セガの本格3DCG・対戦格闘ゲーム・バーチャファイター2の誕生物語


今回は前回の続き、シリーズ最終回『セガ』の本格『3DCG・対戦格闘ゲーム』『バーチャファイター2』の誕生をご紹介します。
格闘技ブーム到来、ストリートファイター2の登場

『GEアエロスペース社』との共同開発により、
『3DCG機能搭載』の『モデル2(MODEL2)』の開発は順調に進み
『バーチャファイター』では、実現できなかった『テクスチャ』という『画像』を『3Dの立体物』に貼り付ける
『テクスチャマッピング機能』の実現も見えてきた、
後は、1992年に発表した『バーチャファイター』を更にリアルに仕上げる必要があったんだ。
1991年に『カプコン』からリリースされた『対戦格闘ゲーム』
『ストリートファイター2』が、大きなムーブメントを巻き起こしたんだ。
『ストリートファイター2』を超えろ、セガの挑戦

『セガ』にとっては、『ストリートファイター2』を超える『対戦格闘ゲーム』を開発することが命題になっていたんだ。
1993年には『小口久雄』さんが部長を務める『AM3研』が,
当時最新鋭の『SYSTEM32基板』を使った『ダークエッジ』(DARK EDGE)をリリースするも,劣勢を覆せない。
『ダークエッジ』(DARK EDGE)は、『2Dグラフィックス』で『3D空間』を表現するという、いわば『疑似3D』の対戦格闘ゲームだった。

『AM3研』は、
『ストリートファイターII』が『X軸』と『Y軸』、
つまり『二次元』のゲームだったゲームに『ダークエッジ(DARK EDGE)』では、『Z軸』追加して、奥行きのある『対戦格闘ゲーム』を目指したんだ。
この技術自体は他社に真似できない高度なものだったけれど、
『ユーザー』にはあまり受け入れられなかったんだ。
リアリティのある『3DCG』を駆使した『対戦格闘ゲーム』を目指して

そこで、AM2研の『鈴木裕』さんは、『ストリートファイター2』とは方向性がちがう
リアリティのある『3DCG』を駆使した『対戦格闘ゲーム』を目指したんだ。
『セガ・AM2研』『バーチャファイター2』会議

鈴木裕さん

うーん、いまいちだなー。
いくら作っても動きが良くならないなー。
『パンチ』が当たっただけで相手が必要以上に飛ぶ表現も、動きの一つ一つに重みが感じられないなー。
『AM2研』で作る『格闘ゲーム』は、『物理計算』をしっかしして『リアリティ』が高いものにしたいんだよ。
たくさんの『モーション』をいれるよりも、『クオリティ』の高い1発の『パンチ』や『キック』を『シチュエーション別』に『プログラム制御』した方が
ゲームとしての付加価値も上がるし、気持ちよいものになるはずなんだ。

わかりましたー
リアリティを求めて、開発チーム『拳法』の稽古

ところが、それでも開発中のバーチャファイター2のキャラクターの動きが、よくならなかったんだ。
そこで鈴木裕さんは、一計を案じ再度、開発チームの会議を開いたんだ。
『セガ・AM2研』『バーチャファイター2』再会議

鈴木裕さん

やはり『キャラクター』の表現がいまいちだし、動きもよくならない、これではどうしようもない
そこで色々と考えたんだが
どうもみんなが格闘技をやってないせいではないかと・・・

・・・・

ということで『バーチャ』の開発者は全員、今日から『拳法の稽古』を始める
実際の『格闘技』の動きを身体にたたき込んで
『拳法』を体得したもののみ『コンピュータ』を触ることができることにする。

えー

ということで、『バーチャファイター2』の開発チームは全員
『拳法』の稽古をすることになったんだ。

ひえー
『鈴木裕』さんの『リアリティ』へのごだわり

『鈴木裕』さんは、『リアリティ』を求めるために、『開発チーム』に本物を体験してもらうことは、以前からしていたんだ。
1986年に発表された『アウトラン』の開発では、
『ヨーロッパ』で約2週間の『ロケハン』を行い、『ドイツ・フランクフルト』を出発して、『ロマンティック街道』を通り、『アルプス山脈』を越え
イタリア・ローマに到着するまでの行程を『BMW』で走行して
ルーフに取り付けたカメラで撮影までしていたんだ。

すごい
『ストリートファイター2』開発チーム『拳法』の稽古中

鈴木裕さん

お前、俺にパンチを打ってみろ

あ、はい パンチー

なんだその『猫パンチ』はー
そんな『パンチ』では『リアル』なパンチが表現できるかー
修行し直しー。

はいー

あのー裕さん

なんだ

『ストリートファイター2』が技が何十個もあるんですよー
そうでないと格闘ゲームにはなりませんよ。

『AM2研』の『バーチャファイター2』は、一発入魂だー
これからは一つの良い『パンチ』、良い『キック』が出るまで
他のモーションを作ることは禁止するー。

ひえー

そして、拳法の稽古も取り入れ、『モデリング』や『動き』を徹底的に作り直しいくうちに、『動き』に『リアリティ』が出始めたんだ。
鈴木裕、『リアリティ』を目指して『格闘技』の研究

『鈴木裕』さんが、ハングオン、アフターバナー、アウトランなど、数々の大ヒットゲームを生み出していた背景には、
『鈴木裕』さんのリアリティに対する徹底した研究心があったんだ。
そして、バーチャファイター2でも
『格闘技』の『リアリティ』を目指してさまざまな資料を読み漁り
大量の『格闘系』の映画を見まくったんだ。
ただ『映画』は『鑑賞』するのではなく『分析』をしていたんだ。

『分析』?

そう『鈴木裕』さんは、『格闘映画』の『パンチ』や『キック』の動きを1コマ1コマ計測することから始めたんだ。
そこで、面白い映画の緊張感溢れる『格闘シーン』は、特別な仕掛けを使わなくても、『カメラワーク』と効果的な『演出』で、
充分迫力あるシーンが構成できるということに気付いたんだ。
そこで『鈴木裕』さんは、映画的な『手法』を使って『リアリティ』を追求すれば、もっと良いゲームできると確信したんだよ。
『バーチャファイター2』の登場

そして『キャラクター』のバランス調整が終了し、
『バーチャファイター2』は、1994年12月に発売されるんだ。

おー、バーチャファイター2誕生

『バーチャファイター2』は、
世界初の3D格闘ゲームであり、『格闘ゲーム』の火付け役となった『カプコン』の『ストリートファイター2』と双璧をなすほどの大ヒットとなり、
その後スリーズ化され、1990年代の『対戦格闘ゲーム』の金字塔として『ゲームの歴史』に刻まれることとなるんだ。

今回はここまで

ご視聴ありがとうございました。
『バーチャファイター2』の誕生物語シリーズ




