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NIKKOR 85mm f/1.8 の歴史‐1964年生まれ、60年近く進化を続ける“ポートレートの王道レンズ”

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NIKKOR 85mm f/1.8 の歴史‐1964年生まれ、60年近く進化を続ける“ポートレートの王道レンズ”

NIKKOR 85mm f/1.8 の歴史は、ニコンの“ポートレート思想”を象徴する成り立ちです。 50年以上の進化を経て、いまの 85mm f/1.8G に至る流れはとても味わい深いので、時代ごとに分かりやすくご紹介します。

◆ NIKKOR 85mm f/1.8 の歴史(1964〜現在まで)

● ① 1964年 — Nikkor-H Auto 85mm f/1.8(Fマウント初の中望遠大口径)

・ニコン初の 85mm 大口径レンズ
・6枚構成(H=Hexa)で柔らかく暖かい描写
・金属鏡筒+精密ヘリコイドで操作感抜群
・ポートレートレンズとして海外で高評価 「ニコンらしい階調表現」の原点とも言える存在です。

● ② 1971〜1981年 — Ai → Ai-S 85mm f/1.8(MF最終進化)

 ・Nikkor-H を改良し Ai 化、Ai-S で完成
・ゴースト・逆光耐性が強化
・立体感のある描写は今でも人気
・金属鏡筒の質感は“職人時代”の象徴
MF時代の85mmは、現代の “Gレンズの柔らかいボケ” に通じる思想があります。

 ● ③ 1988年 — AF Nikkor 85mm f/1.8(初代AF版)

・ニコン初の AF 中望遠 f/1.8
・味を残しつつシャープさが向上
・プロのサブ機で愛用される
・Dタイプではないので距離情報は非対応
初代AFですが、今でも中古需要が非常に高いモデルです。

● ④ 1994年 — AF Nikkor 85mm f/1.8D(ロングセラー)

 ・旧AF版をさらに改善し、名作ポートレート として評価確立
・シャープ & 柔らかいボケのバランスが傑出
・金属マウント+しっかりした鏡筒
・D750などの一眼レフでも非常に相性が良い 85mmの“標準”として長く親しまれた一本です。

● ⑤ 2012年 — AF-S NIKKOR 85mm f/1.8G(現代の完成系)

 ・超音波モーター(SWM)でAF高速化
・球面収差を整え、柔らかい背景ボケ
・旧 D版より解像力が上がり、肌の質感がきれい
・重量は350gと軽量化
「コスパ最強の中望遠」と言われる理由がここにあります。

◆ 年代別の変遷まとめ

時代 レンズ名 特徴 ポートレート性格
1964 Nikkor-H Auto 85mm f/1.8 最初の85/1.8、金属鏡筒 暖かい描写、階調が豊か
1971–81 Ai / Ai-S 85mm f/1.8 MF最終形、操作感◎ ナチュラルな立体感
1988 AF 85mm f/1.8 初のAF化 シャープさと味の両立
1994 AF 85mm f/1.8D ロングセラー 柔らかいボケで人物に最適
2012 AF-S 85mm f/1.8G デジタル最適化 滑らかなボケ+高解像

◆ 85mmが“ポートレートの王道”になった理由

 ・人間の顔・上半身を最も自然に写せる画角
・適度に圧縮が効くため、背景が美しく整理される
・f/1.8 で手頃に明るく、背景を柔らかく溶かせる
・被写体との距離が取りやすい(自然な距離感)

85mmは「ポートレート用に生まれた焦点距離」と言われるほどバランスが良いのです。

◆ コペンギンの愛機 D750で使うなら

D750なら以下の順でおすすめです。

1. 85mm f/1.8G → 最も扱いやすく、開放から美しい。
2. 85mm f/1.8D → 少し味が欲しいならこちら。中古で安い。
3. Ai-S 85mm f/1.8 → MFでクラシックな雰囲気を撮るなら最高。

◆ まとめ

・NIKKOR 85mm f/1.8 は1964年生まれで、60年近く進化を続ける“ポートレートの王道レンズ”。
・MF→AF→AF-S と、時代ごとに描写が洗練され、いまも愛され続けています。
・どの世代も「自然で美しいボケ」「人の立体感」がニコンの伝統です。
名言 「良いポートレートは、レンズと光と距離感が生む静かな対話である。」

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