- Ai Nikkor 35mm F1.4S 世界初の一眼レフ用35mm F1.4が生まれた背景と、その描写の秘密を読み解く
- 0. 基本スペック早見表
- 1. 憧れのレンズとの出会い
- 2. 世界初の一眼レフ用 35mm F1.4 ― 1950年代から続く“35mm大口径”の夢の継承
- 3. レンズ構成 ― 7群9枚のレトロフォーカスタイプ ‐52mm径を死守するための驚くべき構造
- 4. 描写特性 ― “多面性のある表情”が大きな魅力
- 5. 改良の歴史 ― 30年以上愛された理由 ‐ NEW-Nikkor 化の際に光学系もアップデート
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Ai Nikkor 35mm F1.4S 世界初の一眼レフ用35mm F1.4が生まれた背景と、その描写の秘密を読み解く

Ai Nikkor 35mm F1.4S は、50年以上前に登場したにもかかわらず、今も多くの写真家に愛され続ける一本です。
世界で初めて“一眼レフで使える35mm F1.4”を実現し、星空撮影からスナップまで幅広く支えたレンズでもあります。
明るさ・サイズ・描写。そのすべてに当時の技術とこだわりが詰まった、この象徴的な35mm。その誕生の背景と描写の魅力を、わかりやすくご紹介します。
0. 基本スペック早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| レンズ名 | Ai Nikkor 35mm F1.4S |
| マウント | ニコンFマウント |
| 焦点距離 | 35mm |
| 開放F値 | F1.4 |
| レンズ構成 | 7群9枚 レトロフォーカスタイプ |
| 最短撮影距離 | 約0.3m |
| 絞り羽根枚数 | 9枚 |
| フィルター径 | 52mm |
| 特徴 | 世界初の一眼レフ用35mm F1.4、大口径+52mm径の両立 |
1. 憧れのレンズとの出会い
“星空ブーム”が生んだニッコールへの憧れ
当時のユーザーが、Ai Nikkor 35mm F1.4 と出会ったのは、 1960年代後半〜70年代前半の 宇宙ブーム の時代でした。
・ニコンF
・Nikkor 35mm F1.4
この2つだったことから、多くのユーザーの心に “憧れのレンズ”として刻み込まれていきました。
■ 当時の撮影条件(比較テーブル)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| フィルム | Ektachrome(ISO64)、Fujichrome(ISO100) |
| 現代の ISO800 と比較 | 約1/10 の感度しかない |
| 相反則不軌 | 長時間露光では露出倍数の法則が崩れる |
| 星のカラー撮影 | F1.4 のレンズで 30〜60 分露光 |
| F2 のレンズの場合 | 理論上「2倍」では足りず、さらに長時間が必要 |
2. 世界初の一眼レフ用 35mm F1.4 ― 1950年代から続く“35mm大口径”の夢の継承
このレンズの誕生は、実は SP(レンジファインダー)後継機計画の挫折 から始まります。
■ 開発の歴史(年表テーブル)
| 年代 | 出来事 |
|---|---|
| 1956年 | W-Nikkor 3.5cm F1.8 が世界最速クラスの広角大口径レンズとして登場 |
| 1960年代半ば | SP後継機用 35mm F1.4(レンジファインダー用)の試作が進む |
| → 後に中止 | SP後継機プロジェクト終了とともに、35mm F1.4 試作は“幻のレンズ”に |
| その後 | 35mm F1.4 という仕様だけがニコンF向けに引き継がれ、一眼レフ用として再開発 |
| 1971年 | 一眼レフ用 35mm F1.4 が発売(のちの Ai 化を経て Ai Nikkor 35mm F1.4S に) |
■ 派生・改良の流れ(ざっくり年表)
| 時期 | 呼称・仕様 | 主なポイント |
|---|---|---|
| 1971年頃 | Nikkor 35mm F1.4(初期) | 近距離補正機構+マルチコート採用 |
| mid-70s | New Nikkor 35mm F1.4 | 外装一新+光学チューニング |
| 1977年以降 | Ai Nikkor 35mm F1.4 | Ai 化、絞り連動方式変更 |
| 後年 | Ai Nikkor 35mm F1.4S | SICコーティングなどブラッシュアップ |
3. レンズ構成 ― 7群9枚のレトロフォーカスタイプ ‐52mm径を死守するための驚くべき構造
Ai Nikkor 35mm F1.4S は 7群9枚のレトロフォーカスタイプ。
特筆すべきポイントは次の3つです。
■ 特徴まとめ
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| ① 2枚の凹レンズから始まる構成 | 前群の収差を抑えつつ、口径を小さく保つ工夫 |
| ② 最終群の凸レンズが3枚構成 | 曲率を弱め、各レンズの収差をバランス良く分散 |
| ③ 2つの接合レンズで収差を補正 | 絞り前後の接合レンズで残存収差をうまく打ち消す構成 |
・先頭の大口径凸レンズを置かず
・前群を2枚の凹レンズのみで構成 し
・絞り前後の接合レンズで収差をまとめて処理する
という非常に合理的かつ挑戦的な設計が採用されています。
4. 描写特性 ― “多面性のある表情”が大きな魅力
このレンズは、フィルムやシーンによって描写ががらりと変わるのが大きな特徴です。
4-1. 開放時の描写
・ベールをまとったような柔らかさ
・細かな部分はきちんと解像
・線の細い独特な描写 といった、クラシカルでありつつも芯のある表現を見せてくれます。
サジタルコマフレア(サジタルコマ収差)が比較的大きい ためです。
・ハイライト部分に淡いコマフレアが付き
・全体のコントラストがわずかに下がり
・軟調で滑らかな階調につながる
という“クセ”が、逆にポートレートでは武器になります。
4-2. 絞ったときの描写
・コントラストが増加
・線がくっきり
・いわゆる「ニッコールらしい高コントラストな切れ味」
へと変貌します。
柔らかさと芯のバランスが最も良いゾーン。
4-3. 描写特性
| 絞り値 | 描写傾向 | 向いている用途 |
|---|---|---|
| F1.4(開放) | ベール状の柔らかさ+細部描写。湿った質感。サジタルコマ大きめ | ポートレート、夜景の雰囲気重視 |
| F2〜2.8 | 柔らかさが残りつつ、像に芯が出始める | 人物、スナップ、ドキュメンタリー |
| F4〜5.6 | 高コントラスト・シャープ。現代的な切れ味 | 風景、街並み、建築、商品撮影 |
| F8 以降 | 解像良好、フレアも少ない | 万能。昼間スナップ全般 |
5. 改良の歴史 ― 30年以上愛された理由 ‐ NEW-Nikkor 化の際に光学系もアップデート
■ 改良点
| 改良区分 | 内容 |
|---|---|
| ガラス材料 | 一部材質を見直し、収差バランスと描写を改善 |
| レンズ曲率 | 開放時の画質向上を狙い、曲率を微調整 |
| コーティング | マルチコート → SIC化(Super Integrated Coating)で逆光耐性アップ |
| 鏡筒デザイン | New Nikkor → Ai → Ai-S と外装・操作系もブラッシュアップ |
35mm F1.4 で 52mm フィルター径を実現した一眼レフ用レンズ という意味では、 ほぼ唯一無二の存在であり続けています。
「こだわりとは、過去への敬意であり、未来への挑戦でもある。」
Ai Nikkor 35mm F1.4S は、 1950年代から続く“35mm大口径の夢”を受け継ぎ、 世界初という称号と共に、今も愛され続ける一本です。
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