VTR250(MC33)で採用された「セミダブルクレードル+トラス補強方式」

VTR250(MC33)で採用された「セミダブルクレードル+トラス補強方式」を技術的かつ構造的に解説します。
🧩 「セミダブルクレードル+トラス補強」方式とは
🔹 構造の基本
VTR250(MC33)は、単なるトラスフレームではなく、「セミダブルクレードル構造」をベースにトラス状の補強パイプを組み合わせた複合構造です。
これは、ホンダ独自のバランス思想「剛性の分散と柔軟性の共存」を実現したものです。
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🏗️ 構造イメージ(概略図)
┌─────────────── トップパイプ(ヘッドチューブ接続)
│
[●]───┬───[●]───┬───[●]
エンジン上部 │ │ │
│ │ │
─────┘ │ └──── トラス補強パイプ(三角構造)
[◎] エンジン下部マウント(メンバー兼用)
・メインフレームは左右2本のスチールパイプがエンジンを包み込み(=セミダブルクレードル)。
・その上下を細径の補強パイプ(トラス)で連結して、ねじれ剛性を高めています。
・エンジンはストレスメンバー(荷重分担部品)として機能し、剛性をフレームと共有。
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🔹 セミダブルクレードルとは
・「ダブルクレードル」=エンジンを上下左右から囲む2本パイプ構造。
・「セミダブル」=下部で左右を連結せず、軽量化と整備性を優先したタイプ。
・主にネイキッド・ロードスポーツに使われ、VTRではこの形にトラスを加えてねじれ剛性を補う設計。
🔹 トラス補強の役割
| 役割 | 効果 |
|---|---|
| ねじれ剛性の確保 | コーナリング時のフレーム歪みを抑える。 |
| 振動の分散 | Vツインの縦揺れ(一次振動)を三角構造で吸収。 |
| 軽量化 | 補強材を最小限にできるため、アルミより軽い。 |
| デザイン性 | 構造がそのまま外観になる“機能美”。 |
🔹 他車との比較(同時期)
| 車種 | フレーム形式 | 特徴 |
|---|---|---|
| VTR250(MC33) | セミダブルクレードル+トラス補強 | 剛性・軽量・整備性・デザイン性のバランスが最良。 |
| CB400SF(NC31) | ダブルクレードル(スチール) | 剛性は高いが重量増。 |
| CBR250RR(MC22) | アルミツインスパー | サーキット志向、高剛性・軽量。 |
| モンスター400(DUCATI) | スチールトレリス | トラス単体で剛性を確保。ホンダとは補強思想が異なる。 |
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🔹 設計思想の要点
・ホンダは「剛すぎない剛性」を好むメーカーであり、 あえてフレームに“しなり”を残すことで路面追従性を高めている。
・この思想は、レーサーRC30やBROSなどにも通じる。
・つまり、VTR250の構造は「街乗りでもコントロールしやすい柔構造」として設計されている。
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💬 一言まとめ
「セミダブルクレードル+トラス補強」は、ホンダが“速さよりも安心感”を追求した構造美です。 剛性と優しさの両立こそ、VTRの最大の魅力でした。
名言 「固さではなく、しなやかさが速さを生む。」
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