50mm・85mm・135mm のポートレート撮影における“違い”‐“人との距離感”をどう演出したいか

50mm・85mm・135mm のポートレート撮影における“違い”を、実写の感覚に近い形でご紹介します。
◆ まず最初に なぜ焦点距離で“人物写真の印象”が変わるのか?
ポイントは 「撮影距離」 です。
人を大きさ一定に写す場合、焦点距離が長いほど 撮影距離が遠くなり、顔の形が自然に整う(=パースが弱くなる)。
だから
・50mm=近づく → パース強い → 等身大・日常的
・85mm=ちょうど良い距離 → パース自然 → “ポートレートの王道”
・135mm=離れる → パース弱い → 立体感と背景圧縮が強い
・50mm=近づく → パース強い → 等身大・日常的
・85mm=ちょうど良い距離 → パース自然 → “ポートレートの王道”
・135mm=離れる → パース弱い → 立体感と背景圧縮が強い
この違いが写真の印象を大きく左右します。
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◆ ◆ 焦点距離ごとの画作りの違い(テーブル比較)
| 焦点距離 | 写りの特徴 | 距離感 | 背景ボケ | 顔の形 | 適した用途 |
|---|---|---|---|---|---|
| 50mm | 自然で少し広めの画角、環境が写る | 近い(1~2m) | ほどよい | 少しパースあり(鼻が強調されやすい) | 日常感、環境ポートレート、ストリート |
| 85mm | 背景整理が容易、人物に集中 | 中距離(2~3m) | 滑らかで綺麗 | とても自然な顔(パース少ない) | バストアップ、全身、王道ポートレート |
| 135mm | 背景が圧縮され、ドラマチック | 遠い(3.5~5m) | とても大きく美しい | パースほぼなし(顔が上品に) | 芸術的写真、屋外ポートレート、舞台 |
これを見ると 「85mmがバランスの中心」「135mmは芸術的」「50mmは日常」 という役割がはっきりします。
◆ ◆ ① 50mm(標準)
「人と環境の両方」を写したい時に最適。
特徴
・人との距離が近い → 親密な写真になる
・少し広めに写るため背景の“空間”を描きやすい
・パースによって“若く見える”場合がある
・室内でも撮りやすい万能レンズ
・人との距離が近い → 親密な写真になる
・少し広めに写るため背景の“空間”を描きやすい
・パースによって“若く見える”場合がある
・室内でも撮りやすい万能レンズ
向いている撮影
・カフェ、街角、スタジオ小部屋
・ライフスタイル系ポートレート
・全身から半身まで幅広い
・カフェ、街角、スタジオ小部屋
・ライフスタイル系ポートレート
・全身から半身まで幅広い
弱点
・顔のパースが強く、鼻・顎の形が出やすい
・背景がごちゃつきやすい
・顔のパースが強く、鼻・顎の形が出やすい
・背景がごちゃつきやすい
50mmの人物は「生活の匂いがする」。
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◆ ◆ ② 85mm(王道中望遠)
「人物が一番きれいに写る焦点距離」として世界共通。
特徴
・距離がほどよいためモデルも構えない
・顔の形が自然で、パースがちょうどいい
・背景が整理され、人物が浮かび上がる
・室内~屋外まで万能
・距離がほどよいためモデルも構えない
・顔の形が自然で、パースがちょうどいい
・背景が整理され、人物が浮かび上がる
・室内~屋外まで万能
向いている撮影
・バストアップ
・胸から上のポートレート
・大きなボケを使った外ロケ
・初心者が“失敗しない画角”
・バストアップ
・胸から上のポートレート
・大きなボケを使った外ロケ
・初心者が“失敗しない画角”
弱点
・狭い部屋では撮りにくい
・全身を入れるには少し下がる必要あり
・狭い部屋では撮りにくい
・全身を入れるには少し下がる必要あり
85mmの人物は「美しく、王道」になる。
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◆ ◆ ③ 135mm(中望遠~望遠)
ポートレート上級者や写真家が“差別化”で選ぶ焦点距離。
特徴
・背景圧縮が強く、人物が浮き上がる
・ボケが最も大きい
・顔の輪郭が引き締まり、高級感が出る
・被写体との距離が遠いので自然な表情が出る
・背景圧縮が強く、人物が浮き上がる
・ボケが最も大きい
・顔の輪郭が引き締まり、高級感が出る
・被写体との距離が遠いので自然な表情が出る
向いている撮影
・芸術系ポートレート
・外ロケ(緑背景や夜景など)
・舞台袖からの撮影
・密を避けて遠くから撮りたい場面
・芸術系ポートレート
・外ロケ(緑背景や夜景など)
・舞台袖からの撮影
・密を避けて遠くから撮りたい場面
弱点
・室内はほぼ不可能
・距離を取るためコミュニケーションが難しい
・室内はほぼ不可能
・距離を取るためコミュニケーションが難しい
135mmの人物は「彫刻のように立体的」になる。
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◆ ◆ 用途別の最適解(簡単に)
| 用途 | ベストな焦点距離 |
|---|---|
| 室内で全身・半身 | 50mm |
| スタジオでバストアップ | 85mm |
| 屋外でボケを大きくしたい | 85mm / 135mm |
| 芸術的表現・背景圧縮 | 135mm |
| 初めてのポートレート | 85mm 一択 |
◆ ◆ まとめ
・50mmは「日常と親密さ」
・85mmは「美しさと王道」
・135mmは「立体感と芸術性」
・85mmは「美しさと王道」
・135mmは「立体感と芸術性」
そしてどれも“人との距離感”をどう演出したいかで選びます。
名言 「レンズの違いとは、距離の違いであり、距離はそのまま心の距離である。」
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