スクリューマウント（ねじ込み式マウント）の歴史
スクリューマウント（ねじ込み式マウント）の歴史は、レンズ交換式カメラの黎明期を支えた重要な技術であり、レンジファインダー文化や写真の機動性を大きく発展させた基盤でもあります。 このマウントは現代のバヨネット式（回してロック）に比べて構造がシンプルで、初期の精密機械式カメラに非常に適していました。
🔧 スクリューマウントとは？
・ネジ山によって物理的に固定される
・電子接点なし、完全機械式
・ライカスクリューマウント（Lマウント／M39） スレッド直径39mm、ピッチ26スレッド/インチ
🕰 スクリューマウントの歴史年表
🔹 1931年 ライカ「Lマウント（M39）」誕生
・世界初の本格的な35mmレンジファインダーカメラに採用
・ライカがレンズ交換式カメラのパイオニアに
・スクリューマウントは簡単・軽量・コンパクトという当時の最適解だった
📌 このLマウントは後に「ライカスクリューマウント」「L39」「M39」と呼ばれるように
🔹 1930〜50年代 Lマウントの拡大と互換ブーム
・キヤノン（キヤノンIIBなど）
・ミノルタ、ニコン、フォクトレンダー、ズノーなども参入
各社がライカ互換のスクリューマウントレンズを開発
→ “スクリューマウント戦国時代”の到来！
🔹 1954年 ライカ「Mマウント」登場で流れが変わる
・バヨネット式の「Mマウント」を採用。着脱が簡単、強度も高い
・これにより、スクリューマウントは徐々に主流から外れていく
→ ユーザー層が根強く、交換レンズも豊富だったため
🔹 日本メーカーの独自スクリューマウントも登場
| メーカー | 規格名 | 特徴 |
|---|---|---|
| ペンタックス | M42マウント | 後に「プラクチカ・スクリューマウント」として超普及 |
| ゼニット（ソ連） | M39／M42両方使用 | ライカ互換機・独自進化型を多数製造 |
📌 M42（42mm径）は、後に一眼レフにも使われたスクリューマウント規格として最重要
🔹 1970〜80年代 バヨネット主流へ
・スクリューマウントは「古典的」な存在に
・ただし、精密な作り・描写の味わいから、愛好家は増え続けた
🔹 2000年代以降 オールドレンズ再評価と再ブーム
・やわらかい描写、渋いトーン、個性的なボケ
・例 ヘリオス 44-2、ズマール、ジュピターなど
✨ スクリューマウントの魅力と影響
| 魅力 | 内容 |
|---|---|
| シンプルな構造 | 故障が少なく、長寿命。メンテナンスしやすい |
| 豊かなレンズ資産 | 何十年も前の銘玉が豊富に残っている |
| 個性ある描写 | オールドレンズならではの光と空気感 |
| 現代でも使える | ミラーレス＋マウントアダプターで再利用可能 |
🔚 まとめ スクリューマウントは「原点」であり「今なお生きる文化」
レンズとカメラだけじゃなく、
技術と詩情、過去と未来だった。
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