カメラ・レンズ生産体制の歴史（ざっくり時代順）
ここでは「カメラ・レンズ生産体制の歴史」を、 おおまかに「どこで、どうやって、誰が作ってきたのか」という観点から時代別に整理してご紹介します。 特に日本メーカー（Nikon, Canon, SIGMA, TAMRONなど）の変遷を中心に、国内生産→海外シフト→再評価という流れがわかります。
🔹 1950〜1970年代 国内職人による完全手作業時代
🔧 特徴
・ほぼすべてのレンズが国内（東京・長野・福島・大阪など）で手作業生産
・各社ごとに“工場職人”が技術を磨き上げ、手研磨・手組立が当たり前
・ガラスの調合から絞りユニットまで、すべて自社設計が主流
・ほぼすべてのレンズが国内（東京・長野・福島・大阪など）で手作業生産
・各社ごとに“工場職人”が技術を磨き上げ、手研磨・手組立が当たり前
・ガラスの調合から絞りユニットまで、すべて自社設計が主流
🏭 主な工場例
・Nikon 大井・栃木・熊谷
・Canon 下丸子工場 → 川崎 → 大分
・Minolta 大阪府守口市
・Fujinon（富士） 足柄工場、榛原工場
・Sigma まだ創業間もない時期（1961年）
・Nikon 大井・栃木・熊谷
・Canon 下丸子工場 → 川崎 → 大分
・Minolta 大阪府守口市
・Fujinon（富士） 足柄工場、榛原工場
・Sigma まだ創業間もない時期（1961年）
🔍 この頃の評価
「メイド・イン・ジャパンは世界一」としてドイツ勢を追い抜いた黄金期。
「メイド・イン・ジャパンは世界一」としてドイツ勢を追い抜いた黄金期。
🔸 1980〜1990年代 自動化・部品外注の時代へ
🔧 特徴
・国内でも一部自動化・ライン化が進み、量産体制が確立
・レンズ設計もCAD導入により効率化 ・同時に、部品の外注化
・サプライチェーン化が進み始める
・Canon、Nikonは一部工場を地方（大分、栃木、山形）や海外へ
・国内でも一部自動化・ライン化が進み、量産体制が確立
・レンズ設計もCAD導入により効率化 ・同時に、部品の外注化
・サプライチェーン化が進み始める
・Canon、Nikonは一部工場を地方（大分、栃木、山形）や海外へ
📦 変化の兆し
・Canon 九州工場（大分、長崎）でEFレンズ量産化
・Nikon 栃木・熊谷を拠点に自社生産
・SIGMA この頃から会津工場に集約
・TAMRON OEM供給（特にコニカミノルタ向け）で生産数を増やす
・Canon 九州工場（大分、長崎）でEFレンズ量産化
・Nikon 栃木・熊谷を拠点に自社生産
・SIGMA この頃から会津工場に集約
・TAMRON OEM供給（特にコニカミノルタ向け）で生産数を増やす
🔍 この頃の評価
「メイド・イン・ジャパン」→「設計は日本、製造は分業」の流れへ
「メイド・イン・ジャパン」→「設計は日本、製造は分業」の流れへ
🔶 2000〜2010年代 海外生産シフトの加速
🔧 特徴
・デジタルカメラの大ヒットにより生産数爆増→海外工場の開設が加速
・タイ・ベトナム・中国が主要生産地に
・「設計 日本」「製造 アジア諸国」という体制が主流に
・デジタルカメラの大ヒットにより生産数爆増→海外工場の開設が加速
・タイ・ベトナム・中国が主要生産地に
・「設計 日本」「製造 アジア諸国」という体制が主流に
| メーカー | 海外生産の動き |
|---|---|
| Canon | EF・RFレンズの多くを大分→台湾・マレーシアへ移管 |
| Nikon | タイ工場（Ayutthaya）でFマウント量産開始 |
| Sony | 中国・タイ・ベトナムなどでSELレンズ展開 |
| TAMRON | ベトナム工場（バクニン省）でレンズ・部品大量生産 |
| SIGMA | 逆に「完全国内生産（会津）」を貫く独自路線 |
🔍 この頃の評価
・「海外製＝悪」ではなくなった
・同時に、「日本製」の付加価値が再評価され始める
・「海外製＝悪」ではなくなった
・同時に、「日本製」の付加価値が再評価され始める
🟥 2010年代後半〜現在 “国内生産の価値”が復権
🔧 特徴
・高級機・高級レンズ＝国内生産が復権
・品質や修理性・信頼感を重視する層に向け、国内回帰の流れも
・高級機・高級レンズ＝国内生産が復権
・品質や修理性・信頼感を重視する層に向け、国内回帰の流れも
| メーカー | 特徴 |
|---|---|
| SIGMA | 会津で全レンズ・全工程を自社生産 |
| Canon | LレンズやCinema系は国内（宇都宮など）で製造 |
| Nikon | 高級ZレンズやFマウントの一部は栃木ニコン |
| Fujifilm | Xマウントは一部国内、工場公開も行っていた |
| TAMRON | 高性能モデルは日本製が多い（旧長野・新潟） |
📊 補足 現在の生産体制まとめ（主要ブランド）
| メーカー | 主な生産地 | 備考 |
|---|---|---|
| SIGMA | ✅ 日本（福島・会津） | 世界唯一の完全国内生産体制 |
| Canon | 日本・台湾・マレーシア | 高級レンズは国内 |
| Nikon | 日本・タイ | タイ製が多いが上位機は国内 |
| Sony | 中国・タイ・マレーシア | フルサイズ用SELレンズは海外中心 |
| TAMRON | ベトナム・日本 | 大量生産はベトナム、上位は日本製も |
🔮 今後の展望
・📈 高級レンズは国内へシフト傾向（品質とブランド価値）
・🛠️ 修理・リペア性を考えた製造拠点も重視される時代へ
・🌍 中堅・普及帯は今後も海外量産が基本
・🛠️ 修理・リペア性を考えた製造拠点も重視される時代へ
・🌍 中堅・普及帯は今後も海外量産が基本
✨ まとめ レンズの生産体制は「技術」と「信頼」のバランス
・昔 職人の手作業が命
・中期 量産と海外分業化
・現代 国内高品質×海外効率生産のハイブリッド構造
・SIGMAは例外的に“全数日本製”を貫いて独自ブランドを確立
・中期 量産と海外分業化
・現代 国内高品質×海外効率生産のハイブリッド構造
・SIGMAは例外的に“全数日本製”を貫いて独自ブランドを確立
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