第11回『ロードランナー』と『ナッツ&ミルク』の発売『ファミコン』初のサードパーティの誕生(その2)
今回は
『ロードランナー』と『ナッツ&ミルク』の発売『ファミコン』初のサードパーティの誕生(その2)
をご紹介します。
なぜ『ハドソン』の『ロードランナー』は『アクションゲーム』になったの?
『ブローダーバンド社』との『ライセンス』契約も無事に完了し
『東京』の『開発チーム』は、早速『ロードランナー』の企画に取り掛かる。
『中本』さん『ブローダーバンド社』から『ロードランナー』の『ソースコード』が届きましたよ。
おー、はやいな
送られてきた『ソースコード』は『コモドール64』のものだそうです。
おー、『コモドール』なら『ファミコン』のCPUと同じだから
ゲームの『移植』もはやく出来るかもしれないな。
・・・
どれどれ、ちょっとプレイしてみようか
いいですね
ピコピコピコ
ピコピコピコ
ピコピコピコ
さすが、『ロードランナー』面白いですね。
うん、このゲームなら『ファミコン』でもヒットするんじゃないかな
そうですね、でも『オリジナル』の『ロードランナー』は『キャラクター』が小さ過ぎるかもしれませんね。
『キャラクター』が小さい?
はい『ファミコン』で遊ぶのは子供たちですから、
もう少し『キャラクター』を大きくしたほうがいいかもしれません。
なるほど、確かにもともと『ロードランナー』は『AppleII』で発売された大人向けの『パズルゲーム』だからな。
もう少し子供たちが遊びやすいように、変更したほうがいいかもしれませんね。
そうだな、
しかし『ロードランナー』の特徴である、
『1画面で戦術を考えながら、画面クリアーを目指す』
というゲーム性を失うかもしれないな。
そうですね
でも『ファミコン』で遊ぶのは子どもたちですから
子どもたちに受け入れやすい、ゲームにしたほうがいいかもしれませんよ。
例えば、
もう少し『キャラクター』を大きく可愛くして、
アクション性を高めたゲームにしてはどうですかね?
なるほど、それはいい『アイディア』かもしれないな
そうなると
・・・
キャラを大きくすると、1画面では入らなくなってしまうぞ
あ、そうですね。
そうなると『横スクロールゲーム』に大きく変わってしまいますね。
そうなんだよ
でも、そのほうが『アクション性』が増して、面白いゲームになるかもしれません。
確かに『ファミコン』で遊ぶのなら、
画面がスクロールできる『アクションゲーム』のほうがいいかもしれないな。
そうしましょうよ
『ハドソン』の『ロードランナー』は『アクションパズルゲーム』にしましょうよ。
こうして『ファミコン』版の『ロードランナー』は、
『オリジナル』の1画面の戦術パズルゲームから、
画面がスクロールする『アクションパズルゲーム』へと生まれ変わったんだ。
『ハドソン』版の『ロードランナー』も面白いよね
『ロードランナー』の移植開始・・
『ロードランナー』の方向性も決まり
次は『ソースコード』の『移植』がはじまったんだ。
『ロードランナー』開発の打ち合わせ
それじゃ『ロードランナー』の仕様も決まりましたし
いよいよ『開発フェーズ』ですね。
『中本』さん『ロードランナー』の『ソースコード』の『移植』作業はどうですか
それがだな
・・・
『オリジナル』の『ロードランナー』の『ソースコード』は
『コモドール64』の『コード』なんだよ
そうですね
『ファミコン』と同じCPU『6502』の『ソースコード』ですから
『移植』はしやすいはずなんですけど
まあ、そうなんだけど
『コモドール64』の『コード』はすごくきれいで、読みやすいんだけどね
それなら、『移植』はしやすいんじゃないんですか
『コード』はいいんだけど
問題は『コード』の『容量』なんだよ
『コード』の『容量』ですか?
そう『オリジナル』の『ロードランナー』の『コード』の『容量』は『48キロバイト』もあるんだよ
『48キロバイト』ですか
ところが『ファミコン』ROMの『容量』は『16キロバイト』しかないんだよ。
『16キロバイト』?
そう、『プログラム』などに『16キロバイト』、
そして『キャラクター』の『容量』が『8キロバイト』しかないんだよ。
『16キロバイト』の『容量』しかないということは、
プログラムの『圧縮』が相当必要ってことですね
・・・
そうなんだ『オリジナル』の『ソースコード』は、『容量』に余裕のある『パソコンゲーム』
これを『ファミコン』に『移植』するとなると、相当な『圧縮』が必要になるんだ
ひえー
『中本』さん、どうしましょう
・・・
こうなったら『オリジナル』の『ロジックコード』だけを残して
残りはすべて書き直すしかないな
ひえー
この『ゲーム開発』は、如何に『コード』を少なくして『容量』を抑えるかの
『圧縮』との戦いになるな
『中本』さん頑張って下さい
『ロードランナー』の成功は『中本』さんにかかってますよ
・・・
うーむ
これは『圧縮』地獄の『ゲーム開発』になるな
ということで
『ロードランナー』の『ソースコード』の入手はできたんだけど
その『コード』を『ファミコン』用に修正して、流し込むだけ
というわけにはいかなかったんだよ
『ファミコン』の『ゲーム開発』って、大変そうだね
そう『オリジナル』の『ロードランナー』は、『容量』に余力のある『パソコン』の『ゲームソフト』。
しかし『家庭用ゲーム機』の『ファミコン』は、ROMの『容量』がとても小さかった。
当時の『ファミコン』のROM『容量』は
『プログラム』に利用できるのが『16キロバイト』
『キャラクター』などに『8キロバイト』しか利用できなかったんだよ。
『16キロバイト』しかないんだね
『フロッピーディスク』でも『1.4メガバイト』だから『1400キロバイト』もあるのに
『ファミコン』時代の『ゲーム開発』は
少ない『容量』の中で如何に面白いゲームを作れるかの
『キロバイト単位』の『容量』との戦いでもあったんだよ。
その後、
ROMの半導体の進化もあり『32キロバイト』『64』『128』『1メガバイト』と『容量』が大きくなっていき
『ゲーム開発』は、少しずつ楽にはなってゆくんだけどね。
ここから『中本』さんの『プログラム『圧縮』』の戦いが始まるんだ。
少ない『コード』で、
効率よくプログラムを走らせることができれば、
『ファミコン』の『16キロバイト』というROM『容量』に収納することができる。
ゲームがスムーズに動きながらも『バグ』のない短い『コード』を書くということは
簡単なことではなかったんだ。
プログラマー『中本』さんの、
1バイト単位での、『圧縮』作業がはじまる。
『ロードランナー』の開発は
90パーセントくらいが『圧縮』との戦いに費やされることになるんだ。
『ファミコン』黎明期の『ゲーム開発』って、大変だったんだね。
そして、『中本』さんの努力の甲斐もあり『ロードランナー』は期日に完成を迎えることができたんだ。
燃え尽きた、『中本』さん
『札幌』チームの『ナッツ&ミルク』も完成し、
こうして、ついに史上初の『サードパーティー』である
『ハドソン』の『ファミコンゲーム』が発売されることになるんだ。
『ハドソン』、『ナッツ&ミルク』と『ロードランナー』の発売
1984年7月『ナッツ&ミルク』と『ロードランナー』が発売されるんだ。
そして『ロードランナー』は、100万本以上を販売する大ヒット商品となり
ここから『家庭用ゲーム市場』での『ハドソン』の躍進が始まるんだ。
1985年には
『バンゲリングベイ』『チャンピオンシップロードランナー』『スターフォース』『プーヤン』『チャレンジャー』『ボンバーマン』などを発売。
その後も『スターソルジャー』や『迷宮組曲』などを発売し
1985年には『NEC』と共同開発した『家庭用ゲーム機』『PCエンジン』を発売するんだ。
おー、PCエンジン
『ハドソン』は、会社の存続をかけた『家庭用ゲーム市場』への参入によって
1980年代に『全盛期』を迎えることになるんだ。
今回は、ここまで
次回は、 おすすめ動画『ファミコン』初のサードパーティの誕生 – 『ハドソン』の『ファミコン』参入物語 をご紹介します。
ご閲覧ありがとうございました。