アルカリ性の歴史‐古代の灰汁から始まり、近代工業の発展を支え、現代では環境対応型へ進化

古代エジプト・メソポタミア
・木灰やナトロン（炭酸ナトリウムを含む鉱物）を利用して石けんや漂白に活用。
・紀元前2000年頃から「灰汁（あく）」が洗浄に使われていた記録あり。

古代ギリシア・ローマ
・灰と動物脂を混ぜた石けんを使用。
・「アルカリ」という言葉は、アラビア語 al-qaly（植物灰） に由来。

17世紀
ヨーロッパで灰汁から炭酸カリウム（K₂CO₃）が得られ、ガラスや石けん製造に重要視。

18世紀
フランスの化学者ルブランが「ルブラン法（Na₂CO₃の工業製造法）」を発明。ソーダ工業の始まり。

19世紀前半
・苛性ソーダ（水酸化ナトリウム）・苛性カリ（水酸化カリウム）が工業的に製造されるようになる。
・製紙、染色、石けん産業に不可欠な存在となる。

19世紀後半
・「ソルベー法」による炭酸ナトリウム大量生産が始まり、世界中でアルカリ工業が急拡大。

20世紀
・アルカリは「基礎化学製品」として石油化学と並ぶ地位を確立。
・苛性ソーダ（NaOH）、苛性カリ（KOH）は、洗剤、紙、繊維、金属精錬、食品加工に広く利用。
・アルカリ電池の電解液としても利用。

21世紀 環境配慮型へ
・リン酸塩の代替として炭酸ナトリウム・重曹などが再評価。
・強アルカリ洗浄剤も「無リン・低刺激」処方に改良。