食文化・料理

茶外茶 ― 茶ではないが、茶として飲まれたもの

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茶外茶 ― 茶ではないが、茶として飲まれたもの

夏の昼下がり。 急須ではなく、やかんから湯呑へ注がれる一杯。 それは茶葉ではないけれど、 誰も疑わず「お茶」と呼んでいました。

茶外茶とは何か

茶外茶(ちゃがいちゃ)とは、 チャノキ(Camellia sinensis)を原料としない飲料 でありながら、 日本の生活の中で「茶」として飲まれてきたものを指します。 分類上は茶ではありませんが、 飲用場面・道具・呼称が茶と同一であったため、 文化的には茶の一部として扱われてきました。

なぜ「茶」と呼ばれたのか

日本において「茶」とは、 必ずしも植物学的な定義ではありません。
・湯を注いで飲む
・日常的に供される
・水と嗜好品の中間にある
この条件を満たす飲み物は、 原料に関わらず「茶」として受け入れられました。 その結果、 穀物・豆・種子由来の飲料も 自然に茶の枠へ組み込まれます。

代表的な茶外茶

名称 原料 主な役割
麦茶 大麦 夏の水分補給
焙じ茶 番茶(焙煎) 刺激の調整
玄米茶 茶葉+米 かさ増し・香り
黒豆茶 黒大豆 滋養・温養

※ 焙じ茶・玄米茶は茶葉を含みますが、 主役が焙煎穀物である点 から、 茶外茶的性格を併せ持ちます。

江戸時代での位置づけ

江戸時代、 茶外茶は嗜好品ではありませんでした。
・安価 ・大量に作れる
・刺激が少ない
という性質から、 生活維持のための飲料 として位置づけられます。 番茶・煎茶が「味わう茶」へ向かう一方、 茶外茶は 体調・季節・時間帯を調整する役割を担いました。

茶外茶と階層意識

茶外茶は、 下位の代用品ではありません。 江戸の感覚では、 「安いから飲む」のではなく、 「今はこれが適切だから飲む」 という選択でした。 夏に麦湯、 夜に焙じ茶、 寒い日に黒豆茶。 用途が明確であったため、 評価軸は味よりも実用性にありました。

近代以降の再評価

近代になると、 茶外茶は健康飲料として再解釈されます。 ノンカフェイン、 ミネラル、 機能性成分。 しかし本来の価値は、 医学的効能よりも、 無理なく飲み続けられること にありました。

まとめ

茶外茶は、 茶文化の周縁ではありません。 むしろ、 毎日の体を支える中心にありました。 味わうための煎茶があり、 所作を極める茶の湯があり、 その隣で、 黙って喉を潤す茶外茶がありました。 日本の「お茶」は、 最初から一種類ではなかったのです。
「役に立つものは、名を選ばない」

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