衣紋 ― 首元に生まれる「構え」の痕跡

衣紋は、飾りではありません。 立ち方・生き方が、そのまま首元に現れた「構え」です。
衣紋とは何か
衣紋(えもん)とは、 着物や襦袢を着たときに生じる 後ろ衿と首のあいだの空間・形状を指します。
・ 抜き衿の結果として生まれる
・ 首元にできる影
・ 姿勢と所作の反映
衣紋は、 意図的に「作る」こともあれば、 立ち居振る舞いの中で「現れる」こともあります。
・ 首元にできる影
・ 姿勢と所作の反映
衣紋は、 意図的に「作る」こともあれば、 立ち居振る舞いの中で「現れる」こともあります。
つまり衣紋とは、 着方と身体の関係が可視化された部位です。
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衣紋の語源と意味
「衣紋」の語は、
・ 衣(ころも)
・ 紋(あらわれ・しるし)
から成り、 衣に現れた印を意味します。
・ 衣(ころも)
・ 紋(あらわれ・しるし)
から成り、 衣に現れた印を意味します。
単なる形状名ではなく、
・ 身なり
・ 立ち方
・ 美意識
が首元に刻まれた「結果」を指す言葉です。
・ 身なり
・ 立ち方
・ 美意識
が首元に刻まれた「結果」を指す言葉です。
衣紋は、 後から評価される部位でもあります。
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衣紋と抜き衿の違い
混同されがちですが、 衣紋と抜き衿は同義ではありません。
・ 抜き衿:操作・技法
・ 衣紋 :結果・状態
抜き衿という操作を行った結果、 首元に生じた空間が衣紋です。
・ 衣紋 :結果・状態
抜き衿という操作を行った結果、 首元に生じた空間が衣紋です。
そのため、 抜き衿がなくても衣紋は生まれますし、 抜きすぎれば衣紋は崩れます。
時代による衣紋の考え方
衣紋の扱いは、 時代ごとに大きく異なります。
・ 平安:衣紋を作らない(詰める)
・ 中世:実用重視、衣紋は不要
・ 江戸:衣紋が美の中心へ
特に江戸後期、 町人文化の成熟とともに、 衣紋の量と影が美の評価軸になります。
・ 中世:実用重視、衣紋は不要
・ 江戸:衣紋が美の中心へ
特に江戸後期、 町人文化の成熟とともに、 衣紋の量と影が美の評価軸になります。
衣紋は、 町人美意識の象徴でした。
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男女で異なる衣紋
衣紋の意味は、 男女で大きく異なります。
・ 女性:余白・色気・柔らかさ
・ 男性:基本的に作らない
・ 男性:基本的に作らない
男着物では、
・ 衣紋を抜かない
・ 衿を詰める
のが原則で、 衣紋は最小限に抑えられます。
・ 衣紋を抜かない
・ 衿を詰める
のが原則で、 衣紋は最小限に抑えられます。
これは、 動作と規律を優先する思想によるものです。
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衣紋の「良し悪し」は何で決まるか
良い衣紋とは、 大きさではありません。
評価基準は、
・ 左右対称
・ 影が自然
・ 前衿が詰まっている
・ 左右対称
・ 影が自然
・ 前衿が詰まっている
逆に、
・ 抜きすぎ
・ 背中全体が落ちる
・ 肩線が崩れる
と、衣紋は「だらしなさ」に見えます。
・ 抜きすぎ
・ 背中全体が落ちる
・ 肩線が崩れる
と、衣紋は「だらしなさ」に見えます。
衣紋は、 制御された余白でなければなりません。
衣紋は「触らない」ことで完成する
衣紋は、 一度整えたら触らないのが基本です。
・ 引き直さない
・ 直そうとしない
・ 所作に任せる
衣紋は、 静止ではなく、動きの中で保たれる形。
・ 引き直さない
・ 直そうとしない
・ 所作に任せる
衣紋は、 静止ではなく、動きの中で保たれる形。
手で維持しようとした瞬間、 衣紋は死にます。
現代における衣紋
現代では、
・ 衣紋抜き
・ うそつき襦袢
・ 簡略着付け
によって、 衣紋は「作れる形」になりました。
・ 衣紋抜き
・ うそつき襦袢
・ 簡略着付け
によって、 衣紋は「作れる形」になりました。
それでも本質は変わらず、 姿勢と所作が最終的に衣紋を決める。 衣紋は、 道具では完成しません。
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まとめ
・ 衣紋は首元に現れる結果
・ 抜き衿とは操作と結果の違い
・ 江戸期に美意識として確立
・ 男女で役割が異なる
・ 制御された余白が美を生む
・ 抜き衿とは操作と結果の違い
・ 江戸期に美意識として確立
・ 男女で役割が異なる
・ 制御された余白が美を生む
名言 「衣紋は作るものではない。 正しく立った者に、あとから現れる影である。」
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