カメラの歴史

1. カメラ・オブスクラの時代（古代〜19世紀初頭）
・カメラ・オブスクラ（暗箱） 古代ギリシャや中国の記録にも残る、光学現象を利用した装置。外部の景色を小さな穴を通して投影する仕組み。
・17世紀には、レンズを取り付けることでより鮮明な投影が可能に。

2. 写真の誕生（19世紀）
・1826年 ニセフォール・ニエプスが世界初の写真を撮影（感光性の物質を使用し、8時間の露光が必要）。
・1839年 ルイ・ダゲールが「ダゲレオタイプ」を発表。銀メッキした銅板を感光させる方法で、鮮明な画像を作成。
・1841年 ウィリアム・タルボットが「カロタイプ」を発明。紙を使ったネガ・ポジ方式で、複製が可能に。

3. 乾板写真とフィルムの登場（19世紀後半〜20世紀初頭）
・1871年 リチャード・マドックスがゼラチン乾板を開発し、露光時間を短縮。
・1888年 ジョージ・イーストマンが「コダック」カメラを発売。「You press the button, we do the rest.（あなたがボタンを押せば、あとは私たちがやります。」のキャッチフレーズで、一般人にも写真が普及。
・1900年 「ブローニー」カメラが発売。安価でシンプルな設計のため、さらに大衆化。

4. 35mmフィルムと一眼レフの登場（20世紀前半）
・1925年 「ライカ I」が発売され、35mmフィルムカメラが一般化。
・1936年 「キネ・エキザクタ」が登場し、世界初の35mm一眼レフ（SLR）カメラに。
・1948年 「ポラロイド 95」が発売され、即席写真（インスタント写真）が可能に。

5. 日本のカメラ産業の発展（20世紀後半）
・1950年代 ニコン、キヤノン、ペンタックスなどの日本メーカーが台頭し、高品質なカメラを生産。
・1959年 「ニコン F」が登場し、一眼レフカメラの標準となる。
・1970年代〜80年代 電子制御のカメラが普及し、オートフォーカス技術も発展。

6. デジタルカメラの登場（20世紀後半〜現在）
・1981年 ソニーが世界初の電子スチルカメラ「マビカ」を発表。
・1990年代 CCD（電荷結合素子）やCMOSセンサーの発展により、デジタルカメラが普及。
・1999年 ニコン「D1」が発売され、本格的なデジタル一眼レフ（DSLR）時代に突入。

7. スマートフォンカメラの台頭（21世紀）
・2007年 iPhoneの登場により、スマートフォンカメラが急速に進化。
・2010年代 AIやマルチレンズ技術が進化し、スマートフォンのカメラが一眼レフに匹敵する性能を持つように。