エタノールの歴史‐酒は神が人間を愛している証拠だ

・紀元前6000年頃 メソポタミアでワインが造られ、自然発酵によるエタノール飲料が登場。
・紀元前3000年頃 エジプトでビールが生産され、宗教儀式や医療にも利用。
・古代ギリシャ・ローマ 酒を「神々の贈り物」として医療や祭祀に活用。

・8〜9世紀 イスラム世界で蒸留技術が発達。錬金術師が「蒸留酒（アクア・ヴィテ＝生命の水）」を抽出。
・12世紀 ヨーロッパに蒸留技術が伝わり、薬用酒・リキュールとして普及。
・14世紀 イタリア・修道院で蒸留酒の改良 → 医療用に「万能薬」として使用。

 ・18世紀 化学者ラヴォアジエがエタノールを科学的に分析。 ・19世紀初頭 工業用アルコールとして利用開始（燃料・溶剤）。
・1850年代 アメリカでランプ燃料に使用されたが、安価な石油の登場で衰退。
・医学利用 消毒・麻酔の補助薬としても利用される。

 ・第一次世界大戦 軍需用（爆薬製造、燃料、消毒液）に大量消費。
・禁酒法時代（1920〜1933, 米国） 工業用エタノールを飲用防止のため「変性アルコール」に加工。
・1920〜30年代 自動車燃料（エタノール混合ガソリン＝ガソホール）が登場。
・第二次世界大戦 医療用消毒剤・燃料代替品として需要増大。

 医療用途
・消毒用エタノール（70〜80%水溶液が最も殺菌力が高い）
・COVID-19パンデミック（2020〜）で世界的に需要爆発。

燃料用途
・ブラジルではサトウキビ由来エタノール燃料が普及。
・米国でもトウモロコシ由来のバイオエタノールをガソリンに混合。

工業用途
・香料、医薬品、化粧品、塗料の溶剤
・環境対応溶剤としても注目

・エタノール 飲料・医療用として安全性が高い。水と親和性が強い。
・IPA 消毒力は強いが飲用不可。電子機器洗浄に適する。