ゲームエミュレーター

動的リコンパイル（Dynamic Recompilation, 通称 Dynarec）の歴史

動的リコンパイル（Dynamic Recompilation, 通称 Dynarec）の歴史 ゲームエミュレーター
スポンサーリンク
  1. 動的リコンパイル（Dynamic Recompilation, 通称 Dynarec）の歴史
    1. 🔹 動的リコンパイルとは？
    2. 🔹 歴史と進化（年代順）
    3. 🔹 主なDynarec搭載エミュレータ（2020年代現在）
    4. 🔹 技術的メリットと課題
    5. 🏁 まとめ
    6. PC・家庭用・ACゲームサイトマップのご紹介
    7. 任天堂から発売された据置ゲーム機(FC/SFC/N64/GC/Wii/WiiU/Switch)のご紹介│まとめ
    8. 【プレイステーション】ソニーから発売された据置ゲーム機(PS/PS2/PS3/PS4/PS5)のご紹介│まとめ
    9. 【SEGA】セガゲーム機（MD・SS・DC・GG）アーケードゲームのご紹介│まとめ│
    10. NECから発売された据置ゲーム機(PCエンジン/PC-FX)のご紹介│まとめ
    11. SNKから発売された据置ゲーム機(ネオジオ/ネオジオCD)のご紹介│Top
    12. 家庭用ゲーム（据置│携帯│周辺機器）関連ページのご紹介
    13. PC・家庭用・ACゲーム・周辺機器・関連ページのご紹介
    14. 【ゲームランキング】世界・国内で最も売れたゲームランキングのご紹介
    15. 名作ゲームのご紹介│まとめ│家庭用ゲーム・PC・アーケードなど
    16. 【機種別ゲームTOP】PC・家庭用・アーケードゲーム・周辺機器のご紹介
    17. ジャンル別ゲームタイトルのご紹介│まとめ│
    18. 【ゲームTOP】ゲーム関連ページのご紹介
    19. 【書籍・雑誌TOP】書籍・雑誌サイトマップ関連ページのご紹介
    20. 【ホビーTOP】ホビーサイトマップ関連ページのご紹介

動的リコンパイル（Dynamic Recompilation, 通称 Dynarec）の歴史

動的リコンパイル（Dynamic Recompilation, 通称 Dynarec）は、ゲームエミュレータの性能を飛躍的に向上させた画期的な技術です。特にPlayStation、N64、Dreamcast、PS2などの3Dゲーム世代以降のエミュレータで多用されており、実用レベルでのフレームレートや互換性を支えています。

🔹 動的リコンパイルとは？

・通常、エミュレータはCPU命令を逐次1命令ずつソフトウェアで解釈（インタプリタ方式）します。
・Dynarecは、これをホストCPU向けにリアルタイムで翻訳してキャッシュし、ネイティブコードとして実行する技術です。
・「一度翻訳すれば再利用できる」＝高速処理が可能になります。

🔹 歴史と進化（年代順）

◆ 1990年代後半 初期の挑戦（PS1/N64時代）

初期Dynarec搭載エミュ
・`UltraHLE`（1999） Nintendo 64エミュ。初めてDynarecを本格採用。
・`Bleem!`（PS1エミュ） 独自BIOSと共にDynarecを用いて高速描画を実現。
・当時のPC性能では、Dynarecなしではフルスピード再生は困難だった。
特徴
 ・精度よりもスピード優先。
・メモリ管理やジャンプ命令の処理が粗く、バグやクラッシュが多発。

◆ 2000年代 実用化と最適化

 ・Project64（N64） Dynarecによる高速動作＋互換性改善で大人気に。
・PCSX / PCSX2（PS1 / PS2） Dynarec + インタプリタのハイブリッド実装が進む。
・Chankast / nullDC（Dreamcast） Windows向けDCエミュで、Dynarecを活用し実機並の速度に。
技術の進歩
 ・JIT（Just In Time）最適化が導入され、動的コードキャッシュや分岐予測の向上。
・複数CPU（マルチスレッド）で並列動的リコンパイルも試みられる。

◆ 2010年代 高精度Dynarecの普及

Dolphin（GameCube/Wii）
 ・x86_64やARM向けDynarecを完備。
・JIT Recompiler と Interpreter を切り替え可能。
PPSSPP（PSP）
・AndroidなどのARM CPU向けDynarecに対応。
・スマートフォンで快適動作可能な先駆けに。
RPCS3（PS3）
 ・LLVMベースのDynarec（JIT）導入により、複雑なマルチスレッド命令も対応。

◆ 2020年代 クロスアーキテクチャ＆AI補完の時代

Yuzu / Ryujinx（Nintendo Switch）
 ・ARM → x86_64向けDynarec。非常に高効率な翻訳エンジンを搭載。
・NVN（NintendoのAPI）命令もネイティブ変換。
Dynarec on ARM (Apple M1/M2, Android)
 ・エミュレータは従来x86向けだったが、ARMネイティブDynarecが登場しM1 Macやスマホで快適プレイが可能に。
・動的リコンパイラの補完にAIコード最適化が導入され始める（例 GPU最適化の提案エンジンなど）

🔹 主なDynarec搭載エミュレータ（2020年代現在）

エミュレータ 機種 Dynarec対応 備考
Dolphin GC/Wii ○ x86/ARM両対応。高精度
PCSX2 PS2 ○ LLVMベースのJIT進行中
PPSSPP PSP ○ Androidでも快適
RPCS3 PS3 ○ LLVM＋マルチスレッドDynarec
Yuzu / Ryujinx Switch ○ ARM→x86 Dynarec実装
Flycast Dreamcast ○ ネットプレイ・軽量設計

🔹 技術的メリットと課題

✅ メリット
・高速実行（実機同等のFPSを達成）
・実行済みコードのキャッシュにより反復処理が高速化
・ネイティブ環境への対応が容易（ARM, x86など）
⚠️ 課題
 ・実装が極めて複雑（ジャンプ命令、割り込み処理など）
・キャッシュ管理ミスでクラッシュや再現ミス
・チートやデバッグとの相性が悪い場合がある

🏁 まとめ

・Dynarec（動的リコンパイル）は、重い3D世代のゲーム機エミュレータを実用化へ導いた技術革新でした。
・現代ではスマホやM1 Macでもエミュレータが動くのは、この技術があるからこそです。
・今後はAI補完や仮想化技術との融合によって、さらに高度なエミュレーションが期待されています。
🗣️ 名言 「性能は工夫によって引き出される。それは、技術者の魔法である。」
ゲームエミュレータ関連ページのご紹介
ゲームエミュレータ ＞ 基礎
【基礎】
概要 歴史 種類
【ツール】
統合型 歴史
ゲーム機別
歴史 世代別　据え置き 8bit 16bit 32bit 64bit  6世代 7世代  8世代 9世代
8bit ファミコン(歴史 比較)
16bit スーパファミコン(歴史 比較) PCエンジン(歴史 比較)
32bit PS1(歴史 比較)
64bit ニンテンドー64 (歴史 比較) PS2(歴史 比較)
6世代 7世代  8世代 9世代 Switch 歴史
携帯ゲーム
ゲームボーイ系 歴史 ニンテンドーDS (歴史 比較) 3DS 歴史
ソニー系 PSP 歴史 PS Vita 歴史
PC系レトロ機＞ Apple 
歴史 PC98(歴史 比較) X68000(歴史 比較)MSX(歴史 比較)
Apple
メーカー別
 任天堂 歴史
プレイステーションシリーズ 歴史 PS1 歴史 PS2 歴史 PSP 歴史 PS Vita 歴史
セガ系 歴史 メガドライブ 歴史 BlastEm サターン 歴史ドリームキャスト(歴史 比較)
SNK 歴史 UNIBIOS NEOGEO 歴史 NEOGEO Pocket (歴史 比較)
Xboxシリーズ 歴史 Xbox(歴史) X360(歴史)
CPU別
ARM CPU 歴史
PS Vita 歴史 Vita3K 概要 技術的な課題 
統合型エミュレーション 歴史 エミュレーターコア 歴史 由来
RetroArch 概要 Libretro Team Stream オープンBIOS
技術
ROM吸い出し 専用機器
BIOS 解析(歴史) 独自BIOS(歴史) オープンBIOS(歴史)
逆アセンブルツール(歴史)動的リコンパイル(歴史)
【文化】
保存・研究(歴史) 
チートコード(歴史)
著作権 正規BIOSの著作権制限 判例と論点 事件(Sony vs Bleem! Sony vs Connectix)

 

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました