第9回『ハドソン』 『資金』集め大作戦(その2) – 『ハドソン』の『ファミコン』参入物語
今回は、
『ハドソン』『資金』集め大作戦(その2) – 『ハドソン』の『ファミコン』参入物語 をご紹介します。
『ファミコン』のROM製造費用の工面のため、
数億円の現金が必要になってしまった『ハドソン』
頼みの綱である『銀行』からは担保不足から一時『追加融資』を断られてしまう、
しかし『銀行』から
売上見込が証明できる『受注明細』があれば
『追加融資』かもしれないという、条件を引き出すことに成功。
『ハドソン』は『社運を賭け』
『ファミコゲーム』の受注活動に奔走することになる。
『ハドソン』は、無事『追加融資』を獲得することができるのか・・・
『追加融資』をどうしよう
その後、『ハドソン』社内では、『追加融資』についての打ち合わせが行われたんだ。
『ハドソン』の社内会議
ということなんだ
社長ー
あのー
どうゆうことなのか、もう一度説明してもらえますか?
そうだな、要するに
ゲームが完成したら、社内で手の空いている人材を集めてもらって、
問屋さんからゲームの注文をとってきてほしいんだよ。
問屋さんに注文をとりにいくってことですか?
そうだよ
開発チームには、3月までにゲームを完成させてもらう予定だから
完成したらすぐに、みんなで問屋さんへの営業活動をしてもらいたいんだ。
夏休みは、ゲームが売れる刈入れ時になるからな、
今年の夏休み前には、ゲームを店頭に並べられるようにしたいんだよ。
そうすると
5月から『任天堂』さんに『ROM製造』を開始してもらえれば、
7月には発売できるんだ
それに、4月半ばまでに『注文書』が集まれば、
それを担保に『銀行』さんから『追加融資』をしてもらう目処がつくんだ。
そうすれば、5月には『任天堂』さんに『製造費用』の『資金』を支払うことができるんだ。
そうですか
わかりました、それじゃゲームが完成次第、営業を開始します。
よろしく頼むよ
『ハドソン』の『玩具屋』まわり大作戦
『ハドソン』は会社の存続を賭けた『ファミコン』参入のため
開発チームは、1月からゲーム制作を開始して、3月半ばまでの完成を目指していたんだ。
そして、ゲームが完成したらすぐに
『任天堂』から紹介してもらった問屋さんへの、営業周りをすることになったんだよ。
100年の歴史を誇る『任天堂』は、長年取引関係にある
おもちゃ屋の流通ネットワークを持っていたんだ
そして『任天堂』には『初心会』という問屋グループのネットワークがあり
『ハドソン』は『任天堂』からの紹介で、全国の『初心会』に出向き、『ゲームソフト』を売り込んでいったんだよ。
しかし『任天堂』以外の会社が『ファミリーコンピューター』の『ゲームソフト』を発売するということは、初めてのこと
まして、当時の『ハドソン』にとっては、なれないおもちゃ業界での営業活動となり
問屋さんを説得して、受注活動を行うということは苦労の連続だったんだ。
玩具業界では、『新参者』だものね
『ハドソン』にとって、『ファミコン』の参入は、会社の存続にかかわること
なれない営業まわりでも、必死に受注活動を行なったんだよ。
まさに『四面楚歌』の営業活動だね。
『ハドソン』最後の融資交渉
そして、同年4月
『ハドソン』は苦労して集めてきた『注文書』を持参して、融資先の『銀行』を訪問したんだ。
『ハドソン』と『銀行』の融資担当
H『銀行』さん、今回お伺いさせて頂きましたのは、
以前ご相談させていただきました、例の『追加融資』の件なんです。
そうですか、ということは担保のめどが付いたということですね
はい、『任天堂』さんからの紹介で、問屋さんを紹介させて頂きましたので
なれない営業活動でしたが、なんとか受注活動をすることができました。
そうですか、さぞご苦労したでしょう
いえいえ
『家庭用ゲーム市場』に参入できれば、弊社は大きく成長できると確信していますから
営業の苦労も報われます。
そうですか
これが、弊社が問屋から受注いたしました『注文書』の原本になります。
『追加融資』頂ける分の受注金額を頂くことができました。
では、拝見させて頂きます。
はい、どうぞご確認ください。
・・・
確かに『追加融資』に見合う注文金額を確認することができました。
それで、『追加融資』の件は、考慮させて頂けますでしょうか
そうですね、先物受注での担保は異例なことではありますが
・・・
私が責任を持って『追加融資』の手続きを進めさせて頂きます。
ありがとうございます。
こうして『ハドソン』は『銀行』から『任天堂』への支払い費用をなんとか工面することができたんだ。
『資金』繰りって大変だね
そして、5月のはじめに
『任天堂』への支払い手続きを、無事完了させることが出来たんだ。
7月の『ゲームソフト』の発売を楽しみに待つことになるんだ。
苦労したかいがあったね
今回は、ここまで
次回は、『ハドソン』の経営陣が『資金』集めに奔走している間
開発チームは『ファミコン』のゲーム制作に取り掛かっていた。
そして『ハドソン』が企画したゲームは
『ロードランナー』と『ナッツ&ミルク』
おー、『ロードランナー』と『ナッツ&ミルク』
しかし、パソコンゲームとちがう『ファミコン』のゲーム制作に
開発チームは、悪戦苦闘することになるんだ。
ご閲覧ありがとうございました。