- リアショックスプリング交換‐安全確保+精度管理が重要
- 🧭 交換の目的
- ⚙️ 必要な工具
- 🧩 交換手順(一般的なモノショックの場合)
- 🧩 ツインショック(2本サス)タイプの場合
- ⚖️ スプリング組付け方向(可変ピッチの場合)
- 🧪 交換後のチェック項目
- 🧰 交換時に同時点検すべき部品
- 📘 交換後のセッティング例
- ⚠️ 注意点
- 🧠 まとめ
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リアショックスプリング交換‐安全確保+精度管理が重要

リアショックスプリング交換は、サスペンション整備の中でも「走行フィーリングを直接変える作業」です。 正しい手順で行えば、乗り心地やコーナリング特性を新品同様に蘇らせることができます。
ここでは、一般的な二輪車(モノショック・ツインショック両対応)の
交換手順を、構造ごとに詳しく解説します。
🧭 交換の目的
| 目的 | 内容 |
|---|---|
| ① スプリングのヘタリ補正 | 長年の使用で自由長が短くなり、沈み込み過多になる。 |
| ② レート変更による乗り味調整 | ツーリング・スポーツ走行・タンデムなど用途変更対応。 |
| ③ 外観や錆の改善 | メッキ・粉体塗装スプリングへの交換でリフレッシュ。 |
| ④ リビルド整備の一環 | ダンパーオイル交換やOHと同時に実施。 |
⚙️ 必要な工具
| 種類 | 用途 |
|---|---|
| スプリングコンプレッサー | スプリングを圧縮してロックシートを外すための必須工具。 |
| ソケットレンチセット | 上下マウントナット脱着。 |
| トルクレンチ | 締め付けトルク管理。 |
| プラスチックハンマー/マイナスドライバー | ロックリング取り外し補助。 |
| メジャー・ノギス | 自由長測定・確認用。 |
| シリコングリス | スプリングシートやカラー部の潤滑。 |
💡安全のため、バイスでショックを固定して作業します。 (特にモノショックではバネが強く、無理に外すと危険)
🧩 交換手順(一般的なモノショックの場合)
| 手順 | 作業内容 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 車体をジャッキアップ | 後輪を完全に浮かせる | センスタンド+フレーム下サポートで安定確保 |
| ② ショックアブソーバーを車体から外す | 上下マウントボルトを外す | 必ず車体が安定していることを確認 |
| ③ スプリングコンプレッサーを装着 | バネを圧縮してプリロードを解除 | 均等に締める(片側だけ圧縮はNG) |
| ④ ロックシート(スナップリング)を外す | スプリングを固定しているリングを取り外す | 指や顔に向けない(バネ圧で飛ぶ危険) |
| ⑤ スプリングを取り外す | ゆっくり緩めながら分離 | ダンパーロッドなどに傷を付けない |
| ⑥ 新しいスプリングを装着 | 向きを確認(可変ピッチの場合は狭ピッチを上) | シート部に軽くグリス塗布 |
| ⑦ ロックシートを戻す | 確実に溝に嵌める | 嵌合不良=走行中脱落の危険あり |
| ⑧ スプリングコンプレッサーを解除 | ゆっくり緩めて全荷重をかける | 歪みや異音がないか確認 |
| ⑨ 車体へ再装着 | 規定トルクで締付け | アーム側→フレーム側の順が一般的 |
🧩 ツインショック(2本サス)タイプの場合
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 左右の高さを揃える | セッティング左右差は走行安定性に直結。 |
| 片側ずつ交換可 | ただし、できれば両側同時にリフレッシュするのが理想。 |
| 取付角度確認 | ボルト挿入方向を車体側と揃える。 |
⚖️ スプリング組付け方向(可変ピッチの場合)
| 向き | 効果 | 備考 |
|---|---|---|
| 狭いピッチを上(一般的) | 初期作動が柔らかく、末期で踏ん張る | 大半の純正・社外サスはこの方向 |
| 狭いピッチを下 | 初期から硬め。競技用途や低重心化狙い | オフロード・ドラッグ車などで例外あり |
🧪 交換後のチェック項目
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 自由長測定 | 取付前後で指定値内(±2mm)にあるか確認 |
| プリロード調整 | 車体姿勢とライダー体重に合わせて調整 |
| サグ値測定 | ライダー乗車時の沈み量が規定値(約30〜35mm)であるか |
| 異音・バネ座り確認 | 走行前に「カチッ」「ギシギシ」音がないか確認 |
🧰 交換時に同時点検すべき部品
| 部品 | 理由 |
|---|---|
| ダンパーロッド/シール部 | オイル漏れ・サビ・曲がりがないか |
| アッパー/ロアブッシュ | 摩耗すると異音・ガタ発生 |
| プリロードアジャスター | 固着・ねじ山破損に注意 |
| リンクベアリング(モノショック) | グリス切れ・異音の原因になりやすい |
📘 交換後のセッティング例
| 用途 | プリロード | 減衰(標準比) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 街乗り・ツーリング | 標準〜1段緩め | 伸び側−1クリック | 乗り心地優先 |
| スポーツ走行 | 標準〜1段締め | 伸び側+1〜2クリック | ダイブ抑制・安定性UP |
| タンデム走行 | +2段締め | 標準 | 荷重対応・姿勢維持 |
| ワインディング | +1段締め | +1クリック | フロントとのバランスを取る |
⚠️ 注意点
→ 専用スプリングコンプレッサー必須。
・プリロードアジャスターの位置を記録しておく。
→ 再組付け後に再現しやすい。
・再使用不可のロックナットは新品に交換。
🧠 まとめ
・向き・自由長・プリロードを正確に設定し、必ずサグを測定。
・丁寧に組むほど、乗り心地と車体安定性が格段に向上します。
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