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南部イタリア(カンパニア・プーリア・カラブリア・シチリアを中心とした地域)のパスタの歴史

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南部イタリア(カンパニア・プーリア・カラブリア・シチリアを中心とした地域)のパスタの歴史

南部イタリア(カンパニア・プーリア・カラブリア・シチリアを中心とした地域)のパスタの歴史を、北部・中部との違いも交えてご紹介します。 このエリアは「太陽と海風のデュラム小麦地帯」であり、乾燥パスタ文化の中心地です。

1. 地理と文化背景

地域範囲 カンパニア、プーリア、カラブリア、シチリア、バジリカータなど。
気候・農業
・温暖少雨の地中海性気候。日照と海風による自然乾燥に最適。
・デュラム小麦の栽培に適し、硬質小麦パスタの産地として発展。
文化的影響
古代ギリシャ、フェニキア、アラブ、スペイン、ノルマンなど、多様な文明の交差点。
・アラブ世界から乾燥麺や香辛料、砂糖の利用がもたらされる。

2. 歴史的変遷

古代(ギリシャ・ローマ期)
・カンパニアやシチリアは古代ギリシャの植民地(マグナ・グラエキア)として発展。
・小麦加工技術と平板状パスタ「ラガナム」が広まる。
中世(9〜14世紀)
・アラブ商人により乾燥パスタ技術がシチリアに伝来(特にパレルモ周辺)。
・「イトリヤ(itriyya)」と呼ばれる長い乾麺が記録に残る。
・港町を中心に乾燥パスタが貯蔵・交易される文化が成立。
ルネサンス〜17世紀
・ナポリで「マッケローニ(maccheroni)」が庶民食として普及。
・シチリアでは魚介・ナッツ・レーズンを使うアラブ由来の甘辛パスタが定着。
・プーリアではショートパスタ(オレキエッテ)が形成され、ブロッコリ・カヴォロとの組み合わせが定番化。
18〜19世紀
・カンパニアのグラニャーノがパスタ乾燥の名産地に。
・海風と太陽による自然乾燥に加え、石臼挽きとブロンズダイス押出し技術が確立。
・カラブリアでは唐辛子と乾燥パスタ文化が融合。
・港町から南北へパスタ文化が輸出され、全国に波及。
20世紀以降
・工業的乾燥法の確立で一年中安定した品質のパスタが生産可能に。
・世界輸出の主力産地としてブランド化(例 バリラ、ディ・チェコ)。
・観光地化に伴い、郷土料理としてのパスタ(カンノーリの皮も含む小麦文化)が注目される。

3. 南部特有のパスタ形状とソース例

地域 主なパスタ形状 特徴的なソース・具材
カンパニア スパゲッティ、リングイネ プッタネスカ、ヴォンゴレ
プーリア オレキエッテ ブロッコレッティ、アンチョビ
カラブリア ファイルヤ(手打ち棒巻き麺) トマト+唐辛子ソース
シチリア ブジアーテ、カサレッチェ サルデ・ア・ベッカフィーコ(イワシ+松の実+レーズン)、ノルマ風
バジリカータ フジッリ 肉ラグー、羊乳チーズ

4. 歴史的意義

・南部は乾燥パスタの本場であり、保存性・輸送性を備えた食品として地中海全域へ広がった。
・アラブ文化の影響で、甘味と塩味・香辛料を組み合わせる独特の味覚が残る。
・カンパニアのナポリはスパゲッティ発展の中心地として世界的に有名。
💡 まとめの名言 「南の太陽と海風が、小麦を黄金の糸に変えた。」

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