スパゲッティの歴史‐地中海の太陽と人の移動が紡いだ“世界共通の麺”

スパゲッティの歴史を詳しくご紹介します。単なるパスタの一種ではなく、イタリア料理を世界に広めた象徴的存在です。

・語源 イタリア語 *spaghetto*（紐の意、*spago・の縮小形）。

古代ローマ時代
・「ラガヌム（laganum）」という平たい小麦生地料理は存在したが、現代のスパゲッティのような細長い麺はなかった。

中世（9〜13世紀）
・9世紀、アラブ商人が硬質デュラム小麦を使った乾燥パスタ技術をシチリアに伝える。
・1154年、地理学者エドラシ（al-Idrisi）の記録に「トリヤ（itriyya）」という長い麺状食品がシチリアで作られていたと記される。

14世紀
・南イタリア各地で細長い乾燥パスタが一般化。まだ「スパゲッティ」という名称はなかった。

16世紀以降
・大航海時代にトマトが新大陸からもたらされるが、料理に使われるようになるのは18世紀。
・ナポリで細長いパスタとトマトソースの組み合わせが生まれる基礎が整う。

18世紀末
・ナポリでトマトソーススパゲッティが庶民食として定着。
・乾燥技術（天日干し）により大量生産が可能になり、都市部へ広がる。

19世紀
・「spaghetto/spaghetti」という呼称が定着。
・フォークと組み合わせて巻いて食べるスタイルが普及。
・イタリア移民がアメリカへ持ち込み、「スパゲッティ＆ミートボール」として独自発展。

1950〜70年代
・世界的なイタリア料理ブームでスパゲッティが象徴的メニューに。
・日本でも戦後、米軍関係やホテル洋食から広がり、喫茶店で「ナポリタン」が誕生（1950年代）。

1970年代以降
・ディ・チェコやバリラなどの輸入パスタが一般家庭でも手に入るようになる。
・アルデンテ文化が浸透。

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・細さや太さのバリエーションが増加（スパゲッティーニ、スパゲットーニなど）。
・健康志向に対応した全粒粉やグルテンフリー製品も登場。
・世界中で年間数百万トン規模の生産が行われ、最も消費量の多いパスタ形状に。

💡 まとめ「スパゲッティは、地中海の太陽と人の移動が紡いだ“世界共通の麺”である。」

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