上新粉の歴史 ―「噛み切れる米」が選ばれてきた理由

上新粉は、主役にならない粉です。それでも日本の行事から、静かに外れたことはありません。

上新粉の原点は、 うるち米を挽いて食べるという極めて実用的な発想にあります。

・もち米は貴重
・日常食はうるち米
・粘りは必須ではない

この前提のもと、 噛み切れる団子や供物が求められました。
それに応えたのが、うるち米由来の上新粉です。

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古代から中世にかけて、団子は主に、・神事・祭礼・祖霊供養のために作られていました。

重要だったのは、
・形が崩れにくい
・切り分けやすい
・腐りにくい
粘りの強い餅ではなく、 上新粉的な性質の粉が自然に選ばれていきます。

江戸時代になると、
・都市部の人口増加
・屋台文化の発展
・行事菓子の定型化が進みます。

この時代、上新粉は、
・花見団子
・月見団子
・みたらし団子
といった 大量に作り、配る菓子の基礎素材として定着しました。

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もし団子がすべて餅だったなら、
・喉に詰まりやすい
・冷えると硬すぎる
・大量生産に不向きという問題が出ます。

上新粉は、
・伸びない
・噛み切れる
・冷めても扱いやすい
公共性の高い菓子を可能にしました。

近代以降も上新粉は、・正月・彼岸・祭り・学校行事といった 地域のハレの日に使われ続けています。

餅ほど重くなく、白玉ほど柔らかすぎない
。上新粉は、 日常と非日常の中間を担う存在になりました。

・上新粉はうるち米の粉
・供物文化から発展した
・江戸期に団子文化を確立
・噛み切れることが最大の価値
・行事と日常をつなぐ粉

名言「伸びない選択が、文化を長生きさせる。」

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