ホンダ VT250F(型式 MC08)‐技術的スペック、設計の特徴、発展・問題点

ホンダ VT250F(型式 MC08) について、技術的スペック、設計の特徴、発展・問題点を含めて詳しくご紹介します。
1. 基本スペック(MC08 VT250F)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| エンジン形式 | 水冷 4ストローク 90° Vツイン、DOHC、4バルブ/気筒あたり |
| 総排気量 | 248 cc(約 248 cm³) (ウィキペディア) |
| ボア×ストローク | 60 mm × 約 44 mm(44.1 mm 程度) (バイクスペック) |
| 圧縮比 | 11.0 : 1 (Total Motorcycle) |
| 最高出力 | 約 35 PS(約 26.1 kW)/11,000 rpm (ウィキペディア) |
| 最大トルク | 約 21.5 Nm/10,000 rpm (Total Motorcycle) |
| トランスミッション | 6速常時噛合式、チェーンドライブ (ウィキペディア) |
| 冷却方式 | 液冷(水冷) (ウィキペディア) |
| 車体寸法・重量など | 裸重量(乾燥)で約 149 kg 前後 (ウィキペディア) 全長:約 2,000 mm 程度、軸間距離 1,385 mm 前後 (autoevolution) タイヤ前 100/90-16、後 110/80-18 を採用 (バイクスペック) 燃料容量:12 リットル 程度 (Total Motorcycle) |
これらの仕様は、初期型(1982〜1983年モデル)および改良型モデルに基づく複数の情報源からの平均的な値を含みます。モデル年や現地仕様によって異なる可能性があります。
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2. 設計・構造上の特徴
VT250F(MC08)には、当時としては先進的な技術や構造的工夫が多く含まれています。
✅ 主な特徴
1. 90° V ツイン配置
2 気筒を 90 度の角度で配置することで、主振動成分(一次振動)を打ち消し、エンジンの振動を抑制する設計。これにより、シングルや並列ツインよりも滑らかな回転フィールが得られやすい。
2. DOHC 4バルブ/気筒
気筒あたり吸排気 4バルブ構成。高回転対応と吸気流量確保性能を狙った設計。
3. 冷却システム工夫
エンジン冷却水がフレームの一部を通る構造を採用していたとの情報もあり、フレームを冷却系に組み込む設計。
4. 前ブレーキの独自仕様
モデル初期には「インボード型ベンチレーテッドディスク」方式(ホイール内側にディスクを設置する方式)を採用していた例があるとの記録があります。これは当時としては試み的な構造。
5. サスペンション/車体構成
前 TRAC(トラッド式)アンチダイブフォーク(空気補助付き)
後 Pro-Link モノショック(空気補助付き)
フレームは鋼管セミダブルクレードル構造とされ、補強を含む堅牢性を意図したもの。
後 Pro-Link モノショック(空気補助付き)
フレームは鋼管セミダブルクレードル構造とされ、補強を含む堅牢性を意図したもの。
6. カウル・モデル展開
初期型は半カウル仕様。後年には「Integra」と呼ばれる車体一体型カウル仕様も設定され、風防性を高めたバリエーションも存在。
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⚠ 課題・注意点
・熱害問題
後シリンダー側の冷却が不十分になることがあり、クランクシャフトベアリングなどに負荷がかかるという報告がされている。特に高発熱状況では注意が必要とされる。
後シリンダー側の冷却が不十分になることがあり、クランクシャフトベアリングなどに負荷がかかるという報告がされている。特に高発熱状況では注意が必要とされる。
・車体剛性・ハンドリング
風洞性やサイド風など横風への影響、車体剛性バランスなど当時の設計水準の制約があったとの評価も。モデルによってはステアリング安定性に癖を持つ個体も。
風洞性やサイド風など横風への影響、車体剛性バランスなど当時の設計水準の制約があったとの評価も。モデルによってはステアリング安定性に癖を持つ個体も。
・改良モデル差
年次改良により仕様(ブレーキ、カウル形状、ディスク構成など)が変化したため、型式・年式での仕様差に注意が必要。
年次改良により仕様(ブレーキ、カウル形状、ディスク構成など)が変化したため、型式・年式での仕様差に注意が必要。
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3. モデルの変遷・派生
VT250F は、その後の VT 系列・VTR 系列の先駆けモデルとして位置づけられています。
・VT250F → VT250 Spada → VTR250 などへ展開。
・初期は MC08 型式。後期モデルでは仕様・構成が変わるモデル(例 F-II、FG、Integra 仕様など)もあり。
・VT250F の改良年次モデルでは、出力・ブレーキ仕様・車体形状の改良が行われており、1987年モデルでは仕様向上(例 前輪ダブルディスク採用など)。
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4. 強み・評価・ユーザービュー
👍 強み・魅力
・滑らかなエンジンフィール 90° Vツイン+DOHC 構造により回転フィールが良好
・250cc クラスとしては高性能仕様を備え、スポーツ性と実用性のバランスが高い
・コンパクトな体躯と低重心設計により、取り回しやすさも一定確保
・滑らかなエンジンフィール 90° Vツイン+DOHC 構造により回転フィールが良好
・250cc クラスとしては高性能仕様を備え、スポーツ性と実用性のバランスが高い
・コンパクトな体躯と低重心設計により、取り回しやすさも一定確保
👎 課題・弱点
・熱対策不十分な個体では、熱によるパーツ劣化が起きやすい ・中古市場でのパーツ入手性・メンテナンスコスト
・年式差による仕様差(部品互換性注意)
・熱対策不十分な個体では、熱によるパーツ劣化が起きやすい ・中古市場でのパーツ入手性・メンテナンスコスト
・年式差による仕様差(部品互換性注意)
5. 模型・モデリング視点での注目点
VT250F を模型化・改造する場合、以下が注目ポイントになります。
・シリンダーヘッド周りのディテール(冷却フィン、バルブカバー、配管)
・カウル形状と風防ライン(Integra 仕様などカウルの違い)
・前ブレーキ部構造(インボード式ディスク構造の再現)
・プロリンク式リアサスペンションアーム(リンク機構表現)
・フレームと冷却水配管(フレームパイプを兼ねて冷却水通路とされていたとの記録あり)
・マフラー取り回しやエキゾーストの曲線表現
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