羽織紐の歴史 ― 結ぶためではなく「佇まいを制御する」ための小物
羽織紐は、装身具ではありません。 男子着物において羽織紐とは、「羽織をどう在らせるか」を決める構造部品でした。
羽織紐とは何か（歴史的定義）
羽織紐とは、 羽織の前身頃を軽く留めるための紐状の小物です。
しかし歴史的には、
・ しっかり閉じる
・ 固定する
ためのものではありません。
・ しっかり閉じる
・ 固定する
ためのものではありません。
本質は、 羽織の形を崩さず、佇まいを安定させること。
羽織紐は、 留め具ではなく 姿勢制御装置 として存在していました。
羽織紐は、 留め具ではなく 姿勢制御装置 として存在していました。
リンク
羽織の誕生と羽織紐以前（江戸初期）
羽織が男子の装いとして定着するのは、 江戸時代初期です。
当初の羽織は、
・ 防寒
・ 外出用
の意味合いが強く、 前を閉じる文化は まだ曖昧でした。
・ 防寒
・ 外出用
の意味合いが強く、 前を閉じる文化は まだ曖昧でした。
この時代、 羽織は 「羽織るだけ」の衣 であり、 専用の羽織紐は 必須ではありませんでした。
江戸中期 ― 羽織文化の成熟
江戸中期になると、 町人文化の成熟とともに 羽織の着方が洗練されます。
・ 羽織は開けて着る
・ しかし前が乱れてはならない
・ 風や動作で形が崩れない
・ しかし前が乱れてはならない
・ 風や動作で形が崩れない
この矛盾を解決するために、 軽く留める紐 として羽織紐が定着します。 ここで重要なのは、 閉じないが、崩さない という思想です。
リンク
なぜ「紐」なのか
羽織紐が、 ボタンや留め具ではなく 「紐」であった理由は明確です。
・ 強く固定しない
・ すぐ外せる
・ 位置を微調整できる
・ すぐ外せる
・ 位置を微調整できる
これは、 床文化・脱ぎ着文化と 完全に一致します。 羽織紐は、 鼻緒や腰紐と同系統の思想 で生まれた部品でした。
リンク
武家と町人での羽織紐観
武家にとって羽織紐は、
・ 公的場では控えめ
・ 実用最優先
・ 装飾性を嫌う 存在でした。
・ 公的場では控えめ
・ 実用最優先
・ 装飾性を嫌う 存在でした。
一方町人にとっては、
・ 粋
・ 身だしなみ
・ 佇まいの完成
を示す重要な要素になります。
・ 粋
・ 身だしなみ
・ 佇まいの完成
を示す重要な要素になります。
ただし共通するのは、 羽織紐が主役になることはなかった という点です。
素材と形の変遷
羽織紐の素材は、 時代と階層で変化します。
| 時代 | 主素材 | 意味 |
|---|---|---|
| 江戸中期 | 木綿・絹 | 実用と簡素 |
| 江戸後期 | 絹組紐 | 完成された形式 |
| 近代 | 絹（細紐化） | 装いの調整装置 |
装飾性は増えても、 主張しない という原則は維持されました。
なぜ羽織紐は「中央」に来るのか
羽織紐は、 身体の正中線に位置します。 これは偶然ではありません。
・ 重心を視覚的に中央へ戻す
・ 羽織の左右バランスを取る
・ 所作を安定させる
・ 羽織の左右バランスを取る
・ 所作を安定させる
つまり羽織紐は、 身体軸を整えるための目印 でもありました。 目立たないが、 最も重要な位置です。
リンク
近代以降の誤解
近代以降、 羽織紐は
・ 装飾品
・ アクセサリー
として扱われがちになります。
・ 装飾品
・ アクセサリー
として扱われがちになります。
しかし本来は、 見せるためのものではない。羽織紐が目に留まる着姿は、 歴史的には 「整っていない」 と見なされていました。
まとめ
・ 羽織紐は羽織文化の成熟から生まれた
・ 閉じずに崩さないための装置
・ 紐であること自体が思想
・ 武家と町人で役割は異なるが本質は同じ
・ 羽織紐は佇まいを完成させる最後の部品
・ 閉じずに崩さないための装置
・ 紐であること自体が思想
・ 武家と町人で役割は異なるが本質は同じ
・ 羽織紐は佇まいを完成させる最後の部品
名言「羽織紐とは、結ぶためのものではない。姿勢と沈黙を結ぶためのものである」
着物関連サイトマップのご紹介
着物関連サイトマップをご紹介します。
| 着物関連サイトマップのご紹介 |
|||
| ファッッションTOP > 概要 歴史 素材 裁縫・ミシン スーツ 着物 |
|||
| 着物 > | |||
| 民藝運動 概要 柳宗悦 歴史 用の美 民藝と古着 | |||
| 【格】 概要 歴史 調整(紬) 男子 素材 正絹(歴史) 苧麻(ちょま) 季節・仕立て 歴史 柄 基礎 通年柄 柄 絵羽模様 吉祥文様 亀甲文 花亀甲文 帯揚げ・帯締め 歴史 帯 歴史 男子(種類) 腰紐 歴史 組紐 武家文化 組み方 産地 |
|||
| 【産地】 証紙 概要 歴史 一覧 詳細 |
|||
| 【男子着物】 佇まい 所作 正座 格 概要 何を重ね、何を省くか 中級/上級 季節 概要 袷 羽織 色 素材 絽・紗・麻 帯 小物 羽織紐 色 種類 紺・藍系 歴史 藍四十八色 詳細 鼠系 歴史 袴 歴史 種類 帯締め 種類 裃 羽織 歴史 表は地味・羽裏に凝る 羽織紐 季節 歴史 履物 床文化と履物 足袋 歴史 草履 歴史 雪駄 歴史 構造 素材 自作 ゴム底 サイズ 鼻緒 歴史 調整 自作 踵金具 歴史 産地 概要 |
|||
| 【茶道と着物】 種類 紬 概要 歴史 紬以外の着物 格の調整 お召 小紋 歴史 絣(かすり) 色無地 歴史 紬 先染め/後染め 先染め/後染め 概要 歴史 後染め 産地 |
|||
| 【着物を作る】 採寸 概要 おはしょり 引きずる着方 袖丈 寸法直し 男子寸法 足丈の位置 |
ファッション関連サイトマップのご紹介
ファッション関連サイトマップをご紹介します。
| ファッション関連サイトマップのご紹介 |
|||
| ファッッションTOP > 概要 歴史 素材 裁縫・ミシン | |||
| 服飾 概要 服飾とファッションの違い ファッション 概要 モード 概要 役割 自己表現 文化・社会 機能 構成要素 衣服 アクセサリー ヘアスタイル カラー・シルエット 歴史 世界史 イギリス フランス イタリア アメリカ ドイツ スペイン 日本 素材 ウール|ジーンズ・デニム(基礎 構造 歴史・文化 スタイル ブランド ビンテージ LEVI’S Lee Wrangler 日本 メンテナンス) |
|||
| ファッションの歴史 | |||
| 歴史 世界史 イギリス フランス イタリア アメリカ 日本 世界史 概要 変化 文化的背景 中世 主要素材 フランス 概要 ファッションリーダー イタリア 概要 モード 理由 評価 影響 アメリカ市場 スペイン 歴史 フラメンコ衣装 歴史 水玉模様 |
|||
| 社会的役割（身分・職業・立場の表現） | |||
| 職業 軍服 | |||
| 【裁縫・ミシン】 |
ファッション関連サイトマップのご紹介
ファッション関連ページをご紹介します。
コペンギン・サイトマップ
コペンギンのサイトマップをご紹介します。
| 【コペンギンTOP】サイトマップ | ||||
| コペンギンTOP > ゲーム│ホビー│書籍・マンガ│ | ||||
■■│コペンギンTOP > ゲーム│ホビー│書籍・マンガ│■■ |
||||
| サイトマップ一覧 |
懐かしの名作から最新作までの豊富な品揃え！通販ショップの駿河屋
コペンギンサイトマップ関連ページのご紹介
コペンギン関連ページをご紹介します。
【ゲームTOP】ゲーム関連ページのご紹介
【ゲームTOP】ゲーム関連ページのご紹介
【TOP】ゲーム関連ページのご紹介ご訪問ありがとうございます。今回は、ゲーム関連ページをご紹介します。PS5ソフトELDEN RING
kopenguin.com
2022.03.15
【書籍・雑誌TOP】書籍・雑誌サイトマップ関連ページのご紹介
【書籍・雑誌TOP】書籍・雑誌サイトマップ関連ページのご紹介
書籍・雑誌サイトマップ関連ページのご紹介ご訪問ありがとうございます。今回は、書籍・雑誌サイトマップ関連ページをご紹介します。その他コミック初版)AKIRA(デラックス版) 全6巻セット / 大友克洋
kopenguin.com
2022.03.15
【ホビーTOP】ホビーサイトマップ関連ページのご紹介
【ホビーTOP】ホビーサイトマップ関連ページのご紹介
【TOP】ホビーサイトマップ関連ページのご紹介ご訪問ありがとうございます。今回は、ホビーサイトマップ関連ページをご紹介します。プラモデル1/100 MG MS-09 ドム 「機動戦士ガンダム」
kopenguin.com
2022.03.15