- サスペンションのカートリッジ化(Cartridge Type Fork)‐減衰をオイル流量で精密制御する構造
- 🧭 カートリッジ化の歴史
- ⚙️ カートリッジ構造の仕組み
- 🧩 ダンパーロッド式との比較
- 🏁 カートリッジ化がもたらした効果
- 🔩 派生技術 ビッグピストンフォーク(BPF)
- 🧠 セッティング技術の変化
- 📜 カートリッジフォーク採用の代表車
- ⚙️ 現代 電子制御カートリッジの時代へ
- 🧩 まとめ
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サスペンションのカートリッジ化(Cartridge Type Fork)‐減衰をオイル流量で精密制御する構造

サスペンションのカートリッジ化(Cartridge Type Fork)とは、フロントフォーク内部の減衰機構を「密閉カートリッジ(封入式油圧ユニット)」として構成する方式で、1980年代後半から本格的に普及しました。
🧭 カートリッジ化の歴史
| 時代 | 構造形式 | 技術的特徴 | 代表車種/フォークメーカー |
|---|---|---|---|
| 〜1970年代 | ダンパーロッド式(Damper Rod Type) | オイル穴の抵抗のみで減衰を発生。調整不可。 | CB750K/Z1/BMW R100 |
| 1980年代前半 | 改良ダンパーロッド式 | オリフィス径やスプリングで減衰を調整。依然として非カートリッジ。 | CBX750F/GSX750E |
| 1986〜1988年 | カートリッジフォーク初登場 | 封入式ピストン+シム制御。伸・圧分離式。 | Honda RC30/Yamaha FZR750R/Suzuki GSX-R750 |
| 1990年代 | カートリッジ標準化 | SHOWA/KYB/OHLINSが量産対応。 | CBR900RR/ZXR750/CB400SF |
| 2000年代 | ビッグピストンフォーク(BPF)へ進化 | 減衰バルブ面積を拡大し、応答性向上。 | GSX-R1000/CBR600RR |
| 2010年代以降 | セミカートリッジ/電子制御対応 | 内部モーターでバルブ開度を制御。 | YZF-R1/Ducati Panigale/Africa Twin |
| 現代(2020〜2025) | セミアクティブ電子制御(EERA/DES等) | 路面入力に応じて自動制御。油圧回路は完全カートリッジ化。 | BMW S1000RR/Honda GoldWing/Yamaha Tracer9GT+ |
⚙️ カートリッジ構造の仕組み
| 要素 | 役割 |
|---|---|
| メインピストン | オイルを上下に分け、シム(薄板バルブ)で流量を制御。 |
| シムスタック(バルブ板) | オイル圧に応じてしなり、微妙な減衰特性を作る。 |
| リバウンドバルブ(伸び側) | 路面からの戻りスピードを制御。 |
| コンプレッションバルブ(縮み側) | ブレーキング時の沈み込みを制御。 |
| カートリッジチューブ | 減衰機構を密閉し、オイル気泡や熱影響を防ぐ。 |
💡 これにより、減衰特性が「速度依存型(Speed Sensitive)」になり、低速域と高速域の挙動を分けて制御できるようになりました。
🧩 ダンパーロッド式との比較
| 項目 | ダンパーロッド式 | カートリッジ式 |
|---|---|---|
| 減衰発生方式 | 穴(オリフィス)抵抗 | シムバルブによる流量制御 |
| 減衰の精度 | 速度に比例(粗い) | 油圧変化に比例(精密) |
| 調整機能 | なし(非調整) | 伸び・縮み別調整可 |
| フォーク作動性 | 低速時に硬くなる | 低速スムーズ、高速で安定 |
| 走行性能 | 乗り心地重視 | サーキット・スポーツ対応 |
| コスト | 低コスト | 高価・精密構造 |
🏁 カートリッジ化がもたらした効果
| 改善点 | 内容 |
|---|---|
| ① 減衰力のリニア化 | シム弁構造により速度ごとの減衰制御が可能に。 |
| ② 路面追従性の向上 | 小さな入力にも滑らかに反応。接地感が向上。 |
| ③ 安定したブレーキング姿勢 | オイル流量制御で沈み込み速度を最適化。 |
| ④ 発熱・気泡の抑制 | カートリッジ内の密閉構造でキャビテーション減少。 |
| ⑤ 調整可能構造 | 外部アジャスター(COMP/REB)で細かく調整可能。 |
🔩 派生技術 ビッグピストンフォーク(BPF)
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 大径ピストン採用(φ37〜φ40) | ピストン面積を拡大し、油圧変化を緩やかに。 |
| 低圧作動でフリクション低減 | 小さな入力にもしなやかに反応。 |
| SHOWAが2005年開発 | 初採用:GSX-R1000 K9(2009年モデル)。 |
| その後の派生 | SHOWA SFF-BP、KYB BPF、Öhlins NIXなどへ発展。 |
🧠 セッティング技術の変化
| 時代 | 調整方式 | 備考 |
|---|---|---|
| 1970年代 | なし | オイル番手のみで調整 |
| 1980年代 | 減衰共通調整 | 1系統バルブ制御 |
| 1990年代 | 伸・縮独立調整(COMP/REB) | カートリッジ化の恩恵 |
| 2000年代 | BPF+分離式ダンパー | 減衰を左右で分担 |
| 2010年代 | 電子制御減衰(EERA/DES) | モーター駆動バルブで自動調整 |
📜 カートリッジフォーク採用の代表車
| 年 | 車種 | 採用フォーク | 備考 |
|---|---|---|---|
| 1987 | Honda RVF750(RC30) | SHOWA Cartridge | レーサー由来構造 |
| 1988 | Yamaha FZR750R | KYB Cartridge | 高速安定性を重視 |
| 1989 | Kawasaki ZXR750 | SHOWA Cartridge | スポーツ車の標準構造に |
| 1991 | Suzuki GSX-R750 | KYB Cartridge | スーパースポーツ標準化 |
| 2009 | Suzuki GSX-R1000 K9 | SHOWA BPF | 大径化・フリクション低減 |
| 2015〜 | Honda CBR1000RR SP | Öhlins NIX Cartridge | 高精度電子制御対応 |
| 2020〜 | Ducati Panigale V4 S | Öhlins Smart EC 2.0 | 完全電子制御化 |
⚙️ 現代 電子制御カートリッジの時代へ
近年では、フォーク内部にステッピングモーターと電磁バルブを内蔵し、 走行状況に応じて自動で減衰を変化させる「セミアクティブ制御」が主流です。
| システム名 | メーカー | 採用例 |
|---|---|---|
| SHOWA EERA™ | Honda系 | Africa Twin、CB1000R SP |
| Öhlins Smart EC 2.0 | Ducati/Yamaha | Panigale V4、R1M |
| Marzocchi Skyhook | BMW | R1250GS、S1000XR |
これらも構造的には「カートリッジフォーク」であり、 油圧経路の制御を電子的に可変化したものです。
🧩 まとめ
・カートリッジ化とは、「減衰をオイル流量で精密制御する構造」への進化。
・1980年代後半のレース技術が量産車に普及し、現代では電子制御化へ。
・路面追従性・安定性・セッティング自由度が大幅に向上。
・現在では、全ての高性能フォークの基本構造が“カートリッジ型”である。
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