第1回『ゼビウス』『ディグダグ』サウンドの生みの親『慶野由利子』-ナムコの波形メモリ音源
今回は、
『ゼビウス』『ディグダグ』サウンドの生みの親『慶野由利子』-『ナムコサウンド』の魅力 ご紹介します。
前回のページで紹介した、
『慶野由利子』さんは、
『大野木宣幸』と共に1980年代はじめに、ゲーム業界をリードした
『ナムコ』のゲームサウンドを作り出した人だね。
そうだね。
今回は、『慶野由利子』さんが体験した、
1980年代はじめの『ナムコ』のゲーム音楽制作について ご紹介してゆきます。
『慶野由利子』ゲーム作曲作品について
はじめに『慶野由利子』が作曲したゲーム作品についてご紹介します。
『慶野由利子』さんの『ナムコ』時代の代表作は「ゼビウス」や「ディグダグ」「ドラゴンバスター」などがあります。
『慶野由利子』さんの1980年~1985年までの作曲作品を一覧にしてみました。
『慶野由利子』作曲作品(1980年~1985年)
発表年 | ゲームタイトル | ゲーム機 |
1982年 | ディグダグ(デビュー作) | アーケードゲーム |
スーパーパックマン | ||
ポールポジション (1位ネームレジスト曲のみ) |
||
1983年 | ゼビウス | |
パック&パル | ||
フォゾン | ||
1984年 | グロブダー | |
1985年 | ドラゴンバスター | |
ディグダグ2(小沢純子と共作) | ||
ワープマン (大野木宣幸・小沢純子と共作) |
ファミコン | |
バラデューク(開発途中で退職) | アーケードゲーム |
『ナムコ』の1980年はじめのゲームサウンド制作って?
『ナムコ』の1980年はじめのゲームサウンド制作って?
まだよくわからいことが多いんだよね。
よくわからいこと?
そう、
1980年代はじめの『ナムコサウンド』は、
『慶野由利子』さんと『大野木宣幸』が中心になって作曲しているんだけど
『慶野由利子』さんと『大野木宣幸』さんが手掛けた
ゲームタイトルを一覧に整理するとこんな感じなんだ。
『ナムコ』タイトル別作曲作品(1980年~1985年)
年 | ゲーム作品 | 作曲者 |
1980年 | ラリーX | 大野木宣幸 |
1981年 | ギャラガ | |
ニューラリーX | ||
ボスコニアン | ||
ワープ&ワープ | ||
1982年 | スーパーパックマン | 慶野由利子 |
ディグダグ | ||
ポールポジション | 大野木宣幸 慶野由利子 (1位ネームレジスト曲のみ) |
|
1983年 | ゼビウス | 慶野由利子 |
パック&パル | ||
フォゾン | ||
ポールポジションII | 大野木宣幸 | |
マッピー | ||
リブルラブル | ||
1984年 | ギャプラス | 慶野由利子 |
グロブダー | ||
ドルアーガの塔 | 小沢純子 | |
パックランド | 慶野由利子 | |
1985年 | スカイキッド | 小沢純子 |
ディグダグII | 慶野由利子・小沢純子 | |
ドラゴンバスター | 慶野由利子 | |
バラデューク | 慶野由利子(開発途中で退職) | |
FC版バトルシティー | 大野木宣幸 | |
メトロクロス |
こうして見ると、
『大野木宣幸』さんが、
1980年に『ラリーX』ではじめて、ゲーム作曲を手掛けられて
1982年からの『ディグダグ』で『慶野由利子』さんが参加し始めているね。
1984年から『小沢純子』さんが登場するよ。
そう、
1980年末頃から『大野木宣幸』が活躍し始めて
1982年から『慶野由利子』が登場。
そして1984年に『小沢純子』が登場するのが
『ナムコサウンド』の大きな流れだね。
よくわからないのは、どのような『音源』を利用していたか? なんだ。
1980年代の音源とは?
どのような音源?
確か『音源専用チップ』の『PSG』が主流の時代に
『ナムコ』は『波形メモリ音源』を採用して、
独自のサウンドを生み出したとか?
そうだね、当時、家庭用ゲーム機などで大量に出回っていた
『音源専用チップ』の『PSG』を採用しないで、
『ナムコ』は、更に音を追求できる『波形メモリ音源』を採用したんだ。
『ゲーム音源』の系譜
ここでここで少し
1980年代の『ゲーム音源』について、整理してみよう。
わかりやすく、3つに分けてみるね。
1)1980年代はじめの『PSG』・『波形メモリ音源』の時代
2)1980年代末『FM音源』の時代
3)1990年代『PCM音源』の時代
『FM音源』『PCM音源』?
2)『FM音源』は、
1985年くらいからゲーム機で採用しはじめた
ヤマハが開発した音源で、
『シンセサイザー』で名機『DX7』が有名なんだ。
世界中で売れた家庭用ゲーム機『セガ・メガドライブ』の登場で一気に普及した音源なんだ。
3)『PCM音源』は、
音楽『CD』のような生音に近い音が楽しめるようになる音源だよ。
1990年代に、家庭用ゲーム機の『スーパーファミコン』『プレイステーション』に採用されたことで、ゲーム業界に一気に普及するんだ。
ということは、なつかしい『ピコピコ音』は、
1)『PSG』・『波形メモリ音源』の時代の音ってことかな。
そうだね。
いろいろな『ピコピコ』音
この懐かしい『ピコピコ音』を色々な種類があったんだよ。
『PSG』と『波形メモリ音源』じゃないの?
大きく分けると『PSG』と『波形メモリ音源』の2つなんだけど。
もう少し、細かく分けると
『PSG』は、
1)多くの家庭用ゲームで採用された汎用品『PSG』
※セガSC-1000 などが採用しています。
2)『ファミコン』で採用されたリコー製のPSGカスタム『RP2A03』
が、あるんだ。
『波形メモリ音源』はというと
1)『ナムコ』の『波形メモリ音源』
2)『コナミ』の『波形メモリ音源』
3)NECの家庭用ゲーム機『PCエンジン』に採用された『波形メモリ音源』
などがあるんだ。
1980年はじめ(1980~1985)の懐かしい『ピコピコ』音とは
この懐かしい『ピコピコ音』を一覧にするとこんな感じかなー。
1980年はじめの『ピコピコ音』(1980~1985)
※『PCエンジン』は1987年発売なので省略してます。
音源 | ゲーム機 | |
PSG音源 | セガ『SC-1000』など | SN76489 など |
任天堂『ファミコン』 | PSGカスタム『RP2A03』 | |
波形メモリ音源 | 『ナムコ』のアーケードゲーム | ナムコカスタム音源 |
『コナミ』のアーケードゲーム | コナミカスタム音源 |
こうして見ると、
懐かしい1980年代はじめの『ピコピコ音』って
大きく分けると
1)家庭用ゲームの『ファミコン』のPSG系と
2)アーケードゲームの『ナムコ』『コナミ』の『波形メモリ音源』系
ってことかなー。
そうだね。
ここで、ひとつの疑問があるんだよ。
疑問?
いろいろある『ナムコ』の『波形メモリ音源』
そう、『ナムコ』の『波形メモリ音源』には
1)まだチップ化されていない『波形メモリ音源』と
2)チップ化した『C15』
3)それをさらに拡張させた『C30』っていう『音源』があるんだ
1)チップ化してない音源と
2)チップ化した『C15』と
3)拡張した『C30』?
特に『ディグダグ』や『ゼビウス』の頃がよくわからないんだ
『ナムコ』の『波形メモリ音源』の謎
よく、ある説を2パターン紹介するよ。
まず1パターン目は、
2)チップ化した『C15』を『パックマン』から『ゼビウス』まで採用されていて
3)『マッピー』『ドルアーガの塔』の頃は『C30』が採用された説
あれ、1)チップ化してない音源がない
2パターン目は、
1)チップ化してない『音源』は『パックマン』から『ゼビウス』まで採用されていて
2)チップ化した『C15』は、『マッピー』『ドルアーガの塔』で採用され
3)『ドラゴンバスター』の頃は『C30』が採用された説
これを表にするとこんな感じ。
年 | ゲームタイトル | パターン1説 | パターン2節 |
1980~1983年頃 | パックマン ギャラガ ディグダグ ゼビウス |
C15 | チップ化してない 『波形メモリ音源』 |
1984年頃 | マッピー ドルアーガの塔 |
C15 チップ化した | |
1985年頃 | ドラゴンバスター | C30 | C30 |
よくネットに流れる情報は、パターン1説が多いんだ。
それじゃ、
『ディグダグ』『ゼビウス』は『波形メモリ音源』の『C15』を搭載しているってこと?
そうなるんだ。
『波形メモリ音源』の種類が違うと
ゲームの『サウンド』作りが違ってきてしまうからね。
『波形メモリ音源』の種類によっては、
BGMと『効果音』の同時音数に制約があったり、
するからね。
なるほどー
いろいろ筐体まで調べてみたんだけど、
はっきりしないんだ。
でも今回の『慶野由利子』さんの証言で
その謎が解けそうなんだ。
ということ、今回はここまで
次回は、『慶野由利子』さんの証言から『ナムコ・サウンド』誕生
を秘密をみてゆこう。
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