NIKKOR Auto(ニッコール・オート)‐1960〜1977年の非AI・自動絞りレンズの総称

「NIKKOR Auto(ニッコール・オート)」は、オールドニッコールの中でも “歴史の中核” にあるシリーズです。
現代のAI・AI-S・AFレンズに続く すべてのニコンレンズの原点 と言える存在です。
◆ NIKKOR Auto とは?
「Auto」=自動絞り(Automatic diaphragm)」 の意味で、
1960年代〜1977年の AI化以前のニッコールレンズ に付けられた名称です。
・“オートフォーカス”のAutoではありません
・自動絞り(シャッター時に絞りが自動で閉じる)を指します
・自動絞り(シャッター時に絞りが自動で閉じる)を指します
つまり
Auto=「撮影時だけ絞り込まれる仕組みを持つレンズ」 という時代の技術用語です。
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◆ NIKKOR Auto が生まれた時代背景(1960〜1977)
Fマウント誕生(1959)後、
ニコンは
・自動絞り
・光学名玉の大量生産
・完全金属鏡筒
・職人のヘリコイド精度
を本格化させました。
・光学名玉の大量生産
・完全金属鏡筒
・職人のヘリコイド精度
を本格化させました。
この「油の匂いのする時代」の代表が NIKKOR Auto です。
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◆ NIKKOR Auto の特徴
| 特徴 | 説明 |
|---|---|
| 名称に “Auto” | 自動絞り方式(フォーカス時は開放→撮影時だけ絞る) |
| 絞り値の伝達が機械式(非AI) | カメラに絞りを伝えるのに“ウサギ耳”が必要 |
| 金属鏡筒・真鍮ヘリコイド | 非常に滑らかで重厚 |
| 光学的に味が濃い | 設計の個性が強く、収差も美しい |
| 命名規則のアルファベット | Q(4枚)P(5枚)H(6枚)S(7枚)など |
現代レンズには無い“味の宝庫”です。
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◆ 主要な NIKKOR Auto シリーズと名玉
| 表記 | 意味 | 代表レンズ | 描写の特徴 |
|---|---|---|---|
| T | 3枚 | 105mm f/4 | 初期ならではの柔さ |
| Q | 4枚 | 135mm f/2.8 | 古典的で優しいボケ |
| P | 5枚 | 105mm f/2.5(初期) | ソンナー型の名玉 |
| H | 6枚 | 50mm f/2 | 滑らかで階調豊か |
| S | 7枚 | 50mm f/1.4 | 立体感のある描写 |
とくに NIKKOR-P Auto 105mm f/2.5 は世界的評価が非常に高いレンズです。
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◆ Auto と AI・AI-S の違い(操作・構造)
| 項目 | Auto | AI / AI-S |
|---|---|---|
| 絞り連動 | ウサギ耳 + 手動セット | 自動連動(Automatic Indexing) |
| 制御精度 | 機械の味が大きい | より正確・滑らか |
| 操作性 | 重厚・クラシック | 洗練・軽快 |
| 露出の扱いやすさ | 装着時に“ガチャガチャ”操作必要 | 装着で即露出計可 |
| デジタルでの使いやすさ | 工夫が必要(Non-Ai問題) | そのまま使える |
AI化で操作性が大きく進化しましたが、 描写の味やクラシック性は Auto期が最も濃い とされます。
◆ NIKKOR Auto の魅力(現代から見た価値)
・写りに“収差の味”がある
・ハイライトが柔らかい
・コントラスト低めでクラシック風
・金属鏡筒の操作感が極上
・整備すれば長寿命
・価格が手頃でコレクションにも最適
・ハイライトが柔らかい
・コントラスト低めでクラシック風
・金属鏡筒の操作感が極上
・整備すれば長寿命
・価格が手頃でコレクションにも最適
とくにポートレート撮影では 現代レンズにはない雰囲気・立体感 が得られます。
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◆ Autoレンズが好きな人の傾向(写真家タイプ)
| タイプ | 理由 |
|---|---|
| クラシック描写重視 | 滲み・柔らかさが特徴的 |
| フィルム的階調が欲しい | 1960–70年代の雰囲気が出る |
| 金属鏡筒の操作感フェチ | 重み・ヘリコイド感が最高 |
| オールドレンズ収集家 | 世代ごとに個性が豊富 |
◆ まとめ
・NIKKOR Auto は1960〜1977年の非AI・自動絞りレンズの総称 です。
・アルファベット(Q・P・H・S …)で光学枚数を表し、個性豊かな名玉が多数存在します。
・この時代にニコンレンズの“味と操作感”が誕生し、後のAI・AI-Sへ繋がる基礎が完成しました。
・アルファベット(Q・P・H・S …)で光学枚数を表し、個性豊かな名玉が多数存在します。
・この時代にニコンレンズの“味と操作感”が誕生し、後のAI・AI-Sへ繋がる基礎が完成しました。
名言 「古いレンズの味は、時代が光に刻んだ記憶である。」
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