「銀材料の取り扱い方(見分方/再生/保管)」についてご紹介｜彫金/ジュエリー入門

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今回は、「銀材料の取り扱い方(見分方/再生/保管)」についてご紹介します。

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1. 硬上がり(なまし〈焼鈍〉てない状態)ですと、表面を見ても、手で曲げてみても分かりずらいので、なましてみます。
2. 火に入れた場合、純銀は白っぽくなりますが、薄黒く変色したら純銀ではありません。品位が落ちる銀ほど酸化(正確には硫化)がはげしく、黒ずみます。
3. 手で曲げてみても、その柔らかさで分かります。いずれも品位のはっきりしたものと比べてみるのが、こつおさえのポイントです。

貴金属地金の最大のメリットは再生にあります。どんなクズでも再生できますので捨てないことです。かといって、なんでもかんでもいっしょくたにしては、のちに金やプラチナを扱うようになって困ります。

まず、銀の品位(性)別に分けておくとよいでしょう。また、ロウの付いているものは切り離し、別にしておきます。

再生工程で、ヤスリクズに含まれる鉄分はマグネットで簡単に取り除くことができますから、神経質になる必要はないのですが、ロウに含まれている亜鉛や、複数の金属の混じった粉塵などが入ると取り除けません。

この再生を吹き延べといいます。「吹く=熔かす」「延べ=延ばす」で吹き延べです。地金の注文ができるお店で受け付けていますが、量が少ないと設備の関係でできません。

ロールや引があれば、厚めの板や太めの線を買ってきて、自分で引いたほうが割安です。地金を薄く延ばしたり、細く引いたりするときは、まず、なまし上がりの状態にします。

なます方法は、石膏ボードや耐火レンガの上に銀地金を載せ、上からバーナーであぶります。薄赤く、赤くなればよいのです。昼間の室外や明るい室内は、地金が赤くなるのが分かりにくいので、避けたほうがよいでしょう。

次に、延ばす作業に入るわけですが、地金類は、延展加工されると硬くなるため、なまし(焼鈍)て元に戻します。これを繰り返えすわけです。

板でも線でも銀材は、次のなましまでは、元の長さの3倍(厚みで1/3)まで延ばせます。それ以上も延びますが、地金の組成密度や硬度に余裕をもたせたほうが、次の別の加工にも、良い状態になりますし、3倍も延びれば十分です。

2倍でやめてなましに入っても、差し支えありません(金の場合は少し違います。金のページでご紹介します)。

先に、明るい室内と書きましたが、昼間の室外みたいに明るい所ですと、バーナーで熱しられた地金が600°C位になっても、赤く見えないので、つい温度を上げ過ぎてしまいます。

地金の表面に0.5〜1mmくらいのぽつぽつの泡状が出たら、なまし過ぎです。なまし過ぎは、割れす火むらの原因になります。なまし作業をするときは、照明を一段落としましょう。

しばらく使わない予定となった材料は、乾燥した紙に包んで湿気の少ない所に保管するのがベストです。

注意しなければならないのは、完成直近のものです。このような物には、ゴムで巻いたり、ゴムのクッションはしないようにします。ゴムは硫黄化合物処理されていますので、温泉の硫黄と同じく銀が硫化し黒く変色します。旅行から帰ったら、さっと仕上げて、なんていかなくなりますので要注意です。

仕上げ後の銀の変色を防ぐには、銀変色防止剤に1〜2分浸すか、銀研磨剤を表面に塗布します。

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