パリ大学の歴史
パリ大学（Université de Paris）は、中世ヨーロッパで最も重要な大学の一つであり、学問の発展に大きく貢献しました。特に神学の中心地として名を馳せ、ヨーロッパ中から学生が集まりました。その後、フランス革命期に一度廃止され、19世紀に再編され、20世紀には複数の大学に分割されました。以下、パリ大学の歴史を時代ごとに整理します。
| 時代 | 主な出来事 | 特徴 |
|---|---|---|
| 1. 創設と中世の発展（12〜15世紀） | ・1200年：フィリップ2世が学生特権を認める ・1215年：正式な大学組織として成立 ・1231年：大学の自治が認められる ・1257年：ソルボンヌ設立 |
・ノートルダム大聖堂付属の学校が起源 ・ネイション制度 ・4学部構成（神学、法学、医学、芸術） |
| 2. ルネサンス・近世（16〜18世紀） | ・1530年：王立コレージュ設立 ・16〜17世紀：宗教改革と対抗宗教改革 ・18世紀：啓蒙思想家の登場 |
・人文学や科学の発展 ・カトリックの影響強化 ・伝統的大学制度への批判 |
| 3. フランス革命とナポレオン時代（18〜19世紀） | ・1793年：パリ大学廃止 ・1806年：フランス大学制度導入 |
・教育の世俗化 ・専門教育機関の設立 ・国家管理下での運営 |
| 4. 19世紀〜20世紀 近代化と分割 | ・1896年：パリ大学として再編 ・1970年：13の独立大学に分割 |
・科学・医学・法学の発展 ・学生運動による改革 ・専門分野別の大学設立 |
| 5. 21世紀の再統合と現在 | ・2018年：ソルボンヌ大学設立 ・2019年：パリ大学設立 |
・大学の再統合 ・国際的な研究機関としての地位確立 |
1. 創設と中世の発展（12〜15世紀）
(1) 創設の背景
・パリ大学の起源は、12世紀にさかのぼります。
・ノートルダム大聖堂に付属する学校で神学教育が行われていたのが始まり。
・12世紀後半には、各地から学者や学生が集まり、パリの学問の中心となる。
・パリ大学の起源は、12世紀にさかのぼります。
・ノートルダム大聖堂に付属する学校で神学教育が行われていたのが始まり。
・12世紀後半には、各地から学者や学生が集まり、パリの学問の中心となる。
(2) 正式な大学への発展
・1200年 フランス国王フィリップ2世（フィリップ・オーギュスト）が学生の特権を認める。
・1215年 ローマ教皇インノケンティウス3世の承認により、正式な大学組織として成立。
・1231年 教皇グレゴリウス9世が「Parens scientiarum（学問の母）」勅書を発布し、大学の自治が認められる。
・1200年 フランス国王フィリップ2世（フィリップ・オーギュスト）が学生の特権を認める。
・1215年 ローマ教皇インノケンティウス3世の承認により、正式な大学組織として成立。
・1231年 教皇グレゴリウス9世が「Parens scientiarum（学問の母）」勅書を発布し、大学の自治が認められる。
(3) カレッジ制度の確立
・パリ大学は、学生の出身地ごとに「ネイション（nation）」と呼ばれる自治組織を持っていた。
・1257年 ロベール・ド・ソルボンによってソルボンヌ（Sorbonne）が設立され、神学教育の中心となる。
・学部の構成 ・神学部（最も権威があった） ・法学部 ・医学部 ・芸術学部（基礎教育を行う）
・パリ大学は、学生の出身地ごとに「ネイション（nation）」と呼ばれる自治組織を持っていた。
・1257年 ロベール・ド・ソルボンによってソルボンヌ（Sorbonne）が設立され、神学教育の中心となる。
・学部の構成 ・神学部（最も権威があった） ・法学部 ・医学部 ・芸術学部（基礎教育を行う）
2. ルネサンス・近世（16〜18世紀）
(1) ルネサンス期の発展（16世紀）
・人文学や科学の発展とともに、カトリックの影響を受けながらも学問が発展。
・1530年 フランソワ1世が王立コレージュ（Collège de France）を設立し、ラテン語やギリシャ語の研究が盛んになる。
・人文学や科学の発展とともに、カトリックの影響を受けながらも学問が発展。
・1530年 フランソワ1世が王立コレージュ（Collège de France）を設立し、ラテン語やギリシャ語の研究が盛んになる。
(2) 宗教改革と対抗宗教改革（16〜17世紀）
・16世紀 カトリックの影響が強く、プロテスタントの学者はパリ大学から排除された。
・17世紀 イエズス会が教育に関与し、学問の内容が強く管理される。
・16世紀 カトリックの影響が強く、プロテスタントの学者はパリ大学から排除された。
・17世紀 イエズス会が教育に関与し、学問の内容が強く管理される。
(3) 啓蒙時代と大学の変化（18世紀）
・18世紀 ヴォルテールやディドロといった啓蒙思想家が登場し、大学教育の在り方が問われるようになる。
・フランス革命（1789年）の影響で、伝統的な大学制度が批判される。
・18世紀 ヴォルテールやディドロといった啓蒙思想家が登場し、大学教育の在り方が問われるようになる。
・フランス革命（1789年）の影響で、伝統的な大学制度が批判される。
3. フランス革命とナポレオン時代（18〜19世紀）
(1) フランス革命による大学の解体（1793年）
・1793年 フランス革命政府がパリ大学を廃止（教会の影響を排除し、教育の世俗化を進めるため）。
・代わりに、より専門的な教育機関（エコール・ポリテクニーク、医学学校など）が設立される。
・1793年 フランス革命政府がパリ大学を廃止（教会の影響を排除し、教育の世俗化を進めるため）。
・代わりに、より専門的な教育機関（エコール・ポリテクニーク、医学学校など）が設立される。
(2) ナポレオン時代の再編（1806年）
・1806年 ナポレオン・ボナパルトが「フランス大学（Université de France）」制度を導入し、教育を国家管理下に置く。
・パリ大学は復活したが、ナポレオンの厳格な中央集権体制のもとで運営されるようになった。
・1806年 ナポレオン・ボナパルトが「フランス大学（Université de France）」制度を導入し、教育を国家管理下に置く。
・パリ大学は復活したが、ナポレオンの厳格な中央集権体制のもとで運営されるようになった。
4. 19世紀〜20世紀 近代化と分割
(1) 19世紀の発展
・科学・医学・法学の発展に伴い、大学教育が充実。
・1896年 「パリ大学（Université de Paris）」として再編される。
・科学・医学・法学の発展に伴い、大学教育が充実。
・1896年 「パリ大学（Université de Paris）」として再編される。
(2) 20世紀の分割（1968年〜1970年）
・1968年の五月革命（学生運動）により、大学制度改革が進む。
・1970年 パリ大学は、13の独立した大学（パリ第1大学〜パリ第13大学）に分割される。
例
・パリ第1大学（パンテオン・ソルボンヌ） 経済・法学
・パリ第4大学（ソルボンヌ） 人文学
・パリ第6大学（ピエール・エ・マリー・キュリー） 理学
・1968年の五月革命（学生運動）により、大学制度改革が進む。
・1970年 パリ大学は、13の独立した大学（パリ第1大学〜パリ第13大学）に分割される。
例
・パリ第1大学（パンテオン・ソルボンヌ） 経済・法学
・パリ第4大学（ソルボンヌ） 人文学
・パリ第6大学（ピエール・エ・マリー・キュリー） 理学
5. 21世紀の再統合と現在
(1) 大学の再編成（2018年〜2020年）
・2018年〜2020年にかけて、いくつかの大学が統合される。
ソルボンヌ大学（Sorbonne Université）（2018年設立）
・パリ第4大学（ソルボンヌ）とパリ第6大学（理学部）が統合。
・パリ大学（Université de Paris）（2019年設立）
・パリ第5大学（医学）とパリ第7大学（科学・人文）が統合。
・2018年〜2020年にかけて、いくつかの大学が統合される。
ソルボンヌ大学（Sorbonne Université）（2018年設立）
・パリ第4大学（ソルボンヌ）とパリ第6大学（理学部）が統合。
・パリ大学（Université de Paris）（2019年設立）
・パリ第5大学（医学）とパリ第7大学（科学・人文）が統合。
(2) 現在の状況
・現在、フランスの大学制度は分散化しているが、「ソルボンヌ」という名称は引き続き使用されている。
・フランス国内外で高い評価を受ける研究機関となっており、多くの分野で国際的な影響力を持つ。
・現在、フランスの大学制度は分散化しているが、「ソルボンヌ」という名称は引き続き使用されている。
・フランス国内外で高い評価を受ける研究機関となっており、多くの分野で国際的な影響力を持つ。
6. まとめ
✅ パリ大学は、12世紀に設立され、中世ヨーロッパを代表する大学となった。
✅ ソルボンヌの神学部は特に有名で、ヨーロッパ中から学生が集まった。
✅ フランス革命で一度廃止されるが、19世紀に復活し、20世紀に13の大学に分割。
✅ 21世紀に入り、いくつかの大学が再統合され、「ソルボンヌ大学」「パリ大学」などの名称で存続している。
✅ ソルボンヌの神学部は特に有名で、ヨーロッパ中から学生が集まった。
✅ フランス革命で一度廃止されるが、19世紀に復活し、20世紀に13の大学に分割。
✅ 21世紀に入り、いくつかの大学が再統合され、「ソルボンヌ大学」「パリ大学」などの名称で存続している。
パリ大学は、ヨーロッパの学問の中心地として長い歴史を持ち、現在も世界トップクラスの教育・研究機関として発展を続けています。
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