
特に限定された地域での特殊環境下における局地戦など、通常兵器や初期の(いわゆる第一世代)CBアーマーの方が有利な局面も度々見受けられた。
それらの事例は、軍部が二脚型CBアーマーのあまりの優秀さに、さながら“万能兵器”であるかのような錯覚を抱いてしまっていた事や、実際に運用されるようになってから10年も経っていない事を忘れた戦術論自体が未成熟であった事などが要因であった。
そういった運用上の反省を踏まえ、使用地域や運用目的を明確に設定し、その条件に適応し機体の開発が試みられることとなった。
つまり、CBアーマーの調達自体に明確な目的や生産基準が策定されるようになったのである。例えば、デロイア星での実戦投入を考えた場合、ネブラ対応が必須となる事は言うに及ばず、対CBアーマー戦闘においても、近接戦闘を行うのか、中距離支援や砲撃戦などに限るのかなど、その用途をある程度明確にする事が必要とされた。これらの基準を満たした機体群が、第三世代CBアーマーに分類される。
連邦軍初の第三世代機F4X『ヘイスティ』
第一次設計案提出時、3脚式モボットの発展型を提出したものの、それ以降は連邦軍が掌監するCBアーマーの開発から事実上撤退していアイアンフット社が、Xネブラ対応機開発の要請に応じて提出した機体がF4X『ヘイスティ』である。
開発、生産基準は、対CBアーマー格闘戦よりも砲撃戦の展開能力を主眼とす機体構成が求められていた。
CBアーマーに関してのノウハウを持たないはずの同社であったが、ソルティック社系列に連なるCVメーカーであったため、データ面での協力を得る事で開発にこぎ着けたとされている。
Xネブラ対応を前提とするCBアーマーは便宜上第三世代にカテゴライズされるが、第二世代機の改装機は、原則的にこのカテゴリーには含まれない。その意味でF4Xは、連邦軍初の第三世代機だということができる。
F4Xはアビテート社のT10Cと同クラスの重CBアーマー”に分類されるが、設計の開始時期がT10Cよりも後発であったため、ネブラ対応機能はもとより、軍部の作戦構想の転換に伴って策定された『複数の重火器搭載機によるフォーメーション攻撃』に基づく戦術に対応したモデルとして設計されている。
リニアガンは同社で開発中だったCV用の大型ユニットが流用され、中距離射程で絶大な威力を発揮する。また、実戦投入時の整備プロセスを簡略化するため、当初は肩部に装備する予定だったリニアガンは腕部に装着するスタイルに変更された。
左肩にはミサイルポッドが装備される事となり、コクピット構造なども併せて見直された結果、トータルでのバランス配置か非対称な設計が施されている。その異様な外観とは裏腹に、高い走破性と機動性を発揮する。
また、サポートシステムと強化型アクチュエーターの採用や低重心であることなども相まっ砲撃時の安定性は二脚型CBアーマー随一であった。さらに、高コストな耐リニアガン装甲をあえて使わずに生産性を向上させ、二脚型の泣き所であったコクピット周りの装甲を強化し、パイロットの生存性を高めている
多脚型コンバットアーマーのバリエーション
4脚以上の歩行脚を持つCBアーマーは、二脚歩行型の出現以降、第一世代とされて新規開発はほとんど行われていなかった。アビテート社製のF4系の改装機が、それぞれの環境や運用法に適応拡散していたが、例えば地球の寒冷地向けに多脚型CBアーマーの市場なども形成されていたのである。
例えば雪原などにおける走破性は、機体が軽い事はもちろん、自重をより広範囲に分散させる多脚型の方が有利な側面もある。すでにT10タイプで二脚歩行型CBアーマーの市場に参入していたアビテート社ではあったが、多脚型ガンナータイプのニーズも確実に存在する事から、再び新規開発に着手することとなった。
ほぼ唯一と言ってよい多脚型CBアーマーのノウハウを豊富に持つアビテート社は、驚異的な早さでF35C『ブリザードガンナー』をロールアウトする。アラナコフ社製RM6C型エンジンを搭載し、F44Dと同様のマルチ駆動脚を持つ4脚型CBアーマーとして完成した同機は、ターレットを廃し、主砲であるリニア・カノンを直接本体にマウントしている。
アビテート F44B テキーラガンナー | おもちゃホビー | 中古・新品通販の駿河屋
これによって最低地上高を4m以内に収める事に成功し、雪面下に身を潜めるアンブッシュ戦術すら可能としていた。
無論、寒冷地対策も万全で、居住スペースや可動部には凍結防止の与熱装備が施されている。この機体は、あくまで極地などの極寒地での稼働を前提とした局地戦用であったため、生産数は極わずかであったものの、F44系のF44A『クラブガンナー』、F44B『テキーラガンナー』、F44C『ファイヤーガンナー』などの単なる仕様バリエーション機とは異なる意義を持つ機体であった。
コンバットアーマーの未来
ソルティック社が開発していた重CBアーマーSVIJ322(後のHT128『ビッグフット』)は、T10CおよびF4Xと競合する形で開発が進行していた。しかし、H8型のXネブラ対応機開発の遅延が原因で他社に後れをとり、すでに運用が始まっていたF4Xが軍部から(後には敵機としても)高い評価を得ていたため、同機の開発計画は却下されてしまった。
しかし、局地戦用CBアーマーの必要性が増大した事によって、同機の開発が再開されることとなった。当時の連邦軍とデロイア解放軍の戦闘状況から、北極ポートなど寒冷地での脅威の増大が予想されており、ソルティック社が持つH404『マッケレル』の防水シールド技術を応用する事で、寒冷地対応型への改装が可能と判断されたからである。
ただし、本来の設計は、近接戦闘や格闘戦を含む対CBアーマー戦闘用の機体であったため、その耐寒性能はF35Cほど充実したものではなかったとされている。
また、さらに過酷な山岳地帯など、特に北極ポートへ至るカルナック山脈での戦闘なども想定されたため、機体可動部への着氷防止のため、装甲の外側から更に着る”防寒シールドなども用意されている。これは実際にはエンジンの過冷却を防ぐための装備であった。基本的には耐寒性能が基準を満たした時点で即座に量産化が決定した。
HT128の武装は、左肩に6連装ミサイルポッドと2連装短距離射程リニアガンを内装し、T100シリーズを参考にパイロットとガンナーを同乗させる複座式コクピットが採用された。キャノピー形状はもちろん同社が得意とすバブルタイプである。
ソルティック HT128 ビッグフット 雪上用カムフラージュ 防寒シールド仕様 | おもちゃホビー | 中古・新品通販の駿河屋
第三世代に分類されるCBアーマーの実戦配備は始まったばかりだが、その基本性能はすでに第二世代CBアーマーを多くの面で凌駕している。軍組織の主力CBアーマーとして、第二世代機と置き換えられるのも時間の問題であるかのように思われる。また、第三世代機がより環境適応能力を拡大することで、更なる新鋭CBアーマーやバリエーション機の展開も自明の事と思われる。
しかし、CBアーマーの開発は、デロイア星と地球の緊張関係から促進された事は否めない。デロイア独立運動が一定の成果を得た今、CBアーマーの進化を推し量る事は可能だろうか。それには不確定要素が多すぎると言わざるを得ない。とはいえ、デロイア星と地球の間に横たわる問題が根本的に解決された訳でもなく、再び戦乱の時代が到来しないとも限らない。
一度生まれた工業製品は、そのメディアやジャンル、用途などのニーズが消滅しない限り生産され続ける運命を伴っている。
CBアーマーは、既存の兵器体系を塗り替えつつあり、また、その途上にあった。人類が抱える“兵器の総量から言っても、依然として微々たるものであるとすら言える。こういった状況が、複数の星系とWH(ワームホール)によって結ばれている地球とデロイア星にとどまる事は、逆にあり得ないと考えざるを得ない。
あるいは、最初期の原型機が農作業用マシンであったように、穏やかな未来が待つのだろうか。あるいは、量産型ダグラムがサマリンの意志を継ぐかのように、更なる新天地を開拓する先兵となるのだろうか。CBアーマーにどんな未来が待つのか、それは誰にもわからない。
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