Apple製品の周辺機器「USB-C充電(USB PD)の基礎」についてご紹介
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今回は、Apple製品の周辺機器「USB-C充電(USB PD)の基礎」についてご紹介します。
Appleデバイスの充電に必要な電力は?
USB-Cを上手に活用すればデバイスに素早く電力を供給できます。USB-Cポート搭載のMacやiPhone、iPadのほか、Ligtningポート搭載の一部Appleデバイスでもその恩恵を受けることができますが、快適な充電環境を実現するには各デバイスに最適な「電力値」を押さえる必要があります。
電力値は、電力=電流(A)×電圧(V)
電力値とは電流(アンペア = A)と電圧(ボルト = V)を掛け合わせた電流が働く力(=電力)を意味しており、「W(ワット)」という単位で表されます。各デバイスにとって最適な数はそれぞれ異なり、周辺機器もデバイスに見合う電力を供給できるW数が必要になるのです。
W数が足りないと電源供給が追いつかなくなり、充電がストップすることも
Appleデバイスでは、推奨されるW数以下の電源アダプターでも充電できることがありますが、高い電力を継続的に流し続けた場合は電源供給が追いつかなくなり、充電がストップしてしまうことも起こり得ます。そのため、以下の表を基準に周辺機器を選びましょう。
「2023年：iPhone製品に付属する電源アダプタのW数」のご紹介
| 2023年：iPhone製品に付属する電源アダプタのW数 | |
| 製品名 |
推奨する電源アダプタ(別売り)
|
| iPhoneSE | 20W |
| iPhone13 | 20W |
| iPhone14 | 20W |
| iPhone15 | 20W |
| iPhone15 Pro | 20W |
iPhone12及びiPhoneSE(第3世代)以降のモデルでは、電源アダプターが別売りになりました。
「2023年：iPad製品に付属する電源アダプタのW数」のご紹介
| 2023年：iPad製品に付属する電源アダプタのW数 | |
| 製品名 |
付属する電源アダプタ
|
| iPad(第9世代) | 20W |
| iPad(第10世代) | 20W |
| iPad Air(第5世代) | 20W |
| iPad mini(第6世代) | 20W |
| .11インチiPadPro(第4世代) | 20W |
| 12.9インチiPadPro(第6世代) | 20W |
MacのUSB-CポートからをiPhoneやiPad充電も可能
MacのUSB-CポートからiPhoneやiPadを充電することも可能です。Mac側のポートの電力供給量はモデルによって異なりますが(具体的な仕様は公開されていません)14インチMacBookPro(2021/M1Pro)の場合、11インチiPadPro(第4世代)に約15Wが供給されてます。
「2023年：MacBook製品に付属する電源アダプタのW数」のご紹介
| 2023年：MacBook製品に付属する電源アダプタのW数 | |
| 製品名 |
付属する電源アダプタ
|
| M1搭載13インチMacBookAir | 30W |
| M2搭載13インチMacBookAir | 70W |
| 15インチMacBookAir | 70W |
| 13インチMacBook Pro | 67W |
| 14インチMacBookPro(M2Pro/10コア) | 67W |
| 14インチMacBookPro(M2Pro/12コア/M2Max) | 96W |
| 16インチMacBook Pro | 140W |
MagSafe3とUSB-Cに両対応
現行の一部MacBookは、MagSafe3ポートおよびUSB-Cポートを使って充電できます。ほかのデバイスとケーブルを共用したい場合などは、USB-Cポートから充電するのがおすすめです。
電源アダプターのW数をチェック
Apple純正の電源アダプターは、対応するW数が側面に書かれています。電源アダプターをほかのAppleデバイスに流用する際、W数が少ないと電力の供給が不足することもあります。
USB-Cだけのメリット高速充電「USB PD規格」
他のコネクタにはないUSB-Cだけのメリットが、デバイスを高速充電できるUSB PD規格に対応していることです。USB PD規格には複数の世代がありますが、市場でもっとも多く流通しているUSB PD3.0は最大100W、これから製品が増え始めるであろう最新規格のUSB PD EPRは最大240Wの給電に対応しています。
AppleデバイスもUSB PDに対応
急速充電するには、デバイスと電源アダプター、ケーブルのすべてがUSB PDに対応している必要がありますが、ここ数年で発売されたMac iPhone（一部を除く）iPadはUSB PDに対応しているため心配はいりません。Apple純正の電源アダプターも、USB-Cポートを搭載するものはすべてUSB PDに対応しています。
サードパーティ製は、仕様が異なる場合も
ここで重要になるのが、電源アダプターやケーブルで供給できる最大W数です。多くの場合、電源アダプターの対応W数と高速充電できるW数は同じですが、サードパーティ製品では一部異なるケースもあるので、しっかり仕様をチェックしましょう。
純正アダプタの仕様をチェック
USB PDに対応するApple純正の電源アダプターには、「USB PD」と記載されています。図の製品の場合、20.3V×3.3A=66.99Wまでの給電に対応していることがわかります。
USB PD対応製品でも充電速度は異なる!
| MacBook Proでの充電速度 | |
| 67W USB-C電源アダプター | 6分40秒 |
| 61W USB-C電源アダプター | 7分50秒 |
| 30W USB-C電源アダプター | 30分30秒 |
上記は、M1 Pro搭載の14インチMacBook Proを使って、バッテリ残量が50%から60%になるまでにかかった時間を比較しています。製品に付属している67W電源アダプターがもっとも高速でした。
Appleデバイスのバッテリーの寿命を伸ばそう
Appleデバイスに搭載されているリチウムイオンバッテリを使い続けると、最大バッテリ容量(新品のデバイスを100%として、現状で最大何%まで充電できるか)が徐々に減っていくことは避けられません。特にフル充電されたままの時間が長くなると、バッテリー寿命に悪影響をもたらすといわれています。
AppleOSの「バッテリー充電の最適化」機能
そこでAppleは、macOS BigSur及びiOS13以降で「バッテリー充電の最適化」という機能を搭載しました。これを有効にすると、80%までデバイスを充電をしたあと、ユーザのデバイス利用状況を学習し、100%充電するまでのスピードを遅らせてくれます。
充電アクセサリを選ぶポイント
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充電アクセサリを選ぶポイント
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マルチポート電源アダプタなら省スペース性が高い
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マルチポート電源アダプタの場合、USBPD対応ポートが多いと便利
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デバイスを同時接続したときの各ポートのW数に注意
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モバイルバッテリとケーブルも対応W数が明記されているものを選択
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MacBook Proで使うなら60~100W対応ケーブルがおすすめ
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コンパクトで効率的な「マルチポート電源アダプター」
Apple純正の電源アダプターを使えば最適な電力で急速充電できますが、用意する電源アダプターの数が増えることで荷物が重くなったり、コンセント周りが混雑してしまうのは避けたいもの。
こうした悩みを解決するには、マルチポート電源アダプター(=複数のポートを備えた電源アダプター)を用意するのがおすすめです。
マルチポート電源アダプターを選ぶ際には「1ポートあたり出力できる最大W数の値はいくつなのか」、「それぞれのポートがUSB PD対応なのか」を確認しましょう。
マルチポート電源は、価格の性能を見極める
対応W数やポート数が増えるにつれて価格が高くなったり、アダプターのサイズが大きくなったりする傾向があります。そのため、自分がどのデバイスをどんなシーンで充電する必要があるかを判断することが肝心です。同様に、モバイルバッテリやUSB-Cケーブルを選ぶ際にも、対応W数やUSB PDへの対応に目を向ける必要があります。製品によって仕様が異なるため、必ず確認してから購入しましょう。
電力効率が高い窒化ガリウム(GaN)素材が今のトレンド
窒素ガリウム(GaN)という半導体は従来に比べて電力効率が高く、筐体内部の占有スペースも少ないのがメリットです。この特性が電源アダプターの小型軽量化につながるため、近年では多くの電源アダプターで採用されています。
USB-C充電にまつわるQ&A
【Q】iPhoneやiPadにMac用の電源アダプターを使ってもいいの?
【A】大きいW数の電源アダプターを使っても問題はない
Appleデバイスには、入力される電力を管理する機能があるため、付属の充電アダプターより大きいW数の電源アダプターを使っても問題ありません。特にiPadの場合、よりW数の高い電源アダプターを使うことで、充電速度が早くなることがあります。
iPad Proを67W充電アダプターで充電すると27Wで給電
MacBookProに付属する67W充電アダプターで、iPad Proを充電するとiPadPro用の20W電源アダプタを超える、約27Wで給電されます。
【Q】ワイヤレスだとiPhoneの充電は遅くなるの?
【A】電力供給は最大でも15Wで充電効率は落ちる
iPhone用のMagSafe充電アダプタには、急速充電に対応する製品も存在しますが、電力供給は最大でも15Wかつ装着しているケースによって充電効率が変わることがあります。
そのため、素早く充電したいならUSB-Cを使った充電がおすすめです。しかし、iPhoneを置くだけで手軽に充電できるMagSafe充電器は非常に便利。状況に応じて使い分けるとよいでしょう。
【Q】USB PD対応製品でも充電が遅く感じる・・・
【A】バッテリ残量0%〜50%までは急速充電、その後ゆっくり充電/strong>
USB PD対応の周辺機器だからといって、バッテリ残量0%〜100%まで同じスピードで充電するわけではありません。たとえば、近年発売のAppleデバイスではバッテリ残量0%〜約50%まで急速充電を行い、その後は徐々に充電スピードが遅くなるよう設計されています。
デバイスの温度によっても変化する充電能力
また、デバイスが高温または低温になりすぎた場合も急速充電が停止するケースがあると覚えておきましょう。
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