NIKKOR-Q(ニッコール・キュー)‐クラシック時代のニコンが採用していた独特の命名ルールの一つ

NIKKOR-Q(ニッコール・キュー) は、ニコンのオールドレンズの中でも“世代を象徴する呼び名”です。
これはレンズの設計や描写を理解するうえで とても重要なキーワード なので、歴史的な背景を踏まえて分かりやすくご紹介します。
◆ NIKKOR-Q とは何か
“Q=Quat(クォート)=4枚” を意味し、
レンズ構成が4枚のニッコールレンズ に付けられた名称です。
レンズ構成が4枚のニッコールレンズ に付けられた名称です。
旧ニコンは、レンズ名に 光学構成の枚数をアルファベットで表記していました。
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◆ オールドニッコールの命名規則(重要)
| 表記 | 枚数 | 説明 |
|---|---|---|
| T(NIKKOR-T) | 3枚 | 三枚玉(Triplet) |
| Q(NIKKOR-Q) | 4枚 | 四枚構成(Quat) |
| P(NIKKOR-P) | 5枚 | Five(=Penta) |
| H(NIKKOR-H) | 6枚 | Hexa |
| S(NIKKOR-S) | 7枚 | Septa |
| O(NIKKOR-O) | 8枚 | Octa |
| UD(NIKKOR-UD) | 9枚以上 | Ultra design(主に広角) |
これらは 1960年代〜1970年代初頭のニッコールレンズの伝統記号 です。
例
・NIKKOR-P(5枚)
・NIKKOR-H(6枚)
・NIKKOR-Q(4枚)
・NIKKOR-P(5枚)
・NIKKOR-H(6枚)
・NIKKOR-Q(4枚)
枚数を見るだけで、レンズの性格が一気に分かる仕組みです。
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◆ NIKKOR-Q の代表的なレンズ
| レンズ | 特徴 |
|---|---|
| NIKKOR-Q Auto 135mm f/2.8 | 古典的で柔らかい描写、人物向き |
| NIKKOR-Q Auto 200mm f/4 | スッキリとした色乗り、望遠入門の名玉 |
| NIKKOR-Q 10.5cm f/4(レンジファインダー) | ポートレートで高評価 |
いずれも“初期ニコンらしいクラシックな階調”が魅力です。
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◆ NIKKOR-Q の描写の特徴
1. コントラスト控えめで柔らかい
2. ハイライトに少し滲みがある
3. 人物の肌を優しく描く
4. 金属鏡筒の重厚さと操作感が良い
2. ハイライトに少し滲みがある
3. 人物の肌を優しく描く
4. 金属鏡筒の重厚さと操作感が良い
現代の硬くてシャープな描写とは別物で、
オールドらしい“上品な柔らかさ”が特徴です。
オールドらしい“上品な柔らかさ”が特徴です。
◆ AI・AI-S 化されると表記は消える
1977年以降の AI化 で命名規則が一新され、
Q/P/H/S などの枚数表記は廃止されました。
Q/P/H/S などの枚数表記は廃止されました。
そのため “Q表記があるレンズ=古い世代のニッコール” と判断できます。
◆ どんな人に向いているか
| タイプ | 理由 |
|---|---|
| フィルム的な階調を楽しみたい人 | 滲み・ハイライトの柔らかさが魅力 |
| ポートレートで雰囲気を作りたい人 | シャープすぎない優しい描写 |
| 機械式ニッコールの操作感を味わいたい人 | 金属鏡筒+精密ヘリコイド |
オールドニッコールを始める入口としても非常に良いです。
◆ まとめ
・NIKKOR-Q の “Q” は4枚構成(Quat)の意味 です。
・クラシック時代のニコンが採用していた独特の命名ルールの一つです。
・描写は柔らかく人物向きで、金属鏡筒の操作感も良く、オールドレンズの魅力が詰まっています。
・クラシック時代のニコンが採用していた独特の命名ルールの一つです。
・描写は柔らかく人物向きで、金属鏡筒の操作感も良く、オールドレンズの魅力が詰まっています。
名言 「レンズの名に刻まれた文字は、光学の歩みを語る小さな歴史である。」
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