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- 「ラストエンペラー・ルルーシュ」について
- 「皇子ルルーシュの誕生と最初の死」
- 「二〇一〇年前後の世界情勢」について
- 「二〇一〇年当時の日本(旧日本国政権）」
- エリア11後のルルーシュ兄妹
- 「皇帝ルルーシュ」
- 非道の果ての「未来」
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ロボットアニメ コードギアス「神聖ブリタニア帝国：現代史(神聖ブリタニア帝国末期と皇帝ルルーシュの生涯)」のご紹介
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今回は、ロボットアニメ コードギアス「神聖ブリタニア帝国史」についてご紹介します。
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「ラストエンペラー・ルルーシュ」について
神聖ブリタニア帝国第9代皇帝・ルルーシュの死
神聖ブリタニア帝国第9代「悪」皇帝・ルルーシュの死により、世界にはとりあえずの平穏が訪れた。二十世紀もの永きに亘り繁栄した神聖ブリタニア帝国をはじめ、世界中の全ての国家・民族・政治という構造が、ゆるやかな解体と再興の道を歩んでいる。
未だ混乱期と呼べる二〇一九年現在
過去の哀しみと未来への不安はあっても、誰もがあのような戦争よりは「マシ」と思えるようになりつつあるのは間違いない。戦災を免れた記録や証言から、大戦の傷跡生々し今だからこそ記さなければならないものがある。
神聖ブリタニア帝国末期と皇帝ルルーシュの生涯
神聖ブリタニア帝国末期と皇帝ルルーシュの生涯の軌跡である。すでに様々な評価が行なわれているラストエンペラー・ルルーシュ。信じられないことだが、彼のやり方を支持する者も少なくはない。
もちろん彼に関する最終的な評価は未来の歴史家こそが行なうべきである。この記録は大戦当時に生きた一市民の視点から、その一助となることを期待して残すものである。
「皇子ルルーシュの誕生と最初の死」
皇歴二〇世紀末、皇帝シャルル第九八代皇帝に即位
皇歴二〇世紀末、血で血を洗う後継者争いを勝ち抜き、先代皇帝シャルルが第九八代皇帝に即位した。
元皇子シャルル専属騎士、マリアンヌ・ランペルージ(ルルーシュの母)の暗殺
その後継者闘争において、皇子シャルルの専属騎士として目覚ましい活躍を遂げた若く美しい女性騎士こそが、ルルーシュの母マリアンヌ・ランペルージである。後にマリアンヌはシャルルのもとへ嫁ぐも暗殺されてしまう。
皇子ルルーシュ、皇女ナナリーと共に日本へ留学(追放)
マリアンヌとシャルルの間に生まれた皇子ルルーシュは、暗殺事件の際に重傷を負った皇女ナナリーと共に、後にエリア11となる日本へと送られる。表向きは留学だが、体の良い人質外交を兼ねた追放であった。
留学後わずか一年で「ブリタニア、日本侵攻を開始」
しかしルルーシュ兄妹にとって不運なことに、留学後わずか一年にしてブリタニアの日本侵攻が開始される。
「皇子ルルーシュ、皇女ナナリー」公式記録から姿を消す
かの兄妹はこの時点で一公式記録から姿を消す。エリア11での調査班の報告は「戦火に巻き込まれ死亡」。
「二〇一〇年前後の世界情勢」について
シャルルによるエリア1制圧のタイミングは、ルルーシュ兄妹にとっては最悪であった。だが、この時期の世界情勢をひも解くと、多分にやむを得ない状況ともいえる。
シャルルの覇権主義政策において、最も厄介な問題「日本」
シャルルの覇権主義政策において、最も厄介な問題が日本の存在であったことは言うまでもない。最重要エネルギー資源・サクラダイトを豊富に産出し、いわば世界中のエネルギーの元栓を掌握していたのが当時の日本である。
ブリタニア、中連邦(太平洋側)、EU(大西洋側)
できることなシャルルは真っ先にこの地を手に入れたかったであろう。だが、かの国は広大な太平洋を挟んでブリタニアと相対し、背後に控える大国・中連邦とは良好な関係を維持している。 ブリタニアが強引に日本侵攻を行なった場合は、中華との直接対決と大西洋を挟んだEUの脅威を警戒しなければならない。いわばこの時代の世界は三すくみの状況で、その中心に日本があったのだ。
二〇一〇年：中華連邦の混乱から日本制圧作戦を展開
しかし二〇一〇年に入り、シャルルにとってまたとない好機が訪れる。日本の強大な後ろ盾であった中華連邦の混乱である。この時期、中連邦では先代天子が病に倒れ、後継者問題が持ち上がったのだ。この隙を逃さずシャルルは電撃的な日本制圧作戦を展開した。
電撃作戦中の予想外の事件から「ルルーシュ兄妹」行方不明
また、本意か建て前かはともかく、シャルル自身も電撃作戦によって兄妹の救出を考えていたようだ。しかし大勢が決する前に、シャルルすら予想できなかった枢木ゲンブの自決事件が発生。ルルーシュ兄妹はまさに枢木家に預けられていたのだが、部隊が到達した時、そこは兄妹の姿はなかった。
「二〇一〇年当時の日本(旧日本国政権）」
「裏切りの騎士」枢木スザク
ここで視点を二〇一〇年当時の日本側に向けてみよう。ルルーシュとナナリーの留学については、当初は日本側も持て余し気味だったようだ。幸いにも木家にはルルーシュと同年代の息子がおり、兄妹とは良好な友人関係が築けたらしい。その息子こそ、後に皇帝に即位したルルーシュに仕えた「裏切りの騎士」枢木スザクである。そうした状況であってもゲンブ首相は、ブリタニアの脅威に対する備えは怠らなかった。
日本の外交政策
当時の日本は中華連邦ほかの各勢力に絶妙の配分でサクラダイトを供給することで、安全保障の密約を得ていた。二〇一〇年の中華連邦の混乱とそれに乗じたブリタニアの侵攻は、たしかに日本にとって不利な状況である。
枢木ゲンブの「神業的な外交手腕」
開戦当初にゲンプが主張した抗戦は実はお題目に過ぎず、一定の戦闘の後に中連邦とEUの介入を待って講和。サクラダイト配分のブリタニア寄りの変更や、ブリタニア軍の進駐を認めるなどの各種譲歩を見せるところまで計画されていたのだ。これは中華邦の次期天子とその体制が、万が一にも反日政策を執る可能性すら見据えたものである。まさに神業的な遠望を持った外交手腕といえるだろう。
ブリタニアの侵攻開始時点での「日本内部の問題」
ブリタニアの侵攻開始時点では、ゲンプにとっての問題は実は日本内部にあった。それは日本国民の民族的な誇りである。皇帝や天子のような民族的り所を持たないこの時代の日本国においては、個々人の民族意識が高い。
枢木ゲンブの構想「譲渡の前に一定の抗戦は不可」
ゲンプはそのプライドが傷つくことでの、戦後体制の変化を警戒したのだ。もともと当時の日本はブリタニアの覇権主義に対抗すべく、防衛のための軍備を強化していた。 これはいくら資源豊富な国とはいえ、国民に対しては相応の負担をかける状況となっている。
そうした中で弱腰外交の末に譲歩という結果は、蓄積された国内の不満を爆発させかねなかったのだ。つまり、結論が同じでも、譲渡の前に一定の抗戦が不可というのがゲンプの構想であり、それ故に国民に対し徹底抗戦の呼び掛けが行なわれたのだ。
日本国史における最大の謎「枢木ゲンブの自決」
では、そのゲンブはなぜ開戦当初に自決を選んだのか?これは日本国史における最大の謎である。この件に関しては六家すらも口をつぐむ。六家は後にブリタニアによって断絶したため、およそ真相が明かされる機会はなくなった。
優れた戦略家でもあるゲンプは、奥の手、さらにその次の手すらも用意していたことが多くの証言によって明らかになっている。ルルーシュ兄妹を死なせたことへの謝罪だったという説も、後に両者が無事だったことを考えると該当するとは思えない。
いずれにしても徹底抗戦を叫びながらもいち早く自決をしたゲンプは、「イレヴン」に呼称が変わった日本国民からは「裏切り者」と評されることになる。
エリア11後のルルーシュ兄妹
こうして日本はエリア11となった。この時期ルルーシュ兄妹はアッシュフォード家に保護されている。マリアンヌとの旧交があった同家は、彼女の死後、皇族との関係を断たれ凋落傾向にあり、新天地であるエリアでの学園経営などの新事業を計画していた。
兄妹を秘かに保護した理由については、同家の当主、ルーベン・K・アッシュフォードの同情心によるものが大きかったようだ。エリア11で兄妹は母親の旧姓を名乗り、いち学生としての日々を過ごす。
この時期のルルーシュに、自分たちを送り込んでおきながら侵略を開始した父親や、他の皇族に対する憎悪があったであろうことは想像に難くない。さらにエリア11は、かの黒の騎士団発足の地である。
二〇一七年以降、ルルーシュは頻繁に報道されていたであろう魔人「ゼロ」の活躍を、どのような思いで見守っていたのであろうか。
当時から目立つ生徒であったルルーシュの「異状」を、教師たちが見逃すはずはないからだ。 エリア11におけるクロヴィス暗殺からブラックリベリオン。そしておよそ一年の空白を経てのゼロの復活などについては、流通する報道記録をあたっていただきたい。
ブラックリベリオンではアッシュフオード学園も占拠され、恐らくルルーシュ自身も相応の危険にさらされていたと思われる。あるいは戦火を介して、かつての日本侵攻で被災した日々を思い起こすこともあったのかもしれない。
二〇一八年：ルルーシュ決断の時
そんなルルーシュが決断の時を迎えたのは二〇一八年。第二次トウキョウ決戦でのアッシュフォード学園の被災と、その際のゼロの負傷である。公式発表ではこの時ゼロは死亡したとされ、事実長期にわたる不在状態となる。
そのゼロ死亡発表そしてブリタニアと超合集国が戦闘によって疲弊している状況は、ルルーシュにとって千載一遇のチャンスであった。
「皇帝ルルーシュ」
第二次トウキョウ決戦を境にゼロは再び表舞台から姿を消し、悪逆皇帝ルルーシュが出現する。即位の根拠となった実父シャルル殺害に関しては本人の言をもって事実とするしかないが、現在に至るまでその殺害方法は明らかにされていない。
死体すら残すことのなかったその殺害ぶりに、ルルーシュの復讐の念の強さを感じさせる。
シュナイゼル陣営による「首都ペンドラゴン爆撃」
とはいえ実のところ、ルルーシュがブリタニアの貴族制度を打ち壊し、民主国家として超合国への参加を提案するまでは、国内外でも彼に一定の評価を与える声は少なくはなかった。その評価が非難一色に変化するきっかけとなったのは、シュナイゼル陣営によるペンドラゴン爆撃である。
首都ベンドラゴンの消失
文字通りの不意打ちで首都ベンドラゴンを消失させたシュナイゼル氏。ルルーシュへの降伏勧告のためやむを得なかったとはいえ、本来責められるべきはもちろんシュナイゼル陣営であろう。
ブリタニア全軍を率いての徹底交戦
だがここでルルーシュがとった行動は、ブリタニア全軍を率いてのシュナイゼル/超合集国陣営との徹底交戦であった。
「ルルーシュによる世界制覇」への恐怖
しかも超合集国主脳を自らの旗艦アヴァロンに人質として捕えている。それまでルルーシュに好意的あるいは同情的であった者も、彼の目的が帝国や領土ではなく、名実共の世界制覇であることを知ったのだ。例え地上全てが焦土と化そうと、ただ世界を手中に収めんとするその欲望の強さに誰もが恐怖した。
ルルーシュ軍とシュナイゼル陣営の決戦
この後エリア11において、ルルーシュ軍とシュナイゼル陣営の決戦が行なわれる。シュナイゼル側には大量破壊兵器「フレイヤ」と要塞「ダモクレス」があり、ルルーシュ軍には恐怖と催眠術で縛りつけられた、命を惜しまぬ哀れな兵がいた。
ダモクレス攻防戦
この両者がぶつかった時、もはやそれは戦争ですらなく、ただ時間とともに死者の数のみが増えていく地獄絵図であった。結局このダモクレス攻防戦ではルルーシュが勝利し、シュナイゼル氏とナナリー氏はフレイヤによる大量殺戮を行なった戦犯として扱われた。
シュナイゼル氏、ナナリー氏両名とも「フレイヤ使用は自分の罪である」と認めているが、実は現在その話を信じている者はいない。むしろその宣言故に、彼らすらもルルーシュの犠牲者であるというのだ。催眠術の存在を考慮に入れた場合、当事者の発言も疑わしいものとなってしまう。
非道の果ての「未来」
以上の経緯から若干の謎は残るものの、やはりルルーシュが悪非道の人物であることは否定できない。今なおルルーシュに向けられる怨嗟の声は絶えないのも事実だ。一方でかつてルルーシュと戦った黒の騎士団のメンバーは、皇帝ルルーシュの評価を問うと微妙に歯切れが悪い。
戦闘は終結後の世界
実際のところ、戦闘は終結したとはいえ世界中で問題は山積している。この二〜三年で急速に発達した軍需産業、特にKMFメーカーおよびそのバイロットは、現在は復興関連事業への転換を余儀なくされている。
ただしKMFの建築現場での活躍や、その関節制御技術を義肢製作に転用するなど、予想以上に復興事業とは相性が良いようだ。物事を壊すも物事を創るのも力の使い方次第であり、意外と根本は同じものなのかもしれない。 なるほど、そう考えるとルルーシュの復讐こそが世界に変革を起こしたことは間違いないし、さらにその劇的な死によって、世界は新たなステップを踏みだすことができた。
KMF同様、壊すのも創るのも同じ者であったというのは言葉遊びだろうか。もしかしたらあのルルーシュの行動も・・・。
「絶対世界革命」
ルルーシュの世界制覇とその折、そして現在進行中の新世界の体制への移行については、誰ともなく「絶対世界革命」と呼ばれ始めている。
我々は大戦を生き延び、その「革命」に立ち会うことができた。重ねて言うがその意味、そして評価は後世の歴史家が断ずれば良い。今を生きる我々は、ただ感じたことと事実を残すのみである。もしかしたら我々世界人こそが一番愚かだったと評価される時代が来るかもしれない。
だが「今」だからこそ、ルルーシュを憎む者も慕う者も、等しく行なうべき使命があるはずだ。それは「革命」の名に恥じぬよう、これからの世界、すなわち「未来」を護り発展させていくことである。例えかであろうと悪非道であろうと、未来という時を残せなければ、生きそして死んでいく意味はないのかもしれない。
これが今という時代に生きる、世界人民の中のいち個人として思う全てである。
市民研修者論文より
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