- NIKKOR-H 300mm F2.8“夢のサンニッパ”誕生の舞台裏と光学設計を読み解く
- 1. サンニッパの原点は「報道カメラマンの悲願」だった
- 2. “無冠の王”と呼ばれた理由
- 3. プロの声が導いた“普通絞り”と“18枚羽根”
- 4. 初代 300mm F2.8 の進化と系譜(1972–)
- 5. 光学設計 ― “6×6判までカバーする包括画角”
- 6. 収差特性 ― 180mm EDにも通じる“アポに近い補正”
- 7. 描写特性 ― “シャープでありながら柔らかい”という矛盾を実現
- 8. “普通絞り”が現場で愛された理由
- 9. 縁の下の力持ち ― 波多野玲子さんの存在
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NIKKOR-H 300mm F2.8“夢のサンニッパ”誕生の舞台裏と光学設計を読み解く

初代 NIKKOR-H 300mm F2.8 は、単なるレンズではありません。
これらすべてが重なって誕生した“特別な一本”です。
1. サンニッパの原点は「報道カメラマンの悲願」だった
現在ではプロ・アマ問わず人気の高い「300mm F2.8(通称 サンニッパ)」。
しかしその源流は、一般販売すらされなかった“報道専用の特別モデル”から始まります。
1972年の札幌冬季五輪。 報道カメラマンの要望は明確でした。
当時の技術では「300mmでF2.8」は、ほぼ無茶な要求でした。
2. “無冠の王”と呼ばれた理由
3. プロの声が導いた“普通絞り”と“18枚羽根”
このレンズには、一般ユーザーから見ると奇妙な仕様がありました。
■「Nikkor-Auto」ではない=オート絞りではない
なぜか? プロカメラマンの意見はこうです。
だから最高の描写になるなら普通絞りで構わない」
オート絞りを捨てることで、光学系の中心に絞りを自由配置でき、 より理想的な収差補正が可能になりました。
■驚異の「18枚円形絞り」
4. 初代 300mm F2.8 の進化と系譜(1972–)
ニコン超望遠の発展は、このサンニッパから一気に加速します。
| 年代 | モデル | 特徴 |
|---|---|---|
| 1972 | NIKKOR-H 300mm F2.8 | 札幌五輪向けに開発。報道専用。ED表記なし。制作数は百数十本。 |
| 1970年代後期 | 改良版(多層膜コート化、EDガラス化) | 製造は続くが非一般販売。 |
| 1978 | AI ED Nikkor 300mm F2.8 (IF) | IF方式、AI化、ついに一般向けの“EDサンニッパ”が誕生。 |
| 1980年代 | AI-S化モデル | 前玉に保護フィルター追加、徹底した耐久性強化。 |
| 1986 | AI AF ED Nikkor 300mm F2.8S (IF) | AF時代の幕開け。 |
| 1992 | AI AF-I ED 300mm F2.8D (IF) | モーター内蔵(AF-I)。根本的な新設計。 |
| 1996 | AF-S 300mm F2.8D (IF) | SWM搭載。サンニッパはついに高速AFの頂点へ。 |
| 2000年代 | VR・ナノクリ搭載モデルへ | 現代のAF-S系に直結する進化。 |
すべての源流は「NIKKOR-H 300mm F2.8」にある。
5. 光学設計 ― “6×6判までカバーする包括画角”
初代サンニッパの光学設計者は 清水義之 氏。 AI ED 180mm F2.8 にも通じる、典型的なテレフォトタイプです。
■驚愕の設計思想
6. 収差特性 ― 180mm EDにも通じる“アポに近い補正”
・色収差
・球面収差
・下方コマ収差
これらを徹底補正。
・像面湾曲
・上方コマ収差
の補正に特化。
・色収差が極めて少ない
・球面収差はややアンダー補正で柔らかみを残す
・非点収差が少なく周辺までシャープ
・後ボケが非常に美しい
300mm F2.8 という大口径を、この時代にここまでまとめたこと自体が異常です。
7. 描写特性 ― “シャープでありながら柔らかい”という矛盾を実現
清水氏の設計が見事なのは、
開放F2.8から周辺までシャープでありながら、 人物にも向く柔らかさを併せ持つこと。
・色の分離が良い
・階調が豊か
・シャープなのに刺々しくない
・ボケは滑らかで二線ボケがほぼ出ない
・逆光でも耐性が高い
・シャープネスの伸びは小さい
・もともとの性能が高いため“劇的な違い”は出ない
・周辺のボケ形状が改善(口径食の解消)
・“被写界深度の調整のために絞る”領域
・解像度の伸びはごくわずか
・回折の影響が出始めるため通常は不要
8. “普通絞り”が現場で愛された理由
当時の開放F2.8望遠で普通絞りは一見欠点ですが、 むしろ実用性は高かったと作者は語っています。
「絞りの状態が目で見てすぐ分かる」 スポーツ現場では瞬間的に絞り変化を確認でき、 プレビューボタンより早かったとのこと。
プロの声を反映した設計だったのです。
9. 縁の下の力持ち ― 波多野玲子さんの存在
・そろばんや対数表で光線追跡を手伝う
・設計部門の事務・図面管理・資料整理
・若手技術者の指導
・課長職を勤め、ニコンの資料体系を守り抜く
彼女が残した正確な資料のおかげで、 今こうして昔の設計データを読み解くことができるのです。
🌟 締めの名言
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